今回、編集長アッキーの目に留まったのは、大人の男性がおしゃれに着こなせるドレスTシャツ「スビンプラチナムスムース スマートフィット」。シルクのような肌触りと丈夫さを兼ね備えた最高級コットンを使い、カジュアル化が進む現代に適したTシャツです。今回はノイ・カンパニー株式会社の代表取締役社長 今村芳樹氏に取材陣が伺いました。
シルクのような最高級コットンを使用、大人の男性におすすめ!おしゃれなドレスTシャツ「スビンプラチナムスムース スマートフィット
2024/09/04
ノイ・カンパニー株式会社 代表取締役社長の今村芳樹氏
―なぜファッション業界に進んだのですか?
今村 私は1951年に三重県に生まれました。3歳の時に父が他界し、母親の実家である名古屋に移住します。京都の大学に進学後、ファッションに目覚めました。
当時、ファションブランドのVANが台頭するなど、ちょうど日本のファッション文化が成長しはじめた時代でした。そのような時代に青春を過ごしたことで、ファッションに興味を持つようになったのです。
物を作りたい気持ちが出てきたため、名古屋に本社があるメーカーのオスカーに入社して20年在籍しました。ここで洋服作りを学びました。
―創業までの経緯を教えてください。
今村 1991年にバブル経済(以後バブル)がはじけたことがきっかけです。それまでは多くの会社が、新築の自社ビルを建てたり、豪華な接待に使ったりなど、贅沢に経費を使っていた時代でした。
しかし、バブルがはじけて利益を出せなくなり、多くの会社が倒産していったのです。この頃、私が勤めていたオスカーもそうならない事を願っていました。
それでも上長は、バブル崩壊前の高額な商品展開を続けようとしました。現場の営業は、それではもう売れないとわかっていたのです。
そこで中間管理職だった私は、末端の意見を届けようとしたのですが、聞き入れてもらえませんでした。間に挟まれて辞めざるを得なくなった私は、もう1人の仲間と共に退職しました。辞めたかったわけではありません。
1993年、一緒にオスカーを退職した仲間と共に弊社を創業し、仲間が初代社長に就任しました。しかし、初代社長が2008年頃に突然他界したことで、私が2代目社長に就任したのです。
―経営で大事にしていることは?
今村 身の丈にあった商売が大前提です。100億円売り上げる企業と我々のように5億円売り上げる企業では考え方が違います。我々に可能で、魅力に感じてもらえる服を考えてきました。そして、ありきたりな物は売れません。ここにしかない商品を考えてきました。
また「ロスのない商売」も考えてきました。ロスが出ると、期末セールなどで安く販売しなければなりません。クオリティを重視し、時期を問わず万人受けする商品を作っています。
そのため、あえて流行に合わせたファッション用の服は作りません。流行は廃れる時が来るため、ロスになるのです。また、サイズを広げたり、色をつけたり、形をイジったりすると、いずれロスが発生します。足すのは簡単ですが、無駄を削り取る方が難しいのです。
そうして残ったのが、白のTシャツです。白は嫌いな人がほとんどいません。いつの時代もニーズがあります。また、どうしても汚れがつくため、買い換えが必要です。1度の買い物で、5枚ほど購入するお客様もいらっしゃいます。
なお、ご紹介する白Tシャツのブランド「TORIHS(トリス)」を逆にすると、SHIROTです。つまり白Tシャツを表したブランドです。
―「スビンプラチナムスムース スマートフィット」を開発したきっかけを教えてください。
今村 社会でYシャツが着られなくなってきたことが、開発のきっかけです。カジュアル化が進んで、ノーネクタイが増えてきています。スーツの下にTシャツを着るようになりました。
そこでスーツの下に着られる白Tシャツを開発することにしたのです。白は誰に対しても印象が良く万能で、ビジネスシーンにも適しています。
最初は16の型を作りました。新型コロナウイルス感染症(以後コロナ)がまん延していた時期だったので、抗菌作用のある生地などを試作しました。店頭でお客様の声を聞きながら絞っていって完成したのが「スビンプラチナムスムース スマートフィット」です。
スーツのインナーに適した白Tシャツ。普段使いにもばっちり。
―「スビンプラチナムスムース スマートフィット」はどのような特徴の商品ですか?
今村 2021年に発売しました。白のTシャツはどこにでもあり、量販店で安く売られています。しかし「スビンプラチナムスムース スマートフィット」は、素材が違います。
世界のコットンで最高級はシーアイランドコットンです。ものすごく柔らかいコットンですが「柔らかすぎて嫌い」という人もいます。そこで、シーアイランドコットンとインド綿の交配種の綿を育てました。
そして、シーアイランドコットンのなめらかさ・柔らかさと、インド綿の強さがマッチしたコットンが生まれました。シルクのなめらかな肌触りでありながら、とても丈夫です。
またデザインは、スーツの中に着ることを想定して、少し肩幅を狭くしています。普通のTシャツより少し細身です。Tシャツだけでも着られるように、ほどよいフィット感があります。
税込9,500円と、白いTシャツとしては高く感じる方もいるかもしれません。しかし、他社で同じ生地のTシャツを作ったら、1万5000円~2万円でもおかしくないのです。
コロナ後に値上がりが進み、開発をはじめたときから生地値が20%ほど上がっています。生地値を考えると、今の価格のままでは苦しいのですが、お客様のためにもできるだけ値上げしないように辛抱しています。
販売開始3年で、同シリーズは700枚ほど売れました。
上品な光沢感に、なめらかな風合い。
袖口を狭くして、男らしい二の腕を演出している。
―今後の展望を教えてください。
今村 コロナ前のように物が多く売れる時代ではなくなりました。25%くらい業界が縮んだ感覚があります。我々の受注量も減りました。皆さんが在庫を持たなくなっています。そこで卸売ビジネスに限界を感じ、直販ビジネスをはじめました。
価格勝負になってはいけません。そのスタンスを強化していきます。
そして、TORIHSブランドの数値目標を持っています。それを達成して、次の構想に着手したいです。
―貴重なお話をありがとうございました!
「スビンプラチナムスムース スマートフィット 半袖|クルーネック」
価格:¥9,500(税込)
店名:TORIHS ONLINE SHOP
電話:052-937-2677(10:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://torihs.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000000018&search=50125&sort=
オンラインショップ:https://torihs.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
今村芳樹(ノイ・カンパニー株式会社 代表取締役社長)
1951年三重県生まれ。3歳の時に父が他界し、母親の実家である名古屋に移住。京都の大学に通っていた時にファッションに目覚め、名古屋に本社のあるオスカーに20年在籍する。1993年に起業し30年が経過。メンズデザイン企画を中心に、アパレル卸売りを専門としてきたが、リーマンショック以降、モールを初めとしてオーバーストア状態になる。さらに、コロナ禍の3年間で卸売りビジネスに限界を感じ、直販ビジネスを始め現在に至る。
<文/林本直 MC/伊藤マヤ 画像協力/ノイ・カンパニー>