今回、編集長アッキ―こと坂口明子が注目したのは、累計販売数1,000万本を誇り、歯医者さんから「キレイに磨けていますね」といわれる歯ブラシ。歯ブラシでなぞるだけでいいという、まさに人生を変える奇跡の歯ブラシです。その開発秘話を、製造販売する株式会社西尾 代表取締役社長の西尾秀俊氏に伺いました。

株式会社西尾 代表取締役社長の西尾秀俊氏

―オーラルケア商品を取り扱うようになったきっかけを教えてください。

西尾　もともと大学では法学部で法律を勉強していて、卒業後は証券会社に入社しました。でも当時は、バブル崩壊期。証券会社も、とても苦難な時代でした。飛び込み営業をしていても、大変な目に遭う……。そのようなときに見つけた法則があります。それは「みんな、幸せになりたい」ということです。その幸せとはなにか。突き詰めて考え、頭に浮かんだのは「他人に認められて必要とされること」でした。人は、自分で自分のことを幸せにできると思っている場合がほとんどですが、実は、人は他者から幸せにしてもらえることのほうが多い。「幸せは追求するけれど、その幸せは他者によってもたらされる」ということを考えると、私にも人を幸せにすることができる。その思いにいきつきました。

―それがオーラルケア製品の開発なのですね。

西尾　この法則に気づいて、「人を幸せにする」ことに注力したところ、仕事における売上成績がとても上がりました。幸せは、自分が多くの人々を幸せにした総量に比例しますから。前置きが長くなりましたが、この法則に基づいて証券会社で仕事を続けていたときに、歯の被せものが取れて治療に行きました。でも、その歯医者さんでは、虫歯が大きかった違う歯を治療されてしまって。そこで、一般の人と歯科医師の感覚が違うことに気づきました。日本人に「人生で最も後悔したこと」のアンケートを取ると「歯を失ったこと」という回答もたくさんある。歯科業界には、まだまだ多くの悲しみが眠っていると感じたので、この悲しみを喜び＝幸せに転換させようと歯科業界にチャレンジしました。それがオーラルケア商品を取り扱うきっかけです。

奇跡のフルスロットルは電動歯ブラシタイプ。細かな振動もプラスされて磨き心地も抜群です。

―そして生まれたのが「奇跡のフルスロットル」をはじめとする奇跡の歯ブラシシリーズです。

西尾　先進国で当たり前の常識になっている「歯は守るもの」ということが、日本では正しく伝わっていません。「歯は虫歯になったら治す」という考えが強いので、高齢になって歯を失ってしまう方が大半です。奥歯がなくなると噛めなくなる。噛めないと三大疾病「がん・心筋梗塞・脳梗塞」に加え糖尿病のリスクも劇的に上がってしまいます。それを回避するために注目したのがブラッシングでした。汚れをきちんと落とせば虫歯になりません。歯周病もそう。ブラッシングは最高峰の歯科医療だと考えていますし、そこで大事になってくるのが歯ブラシです。一般の人でもきちんと磨ける歯ブラシ。それを実現したのが「奇跡の歯ブラシ」シリーズで、電動歯ブラシ版が「奇跡のフルスロットル」です。

―特長を教えてください。

西尾　毛先がピラミッド形状なことが挙げられます。歯ブラシにおいて毛先が三角形というのはとても重要です。この形状にすると虫歯などの原因になる歯間や奥歯の裏側、歯と歯茎の境目に、ブラシがしっかりと入っていきます。現在、販売されている歯ブラシはだいたい平たい形が多いのですが、歯並びは馬蹄形です。平たい形では、奥歯の裏側などは特に磨きにくい。平たいブラシは、毛先の1本1本が互いに邪魔しあって、歯間などの隙間に入り込めません。その結果、きちんと磨けずに歯医者さんで「奥歯の裏側が磨けていません」といわれるのが現状です。でも「奇跡の歯ブラシ」シリーズは、奥歯の裏もしっかりと磨ける。歯医者さんで「しっかりと磨けていますね」といわれるようになります。「奇跡のフルスロットル」は電動なので毛先がしっかり揺れますし、歯間などに入り込ませても毛が密集しない構造なので、より磨ける歯ブラシです。

「奇跡のフルスロットル」の毛先も磨きにくい隙間に入り込む美しいピラミッド型形状。
開発に3年かかった、この形状こそ汚れをキレイにする秘訣です。

―ピラミット型形状開発の経緯も教えてください。

西尾　磨ける歯ブラシを考えているときに、偶然パソコンのキーボードを掃除したことがありました。キーボードの配列は、歯と歯の間によく似ている。毛先が平らなブラシでは、なかなか配列の隙間がきれいになりませんでした。そこで、ブラシを斜めにしてみたところ、間にも入り込むのできれいにはなる。でも、それをずっと続けると手が疲れたり、毛先がちょっとしか入らなかったりと、不都合が多い。そこで、毛先をピラミッド形状に切ってみました。すると掃除もしやすくなり、汚れも落ちます。ピラミッド形状は清掃効率が高いことを発見しました。それを歯ブラシでも生かそうと、いろいろなメーカーに持ち込んだのですが商品になるまで3年かかりました。しかも、販売後もなかなか売れず……。6年間1本も売れませんでした。

―現在は大ヒット商品です。

西尾　通販番組がきっかけになって、ありがたいことに累計で1,000万本以上を販売しています。たくさんの歯ブラシの中でも磨ける歯ブラシを実現した「奇跡の歯ブラシ」シリーズは、現在2,000件ほどの歯科医院で取り扱いがありますが、営業は一切していません。きちんと歯を磨けている患者さんから歯医者さんが話を聞いて、連絡をいただくパターンが多いのも特長といえます。

磨くときに力を入れすぎないことがポイント。
鉛筆を持つように握るのがオススメです。
奇跡のフルスロットルはキャップもついているので持ち運びにも便利。

―オススメの使い方はありますか。

西尾　電動歯ブラシ「奇跡のフルスロットル」も含め、歯ブラシはペンシルグリップまたは指2本で握ること。力をいれずになぞるだけで十分です。隙間にフィットする形状なので、歯間に入り込ませる必要がありません。それから朝と夜に磨き、昼間はフロスだけでもいいです。ただ、朝は口の中に菌が多いので、ブラッシングをしっかりとしてほしい。「奇跡の歯ブラシ」シリーズは圧倒的に歯を磨けますから、一度使ってみていただければ効果を実感できると思います。

―新商品の「みらくる」は「奇跡の歯ブラシ」シリーズを利用できるサービスです。

西尾　デンタルケアD2Cアプリの「みらくる」は「奇跡のフルスロットル」をはじめ、電動⾆ブラシや⻭磨き粉などを気軽にオーダーできる仕組みです。⼝腔内を守るためにかかりつけの歯科医院と連係をしたり、磨き残しを可視化したりできます。2024年夏頃にリリース予定なので、「奇跡のフルスロットル」と一緒に利用してもらえたらうれしいです。歯医者さんに「歯を磨けています」といわれれば人生は変わりますし、歯が守れれば病気などのリスクも減らせる。人生が幸せになりますから。今後も多くの人を幸せにするオーラルケア用品の開発やサービスを考えていきたいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

「音波式歯ブラシ 奇跡のフルスロットル」
価格：¥4,620（税込）
店名：奇跡の歯ブラシ Web Shop
電話：043-307-3737（9:00～17:00／土日祝休み）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.kiseki-no-haburashi.jp/c/oralcare/fullthrottle/gd111
オンラインショップ：https://www.kiseki-no-haburashi.jp/

＜商品情報＞
「デンタルケアD2Cアプリ「みらくる」
2024年夏頃リリース予定

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
西尾秀俊（株式会社西尾 代表取締役社長）

証券会社勤務を経て、歯科業界へ転身。歯科医院の開業プロデュースやコンサルティングを行い、累計300医院以上の実績を持つ。1晩で1億円を超える人気商品となった「奇跡の歯ブラシ」シリーズを世に送り出すなど、オーラルケアグッズの開発にも力を入れている。同時に、ホワイトニング加盟ネットワークシステム構築や現在主流となりつつある30万円からのマウスピース矯正の展開、メディカルエステ(医療美容)全国展開などにも注力。「歯医者をもっと訪れやすい場所へ」という想いをもとに、歯科業界の改革を目指している。

＜文・撮影／青柳舞子　MC／澤水拳太　画像協力／西尾＞