
“福島県の色”を楽しむ キャスター付きスツール
2025/02/27
腰掛けたり、インテリアのアクセントにと、様々な用途に使えるスツール。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、丸みのある優しいフォルムと、美しいカラー展開が目を引く1品です。商品のコンセプトなどについて、製作元である株式会社宏昇製作所 代表取締役社長の斎藤修弘氏に取材陣が伺いました。

株式会社宏昇製作所 代表取締役社長の斎藤修弘氏
―御社は東京都渋谷区に本社を構えておられますが、生産拠点は福島県なのですね。
斎藤 そうですね。弊社はもともと東京で家具関係の仕事に就いていた先代が1961年に独立し設立した会社で、約40年前に工場を福島県に移転しました。私は大学の工学科に進み、卒業後は造船所で造船や修理に携わっておりましたが、その後、「家具もものづくりの一つだ」と気づいて1988年に家業に入りました。1994年に工場長を務め、代表に就任したのが1998年です。
―ご入社をされてからご苦労はありましたか?
斎藤 小さな会社なので、何でも経験しなければならない点は大変だったかもしれません。最初の頃は営業も担当し、オフィス家具を作っておりましたので、お付き合いのあるお客様のお仕事に加えて新規の受注先を探したり、OEMを手がけたりしました。あと大変なことと言えば社会状況的にはバブルやコロナ…そしてやっぱり東日本大震災の時期は非常に大変でしたね。一時的に福島県の工場を埼玉県に移転させ、2019年にようやく福島県へ工場を戻すことができました。以降は若いスタッフにも恵まれ、今は彼らの意見を聞きながら新しいことにもいろいろチャレンジしているところです。

スタッフの意見を取り入れながら、新しいものづくりにチャレンジしている。
―近年ではデザイン性の高い家具も数多く手がけていらっしゃいますが、ブランドとして方向性を変えられたのはいつ頃ですか?
斎藤 コロナ禍でしょうか。どうせものづくりをするなら、自分たちが作りたいものをやってみようという思いが強くなりました。
―今回ご紹介させていただく「Carry Stool」もその1つですね。
斎藤 張地に福島の県の色を取り入れた商品です。張地メーカーさんが持っている張地の中からデザイナーにも相談しながらセレクトし、鶴ヶ城の赤瓦や三春町の滝桜、猪苗代湖の澄んだ青など11色を取り入れています。

前列左から「あんぽ柿/オレンジ」や「鶴ヶ城の赤瓦/ワインレッド」、「岩瀬きゅうり/ダークグリーン」。
福島県の風景が浮かんでくるよう。
―デザインもユニークですね。
斎藤 こちらもデザイナーに相談しながら作り上げました。オフィスでも一般のご家庭でもハンドルを持って簡単に移動できるところもメリットです。ハンドルにはブナ材を使っており、塗装していないナチュラルタイプのほか、塗装コーティングを施したブラック、ホワイトの2色もあります。また張地はリクエストで他の布地でも対応可能ですのでぜひご相談いただけたらと思います。

手触りの良いハンドルはブナ材。曲線を描くデザインも素敵。
―販売を始めたのはいつですか?
斎藤 2022年です。今はオンラインショップにも掲載しています。それまでは完全に受注製造だったのですが、2023年頭にオンラインショップを立ち上げたので、そこからも購入していただけるようになりました。

幅は41cm、奥行は43cm、座面の高さは45cm。なおこちらはハンドルを黒、白に塗装したタイプ。
―どんな場所に取り入れてもらいたいですか?
斎藤 オフィス空間も時代と共に随分変化して、最近はフリーアドレスのところも増えていますよね。その中で、こちらのスツールは簡単に移動ができると重宝していただけるかと思います。納品先として、オフィスの共有スペースや美容室、物販をされている店舗などからの注文が多いようです。
―東京本社のショールームでも実物を拝見することは可能ですか?
斎藤 可能です。ショールームは2022年の1月に完成し、15商品ほど展示しているので事前にお問合せいただければ確実にご覧いただけると思います。

東京都渋谷区千駄ヶ谷にある「宏昇製作所」のショールーム。
―購入した方のお声で印象的なものはありますか?
斎藤 ある店舗様で、内装の色とCarry Stoolの色を合わせたところ、働くスタッフ様からの評判がとても良く、嬉しかったですね。
―今後のご展望についてもお聞かせください。
斎藤 福島に戻ることができましたので、皆でアイデアを出し合いながら、地元の素材をアピールできるものを作っていけたらと思っています。例えば2024年末にはクラウドファンディングサービスの「Makuake」に、福島県産の「常磐杉」、福島の小野畳店様の「畳」を組み合わせた「Wabi stool」を製作するプロジェクトを掲載したのですが、おかげ様で目標金額を大きく超えて達成することができました。こちらもスタッフが考えて、やってみたいということで挑戦してもらいましたが、とても良い経験になったと思っています。

「Makuake」に掲載したプロジェクト「Wabi stool」。
―どんな状況においても常に新しいことを求め、形にされてきた宏昇製作所様。「Makuake」では目標金額の7倍もの応援購入総額を達成されたとのことで、今後はさらに注目が集まりそうですね。お話をありがとうございました!

「Carry Stool」(幅41cm、奥行43cm、高さ70cm、座高45cm)
価格:¥71,500(税込)※送料込
店名:宏昇製作所
電話:03-3404-5856(10:30~17:00 土、日、祝日除く)
定休日:土、日、祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hirosho.official.ec/items/65281201
オンラインショップ: https://hirosho.official.ec
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
斎藤修弘(株式会社宏昇製作所 代表取締役社長)
東京都出身。大学卒業後、1988年に「宏昇製作所」に入社。1998年に代表取締役社長に就任。
<文/鹿田吏子 MC/田中香花 画像協力/宏昇製作所>