
日本が誇る半導体の生産技術から生まれた、水と空気の力で汚れを落とすシャワーヘッド、ウルトラファインバブル「アクアビュル」
2025/04/07
今回、編集長アッキーが注目したのは、泡の力で汚れを落とす「アクアビュル」ウルトラファインバブル。すでに各メディアでも話題になっているシャワーヘッドはもちろん、洗濯機用のジェネレーターなどの開発秘話や製品にかける思いを、株式会社S.K.H. 代表取締役の林裕貴氏に、取材陣がお話をお伺いしました。

株式会社S.K.H. 代表取締役の林裕貴氏
―創業社長でいらっしゃいます。ご経歴を教えてください。
林 私は大阪で育ち、実家は貿易商社を営んでいました。英語や中国語などの語学が得意だったこと、世界各国に親戚もいたので、大阪の短大を卒業後、アメリカのオクラホマ大学に留学しました。大学ではマスコミ、PRの勉強をしていて、当時はマスコミ志望でした。しかし、親との約束があり、半ば強制的に帰国することになりました。ただ、その時に勉強したことは無駄ではなくて、今の仕事に生かされていると感じています。
―それから貿易業に従事されたのですね。
林 家業を手伝って、日本国内で作られた工作工具を台湾や香港などに輸出する仕事をしていました。アメリカにいた時にも感じましたが、「MADE IN JAPAN」は私にとってはホッとする、和める存在。ひとつひとつ磨き上げられ、プライドと愛情を持って作られた製品は、手に取った瞬間、自信を与えてくれるような存在です。
20年ほど前から安価な外国製のものが入ってきましたが、単価が高いというだけで切り捨てられるのを歯痒く思っていました。日本製はどこにも負けない、そこは譲りたくない、という強い思いがあります。
―ご自身で起業された経緯は?
林 2004年に父の会社からのれん分けという形で独立しました。半導体関連メーカーのサポートなどを行なっていましたが、2012年頃リーマンショックがあり、今後は商社だけではやっていけないと模索を始めました。
その時に半導体の洗浄にも使われる純水洗浄技術「ファインバブル」の存在を知り、これを一般家庭でも使えるものにできないかと考えました。一般家庭と洗浄を組み合わせた時、最初に思いついたのが「シャワーヘッド」でした。


半導体の洗浄にも使われている技術「ファインバブル」。
毛穴より小さい気泡が汚れを落としてくれるという仕組み。
これをシャワーヘッドに応用。もちろん、こだわりのMADE IN JAPAN。
―すごいひらめきですね。
林 正直なところ、最初は「素人が何を言っているのか」と言われました。私は工学の知識などは全くありませんでしたから。でも、私は女性であり母でもありますから、子どもに良いもの、ママたちがラクできるようなもの、といった視点でものづくりをはじめます。開発スタッフがその気持ちを汲み取ってくれ、アイデアを出し合いながら形にしていきました。
―発売したファインバブル「アクアビュル」は、すぐに話題に?
林 ファインバブルは、目に見えないほど微細な泡が毛穴の奥まで入り込み、汚れを除去するという特性を持っていて、洗浄力の高さはもちろんのこと、節水や保湿といった効果にも優れています。1本目を発売すると、口コミ雑誌に「類似品と比べても汚れが落ちる」とのレビューが掲載されました。


口コミ雑誌に多数掲載。洗浄力については特に評価が高かった。
それでいて、たまご豆腐が崩れないソフトな肌あたり。
林 それからお問合せがとても増えて、ご意見などもいただきましたので、1年に3、4本くらいのバリエーションを出すようなことになりました。ミストのみのもの、ストッパー付きのもの、マッサージ付きのものなどです。
―お問い合わせにも真摯に対応されているのですね。
林 今でも忘れられないお問合せがあります。それは「孫がアトピーで湯船に浸かれないのですが、そちらのシャワーヘッドで何とかならないでしょうか?」という切実なご相談でした。「個人差があるので一概には言えません」と無難な回答をしたものの、寒い冬にお孫さんだけが湯船に浸かれないという話を聞き、心が痛みました。
ふと、自分の息子も幼少期に乾燥性皮膚炎でお風呂上がりに痒がっていたことを思い出し、「試しに弊社のシャワーヘッドでお湯を張り、短時間ずつ浸かってみてはどうでしょうか?」と提案したのです。数ヶ月後、再びそのお客様から連絡があり、「アクアビュルのシャワーヘッドで張ったお湯なら、孫が痒がらないのです!」という喜びの報告が届きました。
その時、私は「商品開発で最も大切なのは、お客様の『思い』に寄り添うこと」だということに気づきました。

お客様の声に合わせて、どんどん進化。
最新「アクアビュル シャワーS」にはさまざまな機能が搭載。
手元での一時ストップ機能、年間22,700円の節水、
ファインバブル10%アップといったアップデートがなされている。
―好評の「アクアビュル」製品ですが、課題はありますか?
林 市場にはファインバブルやマイクロバブルを謳う製品が数多く出回るようになっています。当初は泡の発生数にこだわっていましたが、ファインバブルの本来の良さをよそに、その発生数だけを誇張する流れに違和感を抱くようになったのも事実です。
「バブルの質」にこだわり、数を落とさず、より精巧な泡を発生させる仕組みを開発。業界を意識した数から、泡の質にこだわることで、お客様の悩みを解決できると感じています。しかしながら、数にも質にもこだわるあまり、その両立をさせることが課題でした。
そのために、素材メーカーと何百回も試作品を作り、発生器の軽量化とインサート型への進化を実現しました。メーカーと試作を進めていくうちに特許出願や取得ができました。
ファインバブル製品は一般の製品とは異なり、安価に手に入るものではありません。でも、コストを抑えながらも質を維持することに挑戦し続けたいと思います。それは、単なる製品開発ではなく、「誰かの大切な人のために、より良いものを届ける」という使命があるからです。

―どんな人に使ってほしいとお考えですか?
林 ファインバブルは、水と空気という“大自然の恵み“でできるものですから、「アクアビュル」製品は、その恩恵に誰もが預かれる、ということを念頭に開発しています。
あえて、どんな人に使ってほしいかといえば、私は、今日一日、ほんの少しでも頑張ったと思われた方、水に触れることによって幸せと癒しを求めている方に商品を手に取っていただきたいですね。中でも、女性や主婦の皆さんに使っていただけたら、と思っています。
なぜなら、「アクアビュル」製品の発生器から噴出されるファインバブルはマイナスイオンを帯びています。そのシャワー、特にミスト機能からの優しいミストや音には癒しの効果があります。もちろん個人差もありますが、頑張った1日の締めのシャワータイムで、是非とも心身を癒していただきたいと思います。
余談ですが、私はシャワーを一分間集中浴びするのが一番好きです。「よくがんばった!明日も頑張ろう!One More Try!」と自己暗示をかけます。
もちろん悔し涙を流す時もありますが、そんな時もシャワーが優しく流してくれます。

使用した人からは、「髪を洗った後、ふわふわサラサラになる」
「ミストで顔をやさしく洗える」といった声が多いそう。
―今後のビジョンをお聞かせください。
林 昨今女性が活躍している時代に、女性経営者として、主婦として、日常的に多く水を扱う立場にいるからこそ、主婦目線・女性目線での商品開発を大切にしていきたいと思っています。
例えば、家族の加齢臭や肌トラブルを気にしたり、洗剤の使用量を減らし家計を守りたいと考えたりすること。そうした実体験が、製品開発の原動力となっています。
「アクアビュル」製品のラインナップとして、ランドリー用も開発しました。洗剤の使用量を減らすことができ、洗剤を減らせばすすぎの時間も短縮され、節水効果が期待できるというものです。それは光熱費の節約にもつながるし、環境負荷の低減にも貢献します。SDGsへの取り組みの一環としても、大きな意義があるでしょう。


洗濯機用商品の「アクアビュル ランドリー(ピッコロ)」。
洗濯機のホースにつけるだけで、ファインバブルが発生する。


直径約0.000052mmの超微細なファインバブルが9億個以上で、毎日の洗濯をサポート。
消臭効果や部屋干しの嫌な匂いも軽減することが期待できる。
洗剤や柔軟剤の削減にもなり、地球環境にもやさしい効果が見込まれる。
林 それから、これもOne More Tryなのですが、ペット用のファインバブル発生器搭載グッズの開発にも着手しています。保護犬や野犬の保護活動を支援し、ペットが家族の一員として幸せに暮らせるような製品を考案中です。
ファインバブル技術の可能性に魅せられた私は、水に関わるあらゆる製品に挑戦したいと考えています。誰かの大切な人へ贈る“幸せ”の逸品を作り続けること。それがこだわりであり、他社にはない強みだと考えています。
―One More Tryの精神がより良い製品作りへの鍵なのですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

「アクアビュルシャワーS」
価格:¥19,800(税込)
店名:AQUA Bulle(アクアビュル)
電話:06-6251-2477(10:00~17:00)
定休日:土日祝祭日・季節休暇・年末年始
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://aquabulle.co.jp/aquabulleshowers/
オンラインショップ:https://amzn.asia/d/aQXZTtO

「アクアビュル ランドリー」
価格:¥13,200(税込)
店名:AQUA Bulle(アクアビュル)
電話:06-6251-2477(10:00~17:00)
定休日:土日祝祭日・季節休暇・年末年始
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://aquabulle.co.jp/picolog/
オンラインショップ:https://amzn.asia/d/5KibHC0
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
林裕貴(株式会社S.K.H. 代表取締役)
1992年にオクラホマ大学を卒業後、貿易業務に従事。『MADE IN JAPAN』の品質と職人の情熱に感銘を受け、2004年にS.K.H.社を設立。大切な人のために選ぶ『逸品』にこだわり、2012年より“アクアビュル”の開発に取り組む。贈る人の想い、受け取る人の喜びを全て包み込んだ『逸品』を真心込めて創り上げ、品質から使用感まで一切の妥協をしないものづくりに従事している。
<文/尾崎真佐子 MC/藤井ちあき 画像協力/株式会社S.K.H.>