“日本経済の父”も大好物。特産のねぎや根菜とともに煮込む「煮ぼうとう」
ツルっとのどごしがよく、だしの効いた汁がからだを温めてくれるうどん。香川の讃岐うどんや、名古屋のきしめんをはじめ、その土地が育んだ名物も多く、それぞれのおいしさを楽しめるのも魅力ですよね。
埼玉県北西部に位置する深谷市の名物が「煮ぼうとう」。古くから小麦栽培が盛んな武州・深谷地方の風土が育んだ郷土料理です。薄くて広い麺を使うのは、山梨の名物「ほうとう」と共通していますが、ほうとうが味噌味なのに対し、煮ぼうとうはしょうゆ味のスープ。具材も違いがあり、煮ぼうとうは、特産の深谷ねぎをはじめ、いちょう切りにしたにんじんやだいこんなどと煮込みます。あっさりと品がよく、栄養たっぷり。深谷出身で、明治から昭和にかけて日本経済の基礎を築いた渋沢栄一も煮ぼうとうが大好物だったそう。
近年、テレビ番組で取り上げられるなど知名度を高めている煮ぼうとうですが、その立役者が深谷市の製麺会社・新吉。オリジナルの乾麺と秘伝のたれを開発し、全国に郷土の味を届けています。