味噌や酒粕は地元の一級品を使用。独自の配合や漬け込みの工夫もおいしさの秘密
発酵食品で魚のおいしさが増す粕漬けや味噌漬けは、日本の食文化が誇る保存食。カネシンでは、その伝統を受け継ぎ、シンプルにして奥の深い漬け魚づくりに取り組んでいます。選び抜いた上質の魚を一尾一尾手切りにし、塩水に漬けて一晩低温で熟成。こうすることで余分な水分が抜け、おいしい漬け魚の土台が完成するそう。その後、特製の漬けたれに漬け込みますが、一般的な漬け込み時間が24時間なのに対し、48時間と長時間なのも特徴。
「当社では、漬け魚を存分に楽しんでいただけるよう、身が厚く、脂がのった魚を使っています。48時間じっくり熟成させて中までしっかりいきわたらせることで、ジューシーな味わいが完成します」と語るのは、株式会社カネシン常務取締役の中野佑子さん。
漬けたれに使用する味噌は仙台味噌の老舗「佐藤麹味噌醤油店」、酒粕は宮城銘酒「一ノ蔵」のもの、といずれも地元・宮城の一級品。酒やみりんなど漬けたれに使う調味料は魚に合わせて割合を変え、持ち味を最大限に引き出します。また、粕漬けだけではなく、味噌漬けや西京味噌漬けにも酒粕を配合することでおいしさを追求。
「酒粕を使うことで味噌の塩気の角がとれ、まろやかな味わいになります。漬け床をつくるときは、酒やみりんなどは煮切ってから混ぜ、アルコールのわずかな苦みも残しません」(中野さん)
ひとつひとつの工程を丹念に積み重ね、保存料や化学調味料は一切不使用。妥協のないものづくりが極上の味わいの秘密です。