伝統の茶草場農法で栽培した茶葉とこだわりの製法で、極上の深蒸し茶を完成
お茶づくりは、茶園で摘み取った茶葉を荒茶工場で蒸す・揉む・乾燥させる工程と、荒茶に火入れ・選別し、仕上げを行う工程とに分かれます。静岡県掛川市で65年の歴史をもつ美笠園は、良質な茶葉を栽培する市内の生産者(契約農家)と取引し、それぞれの茶葉の個性に合った荒茶の製造を依頼。同社独自の製法で深蒸し茶を仕上げ、販売しています。同社と長きにわたってお茶づくりに取り組んできたのが山東茶業組合で、世界農業遺産にも認定されている茶草場農法で育てた上質の茶葉に定評があります。
「『茶草場農法』は、秋・冬に刈り取ったすすきや笹を茶畑の根元に敷き、お茶の栽培に最適な土壌をつくる伝統的な農法です。手間も時間もとてもかかるのですが、すぐれた茶畑管理で、情熱をもってお茶づくりに取り組んでいるのが山東茶業組合です」と話すのは、株式会社美笠園専務取締役の芝田悟さん。
同社では、伝統の農法で育てた茶葉を、深蒸しよりさらに長い時間蒸し上げた「特蒸し製法」で蒸し、独自の「二段焙煎製法」でお茶の葉の中に眠る旨味、香りを最大限に引き出しています。さらに、その日の気温や湿度、荒茶の状態によって火入れ温度や時間の加減を調整するそうです。
「茎や粉の選別に至るまで、熟練の職人の長年の経験と勘によって丹念に仕上げることで、当社ならではの甘みとさわやかな口当たりの深蒸し茶ができあがります」(芝田さん)
丹精込めた土壌づくりから生まれる茶葉と高い製茶技術とが結晶することで、茶葉の美しさや香気、水色、味などで最上級の評価を得た深蒸し茶を完成させています。