健康と美容に良いといわれるココナッツは、テレビや雑誌で料理やスイーツの特集が組まれるほど女性の間では人気です。中華菓子でもポピュラーな食材でよく使用され、ココナッツの入ったココナッツ餡を使ったお菓子もいくつも種類があります。
そんなココナッツを使ったお菓子の中から、明治創業、100年以上の歴史がある、横浜中華街の名店中華菜館「同發」の作るココナッツサンド(香麻椰茸夾心餅)をご紹介します。
中華街土産の新定番! 名店「同發」のココナッツサンド
明治創業の老舗中華菜館「同發」の夾心餅
同發はイートインコーナーを含めた飲食店3店舗、売店4店舗を運営
同發は、古き良き伝統を受け継ぐ、横浜中華街を代表する広東料理店の1つ。焼き物料理が名物で、平日でも開店前から行列が出来る人気店です。本店や別館の他、複数の土産物店があり、各店でココナッツサンドが購入できます。
ココナッツサンドを漢字で書くと、「香麻椰茸夾心餅」夾心餅の夾心は「挟む」という意味。ソフトな生地で餡を挟んだお菓子です。同發では、幅広い世代に親しまれている黒餡サンドの夾心餅(くるみ入り)、ナッツがぎっしり入ったミックスナッツサンドなど4種類の夾心餅を20年近く作り続けています。夾心餅を作っているのは、横浜中華街の数多くの店舗の中でも同發を含めてわずか2~3店舗なのだとか。
ココナッツサンド製造中の工場を特別公開!
趣のある建物の中は清潔感のある製造工場。ココナッツサンドを作れるのは、工場でも限られた人のみ
今回は特別に製造工場を見学させていただきました。同發のココナッツサンドは、本場中国で修行してきた専門の職人が手作りで行っています。製造工程は、黄色が鮮やかなココナッツ餡とそれを挟むソフト生地を用意し、それぞれ薄く引き伸ばして重ね三層にし、大きな1枚の板のような菓子を作ります。
すばやく簡単そうに引き伸ばし型に入れていきますが、焼きムラができないように均等に生地を伸ばすことは誰にでも出来ることはではないそうです。また、型詰めにもコツがあり、ギュウギュウに力任せで押し込んでしまうと、滑らかに作られたココナッツ餡が固くなってしまいます。ですので、隙間ができて形が崩れないように、けれど、力を入れすぎて固くならないようにと、押す力の加減が難しいのだとか。
1枚の夾心餅を約60個ほどに均等に切り分け、1つずつ包装される
食感と香ばしさが嬉しいたっぷりのごまをかけた生地は、その後、オーブンで35分ほどじっくり焼き上げ、一度冷まし、菓子と同じ幅の木の棒で測りながら手作業で切り分けます。
インスタでも続々アップ。中華街手土産はこれ!
土産物店で小売りされているココナッツサンド。1個200円(税込)
同發の売店では、中華菓子の中でも有名な月餅から中国の蒸しパンマーラーカオ、中華風かりんとう麻花兒(マファール)といった定番のおみやげと並んで、ココナッツサンドも人気商品の1つです。落ち着いた色味が多い中華菓子の中で、白ごまと卵黄の黄色が色鮮やかなココナッツ餡の色合いは目を引きます。また、一口食べると濃厚でしっとり滑らかな餡の後にはココナッツのシャキシャキとした食感が楽しめます。見た目はしっかりした四角形で硬そうに見えますが、餡を挟む生地は噛むとほろほろとくずれるソフト生地です。
若い女性の間で中華街土産の1つとして選ばれているココナッツサンド。個包装なので、友人や勤め先の親しい方へ配るのにもちょうど良いですね。