旨みや粒子感はそのままに、大学との共同研究で塩分35%減の辛子明太子を実現
辛子明太子の原料となるスケトウダラの卵は、成熟の段階で呼び名や食感、風味が変わります。もっともおいしいとされるのが産卵する直前の「真子」で、「まるいち」ではこの真子のみを使用して辛子明太子づくりを行っています。
「粒子感と張りにすぐれている真子は、たらこや辛子明太子に最適です。よい状態の素材を見極めることも大切で、当社では長年培った独自の基準と人の目と手で、1本ずつ真子を選び抜いています」と語るのは、九州丸一食品株式会社の國延一成さん。
辛子明太子の味を決める漬け込み・熟成でも、同社ならでのノウハウが詰まっています。創業時の味をベースに改良を重ねた調味液に96時間漬け込み、じっくりと熟成させることで、もっともおいしい状態へと導くことができるそう。
この秘伝の辛子明太子づくりを守りながら、塩分が気になる人や健康志向の人にもおいしく食べてもらいたい、との考えのもと開発したのが「減塩辛子明太子」です。
「明太子のおいしさと減塩を両立させるため、国立大学法人・東京海洋大学食品加工学の大迫一史教授と共同研究を実施しました。その結果、熟成する間に従来よりも塩分を35%減らすことに成功。通常100g当り4.8gの塩分を3.1gにカットしながら、味も粒子感も従来と変わらない減塩辛子明太子が完成しました」(國延さん)