室町時代創業の老舗が作るやさしい甘さの和菓子で、心和むティータイムを
2021/04/09
仕事や家事の合間に、ホッと一息つきたいとき。濃く入れたお茶のお供に、上質な和菓子があったら最高ですよね。
素材にこだわって作られた、上品でやさしい味わいの和菓子を見つけました。自分だけのティータイムにも、お客様へのおもてなしにも、もちろん手土産にもぴったり。
創業184年の伝統を持つ、大阪本家 駿河屋の羊羹です。
しっとりと煉り上げた羊羹の美しさは、目にも楽しい。
駿河屋の歴史は、室町時代中期の1461年に遡ります。初代・岡本善右衛門が「鶴屋」の屋号で饅頭処を開いたのが始まりでした。
実は、日本で初めて煉羊羹を作ったのが、この駿河屋です。それまでの羊羹は、小麦を用いて蒸したものでしたが、駿河屋が作った煉羊羹は「凝藻葉(こもるは)」という海藻を使った画期的なものでした。
豊臣秀吉の大茶会で、この煉羊羹が引き出物に使われ、賞賛を受けたことをきっかけに、「羊羹の駿河屋」という代名詞で呼ばれるようになりました。
その後は、凝藻葉の代わりに寒天を用いて煉り上げた羊羹が一般的になり、現在の煉羊羹として受け継がれています。
そんな歴史を知ると、ますます羊羹を味わう時間が豊かに感じられますね。
駿河屋の和菓子は、すべて厳選された原料を使っています。
上品な甘さの秘密は、希少な和三盆糖。手で煉り上げては水分を圧縮除去する、という作業を何日も繰り返して作られるため、産出高がごくわずかで高価な原料です。駿河屋では、昔から香川県と徳島県で作られる和三盆糖を使用しています。
さらに、深いコクとやさしい甘みが特徴のざらめ糖も使用。純度99. 9%の不純物のない砂糖で、結晶が大きく透明でゆっくり溶けることから、素材を生かす和菓子に使われます。
寒天は、国産の糸寒天を使用。昔ながらの製法で天草100%で天日干しした糸寒天を作っているのは、全国でわずか11軒しかありません。その中でも透明度、固さ、粘りなどの良質な寒天を選んでいます。
小豆は北海道十勝産。皮が薄く、ふっくらとしていて、独特の風味があり粘りがしっかりしています。
「小豆と砂糖、そして寒天というシンプルで厳選された素材を使って、上質な羊羹をつくる」という創業当時の姿勢と技術は、今もしっかり継承されています。
気軽に味わえる手のひらサイズ。レトロモダンなパッケージが可愛い。
小形羊羹「祝い小箱」は、手のひらサイズ。切る手間がいらないので、食べたいと思ったときに気軽に味わえます。
味は3種類です。
「夜の梅」は、しっとりと煉り上げた羊羹に、蜜づけの北海道産小豆が入っています。羊羹の切り口に見える小豆が、闇夜にうっすらと浮かび上がる白い梅の花のように見えることから名付けられました。
「煉羊羹」は、駿河屋伝統の紅色。お茶はもちろん、深煎りのコーヒーやウイスキーにもよく合います。
「挽茶羊羹」は、上質の宇治抹茶を使用して、風味豊かに仕上げています。
そしてこれからの季節に特におすすめなのが、葛菓子です。
駿河屋の「涼菓くず」は、季節ごとに旬の素材を使っていて、さまざまな味が楽しめます。
原料には、本葛を使用。
見た目も涼しげで美しい葛菓子は、お皿に出しただけで思わず笑みがこぼれます。口に入れると、つるんとした食感と素材の香り、まろやかな甘みが広がります。
あっさりした甘さなので、ふだん甘いものが苦手な人にも、葛菓子はおすすめです。
味は6種類です。
「桜」は、2月から4月ごろまでの春限定。春の訪れを感じられるさくら風味です。
「小豆」は、2月から9月ごろまで。あっさりとした十勝小豆のこしあんを使用しています。
左から、「桜」と「小豆」。春のおもてなしに最適。
「抹茶」は、3月から9月ごろまで。香り高い宇治抹茶を使用しています。
「夏柑」は、4月から8月ごろまで。爽やかな甘酸っぱさの宮崎日向夏を使用しています。
「白桃」は、4月から8月ごろまで。まろやかな風味の国産白桃を使用しています。
「トマト」は、5月から8月ごろまで。完熟した真っ赤なトマトの、自然な甘みが楽しめます。
左から、「白桃」、「夏柑」、「トマト」。夏だけの限定販売です。トマトの和菓子は、珍しくて喜ばれそう。
葛菓子は、日持ちがいいのもうれしいところ。常温で40日間持ちますので、贈り物にも安心です。
冷やして食べるとまた格別なおいしさ。冷蔵はもちろん、冷凍してもおいしいのです。
30分冷凍で「ちょっとひんやり」、1時間冷凍で「もっちり」、さらに3時間冷凍で「シャキシャキ」と、冷やす時間によってさまざまな食感が楽しめるのも、葛菓子の醍醐味です。
駿河屋の和菓子のもうひとつの魅力。それは、パッケージデザインの可愛らしさです。
包装紙のデザインや、「祝い小箱」の箱にあしらわれたデザインは、実は駿河屋に代々伝わる「菓子見本帳」に描かれている図柄を題材にしたものです。
図柄に込められた「季節ごとにお客様に喜んでいただけるお菓子を届けたい」という気持ちが、今に受け継がれています。
可愛らしさの中にも、伝統を感じさせるデザイン。
家で過ごす時間が長くなった今だからこそ、自分へのご褒美のような和菓子を、ティータイムにゆっくりと楽しんでみませんか。
そして会いたくてもなかなか会えない大切な人に、季節のあいさつを贈ってみませんか。きっと、気持ちの伝わる贈り物になることでしょう。