今回、編集長アッキーが気になったのは、ベビーフードやドレッシングなど有機JAS認定の商品を販売する「味千汐路」です。株式会社味千汐路の代表取締役の山田幸枝氏に、商品にこめられた思いを取材陣がうかがいました。

―創業の経緯を教えてください。

山田　もともと食品メーカーの下請け会社として、チキンカツなどを製造・販売していました。でも20年ぐらい前の鳥インフルエンザの流行で仕事がなくなり、下請けではなく、自分たちでこだわった商品を作ろうというところからスタートしました。商品開発は母と仲間の4人で行いました。2002年2月に有機の認定を受け、調味料を発売。その後ドレッシングを販売し、ベビーフードをだしています。社長になったのは6年ほど前で私が2代目になります。

―商品のネーミングに「Ofukuro」とついている理由を教えてください。

山田　当時、母や仲間の皆さんは50代後半で、「おふくろの味を届けたい」という思いから、商品名にも「Ofukuro」をつけようということになりました。

―ご苦労された点はありましたか。

山田　有機JASのドレッシングは、20年前には既に他社のメーカーから出ていましたが、美味しいと思えるものは少なかったんです。作ろうとしても原材料がなくて、「こんなの実現できるわけない」と周りからは言われていました。有機JAS認定を受けるためには、有機JASのものを95%以上使用しなければいけないんです。それを探すのが大変でした。ベビーフードはドラッグストアで100円ぐらい買えるのに、国産有機だと400円ぐらいで売らざるを得ないので、批判も殺到しました。展示会で「こんなのは売れない」と言われたり……。でも、ありがたいことに百貨店や生協さん、パルシステムさんで扱っていただくようになって、商品への理解が広がりました。

―ベビーフードを作ると言う発想はどこからきたのでしょうか。

山田　母が孫が生まれる時に、「そういえば無添加のベビーフードがないよね。いっぱい添加物が入っているものを孫にはあげたくない」という思いから始まっています。原材料をすべて公表しているのですが、2011年に東日本大震災があって、そのときは電話が鳴りやみませんでした。弊社は新潟の糸魚川にありますが、放射能の影響を心配された方も多かったんです。それからは、産地や原材料をより詳しく公表するようになりました。

―海外からのお問い合わせもあるそうですね。

山田　ベトナムに2度ほど招待されて行ったのですが、ベトナムのベビーフードは輸入品が多くて、その中でも日本の商品が人気なんです。お醤油も人気です。

―「Ofukuro 有機玉ねぎドレッシング」は20年前からのロングセラー商品ですね。

山田　当時はちょうど父が糖尿病を患っていて、病気の人に安全な野菜をたくさん食べてほしいという思いがありました。ドレッシングに関しては有機JASのものがなかったので、健康にいい、野菜がたっぷり入っている安心できる野菜のドレッシングを作りたいと、母が始めました。

食品添加物、化学調味料、エキス類などは不使用。

―有機野菜は作るのが難しく、高いイメージがあります。

山田　旬の有機野菜の収穫時期を追いかけて、西から北へと順に購入していきます。有機栽培も認知されてきたので、昔よりは価格が抑えられています。それでも原材料が上がると、今の価格で売り続けられるか迷います。やっぱり価格はあげたくないので、レシピを変えるなど工夫をして頑張っています。

にんじんの千切りサラダに和えてもおいしい。

―製造過程でのこだわりはありますか。

山田　野菜の下処理はパートさんの女性だけで、手作業でやっています。ラベルを貼るのも手作業なんです。貼る人達のこだわりが強すぎて、機械ではできません。

から揚げ入りサラダ。アスパラやじゃがいもなどゆで野菜にも合います。

―「Ofukuro　有機まるごとベビーフード　有機ベビー合わせだし」は、大人でも十分いただけるほど、だしが効いていますね。

山田　塩分が3%未満なので、大人の方も使っている方がいらっしゃるとうかがっています。「昆布と野菜のだし醤油」という商品もあり、ありがたいことにちょっとずつ売れています。

自社の有機JAS認定工場で徹底した管理のもと製造されています。

―お客様から言われて嬉しかったことや印象に残っていることはございますか？

山田　うちの商品しか食べないというお子さんもいらっしゃって、逆に困るっていうご連絡をいただいたりします。手作りは食べないけど、うちの商品は食べてくれるとか。ほかのベビーフードは食べなくて、食が細いけど、これだと本当に手をたたいて要求するといったメールをいただいたり……。商品的には、栓抜きが必要なのがどうにかならないか、パウチにはできないかとか、そういったご要望が本当に多いんです。今はいろいろ業者さんにあたって、どうにかいい方法はないか探っている状態です。

にんじんとじゃがいものつぶした離乳食と、少し薄めた「有機ベビー合わせだし」。

―リピーターの方も多いですか？

山田　ありがたいことに、うちの商品でないとイヤというお客様も多く、リピーターの方は多いです。意識の高いお母様が増えているという実感もあります。20年の歴史があるので、品質にも安心感も持ってもらえているようです。

―今後の展望を教えてください。

山田　売りたい物とお客さまが欲しい物が違うので、もっとお客様の声を聞いて、商品を進化させていければと思います。

―商品への思いが伝わってきました。ありがとうございました！

「Ofukuro 有機まるごとベビーフード　有機ベビー合わせだし」
価格：¥518（税込）
店名：味千汐路 楽天市場店
電話：0120₋12₋1088（11:00～17:00土日祝を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/ajisenshioji/10000006/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/ajisenshioji/

「Ofukuro 有機玉ねぎドレッシング」（130ml）
価格：¥518（税込）
店名：味千汐路 楽天市場店
電話：0120₋12₋1088（11:00～17:00土日祝を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/ajisenshioji/10000105/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/ajisenshioji/

＜Guest’s profile＞
山田幸枝氏（株式会社味千汐路 代表取締役）

1998年に入社し、2015年に代表取締役に就任。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜取材／垣内栄　撮影／坂口明子＞