豊かな香りと辛味を併せ持ち、薬味としても人気の生姜。日本では古くから、健やかな体づくりをサポートする生薬としても重宝されてきました。明治の初め、大阪で創業した「うどんや風一夜薬本舗」は、その生姜の魅力を、かつては薬に、今では食品にも取り入れながら、約150年に渡り伝え続けている老舗のひとつ。薬局でありながら、「うどん」が入った会社名も気になるところです。その秘密を、株式会社うどんや風一夜薬本舗の代表取締役社長の末廣伸二氏に伺いました。
“絶佳”な辛味がクセになる!「しょうが飴」と「しょうが湯」
2022/07/25
株式会社うどんや風一夜薬本舗 代表取締役社長の末廣伸二氏
―社名の由来について教えてください。
末廣 明治9年(1876年)に、私どもの先祖の末廣新五郎が、漢方医として生姜を取り入れたかぜ薬を考案しました。するとその息子の幸三郎が、「かぜを引いた時は、温かいうどんを食べ、薬を飲んで一晩ゆっくり寝ること」こそ、1番の養生法であると考え、生姜の入ったかぜ薬に「うどんや風一夜薬」という商品名を付け、「末廣勝風堂」を創業したのです。さらにその息子・幸一郎は、その薬を全国のうどん店で販売するようになり、「うどんや風一夜薬」という名前が広く知られるようになりました。そのような歴史から、昭和46年(1971年)より、社名にも「うどんや風一夜薬」を使用するようになったのです。
―そんな御社の名物商品といえば、「しょうが飴」と「しょうが湯」ですね。
末廣 現在も漢方薬局として、かぜ薬なども販売していますが、生姜を使った食品の開発・製造にも力を入れており、その代表商品が、「しょうが飴」と「しょうが湯」です。「しょうが飴」については、現在、「抹茶しょうが飴」「薄荷しょうが飴」「のどしょうが飴」「しょうが飴 中辛」「しょうが飴 辛味絶佳」と、5種類を販売しており、特にご好評をいただいているのが、今回紹介する1番辛口の「辛味絶佳」。天然の生姜をこれ以上入れられないというほどたっぷりと加えたものなのですが、毎年、1番辛くて香りのいい生姜を選び、漢方薬の製法と同様に、1度蒸したものを乾燥させて加えています。「辛い!けど美味しい」というお声をたくさんいただいており、アナウンサーや、歌手、落語家の方々など、喉を使うお仕事をされている方からのお問い合わせも多いんですよ。
口に入れた瞬間、想像の2倍の風味が口いっぱいに!
―「しょうが湯」にも「辛味絶佳」があるのですね。
末廣 そうです。こちらにも生姜をたっぷりと加えています。100℃のお湯で溶かすととろみが出てくるのですが、これは吉野の本葛です。京都の老舗の和菓子店さんが使っているような、非常に手間のかかるもので、根を掘り出し、砕いて、何度も水を換えながら丁寧に作られています。甘みのポイントは、沖縄・波照間島の黒糖。ビタミン、ミネラルといった栄養素はもちろん、コクや風味も抜群で、さまざまな土地の黒糖を味わって回った先代の、「黒糖は、波照間島のものを使うこと」という教えを守っています。
生姜と本葛のとろみで、1杯飲めば体の中からぽかぽかに。
―社長はいつも、どんな風に召し上がっているのですか?
末廣 冬は熱いお湯で溶いて。夏場は少しの熱湯で溶いてから粗熱をとって、氷を入れて「冷やししょうが湯」として楽しんでいます。冷たくても、生姜は体の中でしっかり働いてくれるんです。最近は、クーラーなどがよく効きますし、夏場こそ冷えに用心、という話をよく耳にしますが、冷えにお困りの方にはぜひ活用していただきたいですね。ほかにも、ココア粉末やインスタントコーヒーの粉を加えたり、山椒やレモン汁、ユズの皮などをトッピングするのもおすすめ。無糖のヨーグルトにふりかけて食べても美味しいですよ。
この夏はぜひ、「冷やししょうが湯」を。
―今後は、どんな展開を考えていますか?
末廣 2020年にオンラインショップができまして、これまで以上に商品を全国の方にお届けできるようになりました。また「うどんや」と書いてあるのにうどんがない、と、残念がられることがあったのですが、つい最近、秋田の稲庭吟祥堂本舗さんとご縁ができ、「即席稲庭風一夜うどん」を開発いたしました。ノンフライの麺にわかめやネギ、比内地鶏のお出汁が入っている栄養たっぷりのおうどんで、丼で簡単に作ることができます。「うどんや風一夜薬」、「しょうが飴」、「しょうが湯」と合わせていかがでしょうか。こちらもオンラインショップで購入可能です。
―最後にメッセージをお願いいたします。
末廣 生姜は体に良い食材ですが、使うとなると、少し調理の手間もかかりますし、量もそんなに食べられません。それをいかにたっぷりと日常に取り入れて、健康維持に役立てていただくか。私たちはこれからも、さまざまなノウハウを生かしながら、体によいものを作り、社会のお役に立てるよう、頑張っていきたいと思っています。
―1つ1つ、こだわりの詰まった商品のご紹介をありがとうございました!
「特製 しょうが飴 辛味絶佳」(70g)
価格:¥420(税込)
店名:株式会社うどんや風一夜薬本舗
電話:0120-12-1893(10:00~17:00)
定休日:土曜・日曜・祝日。
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop1893.shop-pro.jp/?pid=149466201
オンラインショップ: https://shop1893.shop-pro.jp
「特製 しょうが湯 辛味絶佳」(27g×5袋入)
価格:¥630(税込)
店名:株式会社うどんや風一夜薬本舗
電話:0120-12-1893(10:00~17:00)
定休日:土曜・日曜・祝日。
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop1893.shop-pro.jp/?pid=149470828
オンラインショップ: https://shop1893.shop-pro.jp
<Guest’s profile>
末廣伸二氏(株式会社うどんや風一夜薬本舗 代表取締役社長)
1956年愛知県生まれ。1980年に千葉大学園芸学部大学院修士課程を修了し、1985年に株式会社うどんや風一夜薬本舗へ入社。2019年に株式会社うどんや風一夜薬本舗代表取締役に就任。
<文・撮影/鹿田吏子 MC/橋本小波 画像協力/うどんや風一夜薬本舗>