和三盆の繊細な香りを生かした徳島産本格フランス菓子「阿波和三盆糖バウムクーヘン」「阿波和三盆糖ダックワーズ」

和三盆の繊細な香りを生かした徳島産本格フランス菓子「阿波和三盆糖バウムクーヘン」「阿波和三盆糖ダックワーズ」

2022/08/30

「パリ・東京と時差のないフランス菓子を地域のみなさまに」をコンセプトに展開中。パリ&東京仕込みの本格フランス菓子に、地域性というエッセンスを加えた商品が、今度は徳島から全国へと発信されています。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社ホテルグランドパレス 代表取締役社長の岡本真一郎氏に、取材陣が伺いました。

株式会社ホテルグランドパレス 代表取締役社長の岡本真一郎氏
株式会社ホテルグランドパレス 代表取締役社長の岡本真一郎氏

―「アグネス・ペストリーブティック」を運営する御社について教えてください。

岡本 1980年にホテル「ザ・グランドパレス」を創業しました。40数年の間に、のべ100万人を超える宿泊客と500万人以上のパーティ需要にこたえてきました。おかげさまで、飲食サービスの充実したスタイリッシュなホテルとして、地元の方には定着していると思います。
他にもいくつかのホテルを手掛ける中で、ペストリーブティックを併設した「アグネスホテル徳島」を2002年に開業しました。

―岡本社長の入社は?

岡本 私は家業に入ることを前提に、ホテルオークラ東京に就職。多くの現場や人との出会いを経験した後の1997年に入社、2006年より現職に就いています。アグネスホテルとペストリーブティックのオープンは私が手掛けました。

―経緯やコンセプトをお聞かせください。

岡本 「ザ・グランドパレス」が地域の皆様にとって安定的な集いの場であったので、女性が心地よく過ごせるような、カジュアルながらも洗練されたホテルを目指しました。女性の心をつかむホテルになるには、やはりスイーツではないかと。そうはいっても、グランドパレスで提供する洋菓子は外注しており、リスクもありました。
まずは、当時東京で大ブームを起こしていたフルーツのロールケーキと黒ゴマプリンを本家で習って提供してみたところ、大ヒット。さらに地元百貨店の催事に出店した際、行き交う女性客のほとんどが地元和菓子店の紙袋を手にしていることに気づいたのです。それはつまり、ハレの日に地元デパートで買うスイーツに洋菓子がないということ。新しいホテルには、やはり、本格的な洋菓子が求められるのではないかと確信しました。当時珍しかったカフェも併設して、都会からの出張者も驚く都会的なホテルを目指しました。

フランス菓子やくつろぎの空間で、女性がゆったり過ごせるホテルに。
フランス菓子やくつろぎの空間で、女性がゆったり過ごせるホテルに。

―オープンまでの道のりはいかに?

岡本 まずはパティシエの募集から壁に当たりました、徳島にはいなくて。運よくUターン予定の経験者と出会えたので、その1名と、新卒者を育成することにしました。そうなると今度は指導者探しですよね。オークラ時代の伝手をさまざまに頼り、幸運にも、東京で自店準備中の有名パティシエに指導を仰げることになったのです。

彼は、文字通り日本を代表するパティシエ。フランスなどヨーロッパでの経験が豊富なので、うちで出す商品も必然的に、洗練されたフランス菓子となりました。そこで生まれたコンセプトが「パリ、東京と時差の無いフランス菓子を地域のみなさまに」です。現在も定期的に東京の彼のお店-20年たった今も大変な人気店なのですが―通って指導監修を受けています。

ペストリーブティックには見目麗しい生菓子が並ぶ。
ペストリーブティックには見目麗しい生菓子が並ぶ。

―開業後、地元の反応はいかに?

岡本 それはそれは不評でした(笑)。高い、甘い、タルトが固いなどのクレームはしょっちゅう。20年前の徳島では、ふんわりしたスポンジにたっぷりのクリームとフルーツといったような分かりやすい味わいのケーキが人気だったのです。途中、監修してくれているパティシエから「方向性を変えては?」と言われるほどでしたが、私は頑なに譲りませんでした。どうしても、都会でしか味わえないおいしさや空間を、徳島でも楽しんでいただきたかったのです。

―風向きが変わったのは?

岡本 都会から転勤で徳島に来られたママ友グループの口コミからでしょうか、少しずつうちの味を好んで下さる方が増えました。クリスマスケーキも、オープンから2~3年は、知り合いに頼み込んで購入いただいてようやく200~300台。それが10年後には2000台を超える、お受けできないほどのご予約をいただくようになりました。
そうなると、喜びより緊張感が強くなるので不思議ですね。常に100%のクオリティを維持し続ける緊張感。厳選した素材を贅沢に使用し、丁寧に作る。普段の生活もハレの日もちょっと豊かになるスイーツをという想いでいます。

素材、季節感、味わいを大切にした季節のスイーツ。
素材、季節感、味わいを大切にした季節のスイーツ。

―和三盆スイーツ誕生のきっかけは?

岡本 地元の方にうちの味が定着し、もっと広くうちのスイーツを楽しんでいただきたいと考えたとき、東京や大阪で食べられないような商品で勝負しよう、と。徳島は食材の宝庫です。ハモ、ユズやスダチ、なると金時、そして阿波和三盆糖。私は、祖母の実家が阿波和三盆糖の製糖所だったので幼少時より身近にありました。繊細な和三盆糖をスイーツにする難しさも知っていましたが、あえて挑戦することにしました。

岡田製糖所の阿波和三盆糖をぜいたくに使用。
岡田製糖所の阿波和三盆糖をぜいたくに使用。

―第1号は?

岡本 ブライダルも手掛ける中で需要の多かったバウムクーヘンから取りかかりました。和三盆糖が、和菓子、特に干菓子に使われることが多いのは、加熱によって風味が飛んでしまうからです。生地に加える和三盆糖や水分のバランスを調整し、さらに、和三盆糖から作られた糖蜜を加えることで独特の風味を残すことに成功しました。昔ながらのどっしりとしたタイプより、現代の人の口に合わせてふんわり、しっとりとしたタイプです。柔らかい生地なので扱いが難しいですが、熟練パティシエが腕を磨き、1層1層大切に焼き上げています。

ふんわり柔らか、繊細な焼き上がり。
ふんわり柔らか、繊細な焼き上がり。
均一な層が美しい、これぞ職人の技。
均一な層が美しい、これぞ職人の技。

―第2弾はなぜダックワーズに?

岡本 うちのバウムクーヘンは、口の中の水分を取られないしっとりタイプです。水分量が多いし保存料を入れないので、どうしても日持ちが短いのです。バイヤーさんからのリクエストもあり、日持ちのするものをと考えて、ダックワーズにたどり着きました。

「とくしま特選ブランド」に認定されている和三盆糖ダックワーズ。
「とくしま特選ブランド」に認定されている和三盆糖ダックワーズ。

―完成までの道のりはいかに?

岡本 ダックワーズは、フランス菓子界ではもともと、生菓子を構成するパーツのひとつでした。それを、バタークリームを挟んだ小判型の焼き菓子として完成させたのは、実は日本人シェフなのです。表面はパリッと中はフワッとしたアーモンド香るメレンゲ生地を、九州にあるシェフの店まで習いに行きました。そして完成したのが、阿波和三盆糖を入れた生地で、これまた阿波和三盆糖の糖蜜風味のバタークリームをはさんだもの。軽やかな食感とともに、阿波三盆糖の濃厚な風味が楽しめると思います。

アーモンドに負けず和三盆糖のふくよかな香りが広がる。
アーモンドに負けず和三盆糖のふくよかな香りが広がる。

―合わせる飲み物のおすすめは?

岡本 紅茶でしょうかね。アールグレーのように香りが特徴的なものより、ダージリンやアッサムのようにふくよかな香りのものが合うと思います。和三盆糖独特の風味は、日本茶にも合いますよ。緑茶がおすすめです。

大切な方への贈り物や親しい人とのティータイムに。
大切な方への贈り物や親しい人とのティータイムに。

―読者へのメッセージを。

岡本 うちは徳島が拠点で大きな組織でもありませんが、召し上がる方々を想って心を込めて作っています。大切な方に贈りたくなるような、親しい人とのお茶時間が少し豊かになるような、そんな商品をこれからも送り出していきたいと思っています。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

阿波和三盆糖バウムクーヘン M

「阿波和三盆糖バウムクーヘン M」(箱サイズ 16.0×16.0×7.9cm/4/1~10/31は冷蔵配送)
価格:¥2,376(税込)
店名:アグネス・ペストリーブティック
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.cake-cake.net/pastryboutique/select_item.phtml?CATE3_ID=150&tag_id=9&search_type=tag_search
オンラインショップ:https://www.agnespastry.jp/baumkuchen/

阿波和三盆糖ダックワーズギフト10個入り

「阿波和三盆糖ダックワーズギフト10個入り」(箱サイズ 10.5×24.5×6.5cm/4/1~10/31は冷蔵配送)
価格:¥2,268(税込)
店名:アグネス・ペストリーブティック
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.cake-cake.net/pastryboutique/select_item.phtml?CATE3_ID=159&tag_id=15&search_type=tag_search
オンラインショップ:https://shop.cake-cake.net/pastryboutique/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
岡本真一郎(株式会社ホテルグランドパレス 代表取締役社長)

1969年徳島県生まれ。1993年にホテルオークラ東京に入社し、ベルキャプテン、キッチンスタッフ、バンケットサービス、レストランサービスを経て国内セールスとして勤務。1997年に家業である株式会社ホテルグランドパレスに入社。2006年に代表取締役社長に就任。

<取材・文・撮影/植松由紀子 MC/鯨井綾乃 画像協力/ホテルグランドパレス>

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