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海から上がったら、すぐ食卓へ! 旨味たっぷり、淡路島の佃煮

2022/09/01

淡路島の瀬戸内海側に位置する育波漁港から徒歩3分。まさに“海の目の前”に会社を構える藤本水産株式会社は、昭和10年(1935年)の創業以来、淡路島近海で獲れた新鮮な海産物の製造・加工を行なってきた会社です。その多彩な商品の中でも、シラス(稚魚)に関する商品は、全国のファンから愛されるヒット商品。人気の秘密を、次期代表取締役社長の山下雅令氏に伺いました。

藤本水産株式会社 次期代表取締役社長の山下雅令氏
藤本水産株式会社 次期代表取締役社長の山下雅令氏

―御社の沿革について教えてください。

山下 海産物の製造加工会社として創業し、その後、地元の方々に向けた直売を始めました。さらにご近所へのお裾分けや、お子さま方への仕送りなどにも重宝していただいたことから、通販部門も立ち上げ、現在では全国の方に弊社の商品を味わっていただいています。私は、藤本水産の現社長の長女と結婚して淡路島にやってきたのですが、最初は島独特のルールや方言が全くわからず苦労しました(笑)。でもすぐに慣れ、海のペースに合わせて働くようになると、この仕事が「すごく面白い」と感じるようになったんです。

―海のペースに合わせて働く、とは?

山下 例えばシラスは、水揚げがあるまではじっと待ち、揚がればすぐに製造が始まります。揚がってから、「これは佃煮に」「これは釜揚げに」と一斉に分けて、製造をスタートさせる。そのライブ感がたまらないんです。

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スタッフで一斉に作業を開始!

―海が目の前にある御社ならではですね。

山下 そうですね。一般的には、水揚げしたものを1度塩茹でし、乾燥させたシラスを仕入れて佃煮などを作るところが多いように思うのですが、そうするとどうしても旨味が逃げてしまいます。弊社は徒歩3分の所に漁港があることから、水揚げされたシラスは生のまま、すぐに炊くことができるんです。つまり旨味をしっかりとキープすることができるんですね。「鰯(いわし)」は、足が早いので「魚」に「弱」と書きますよね。大人の鰯ですらそうですから、シラスなんてあっという間。水揚げから4時間も経てば、水のように形がなくなってしまうほどなんです。そんなシラスを水揚げからすぐに商品化できるのは、当社の自慢かもしれません。プランクトンが豊富な瀬戸内海のシラスで、他の地域よりも旨味が凝縮されたシラスが獲れるところも恵まれていますね。

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「海の恵みをそのまま味わって欲しい」と山下さん。

―そんな御社の人気商品「いかなごのくぎ煮」について聞かせてください。

山下 まるで“折れた釘”のように見えることから「くぎ煮」と呼ばれている佃煮で、春しか獲れない、いかなごを使っています。10年前は、2カ月間ほど漁獲期間があったのですが、現在はわずか2〜3週間ほどにまで短縮されており、年々希少な佃煮になりつつあります。身がちりめんよりも太っていて、味わいも脂が乗ってコッテリしているので、くぎ煮のようなしっかりとした味付けが合うんです。

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新鮮なうちに生から炊き上げる。だから美味しい!

―味付けの調味料には、地元のものを使っているのですか?

山下 地元のものにこだわらず、保存料や着色料が入っていないものを積極的に取り入れています。他にこだわっているとすれば、みりんは本みりん、酒は料理酒ではなく、飲んでも楽しめるランクのお酒を使っているところでしょうか。

―「ちりめん山椒」も、とても美味しくいただきました!

山下 ちりめん山椒には、カタクチイワシの生シラスを使っています。こちらは、いかなごに比べて小ぶりで、あっさりとした味わい。なので、味付けも上品に仕上げています。とはいえ、淡路島の味付けが、どちらかというと甘めなので、他の地域の方にとってはやや甘めかも?「ちりめん山椒」のほか、「ちりめん生姜」も製造しており、どちらも好評ですね。

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小さなちりめん、1匹ずつに存在感が。

―やはり最初は白ごはんと共に、でしょうか。

山下 そうですね。常に白ごはんは意識しています。さらにはお茶をかけても美味しくいただけるような味付けを意識しながら作っています。決して主役になりうるものではありませんが、あるとご飯が進む、ないと寂しい、そんな“いぶし銀の名脇役”のような存在を目指しています(笑)。

―作り手だからこそ知っている楽しみ方はありますか?

山下 食パンに佃煮を乗せて、チーズ乗せて焼く。これがすごく美味しいんです! 地元のレストランで、うちの佃煮を使ったピザを出してくれているところもあるので、この味のマッチングは間違いないと思いますよ。

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新しい佃煮の楽しみ方、発見です。

―今後の展望についても聞かせてください。

山下 日々異なる環境の変化を楽しみながら、そして、さまざまなご意見や感想を投げかけてくださるお客さまの声に耳を傾けながら、スタッフ一同、より良い製品を作り続けていきたいと思っています。

―淡路島の海への愛がたっぷり詰まったお話をありがとうございました!

くぎ煮_商品1

「くぎ煮(SMサイズ/約3~3.5cm)」(140g)
価格:¥920(税込)
店名:藤本水産株式会社
電話:0120-84-1913(8:00~17:00)
定休日:水曜、日曜 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.fujimoto-suisan.co.jp/products/detail.php?product_id=159
オンラインショップ:https://www.fujimoto-suisan.co.jp

ちりめん山椒_商品2

「ちりめん山椒」(130g箱)
価格:¥520(税込)
店名:藤本水産株式会社
電話:0120-84-1913(8:00~17:00)
定休日:水曜、日曜 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.fujimoto-suisan.co.jp/products/detail.php?product_id=72
オンラインショップ:https://www.fujimoto-suisan.co.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山下雅令(藤本水産株式会社 次期代表取締役社長)

1977年岡山県生まれ。高校卒業後、京都にてバッグの仕入れ販売に携わる。25歳で藤本水産の長女と出会い、結婚。その後子宝に恵まれ、家族で淡路島に移住し藤本水産株式会社に入社。代表取締役社長の藤本充茂氏の元で海産物の製造加工を学ぶ。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/柴田阿実 画像協力/藤本水産>

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