今回、編集長アッキーが気になったのは、伊勢名物の伊勢うどんとゆず辛です。株式会社二光堂・代表取締役の外村晃一氏に、商品へのこだわりについて取材陣がうかがいました。
もちもちとやわらかい伊勢名物「寳来亭伊勢うどん 3食入り」柚子胡椒のような調味料「ゆず辛」
2022/09/30
株式会社二光堂 代表取締役の外村晃一氏
―創業の経緯を教えてください。
外村 近江商人だった曾祖父が明治の終わりに伊勢で創業し、私が4代目です。もともとは生姜糖という伊勢名物のお菓子を製造して卸していましたが、販売したり、ほかのお土産もおくようになりました。
―幼少の頃から跡を継ぐ気持ちでしたか?
外村 大学に入学した頃は教師になりたいという思いがありましたが、就職活動をする頃には、やはり跡を継がねばならないという気持ちになっており、実家の仕事をするなら飲食関係に就職して、勉強をしようと決意しました。ロイヤル株式会社に入社し、2年がたったころ、店長試験を受けようと思った矢先に父が胃潰瘍で倒れました。そのときに叔父から「お店は累積赤字が続いているので、戻ってこないとお店自体がなくなるかもしれない」と言われ、退職して家業を継ぎました。エリアマネージャーぐらいまで経験して、それから帰ろうという自分なりの人生設計がありましたが、想定よりも早く戻ることになりました。
たまり醤油ベースのタレを
麺にまんべんなくからめていただく伊勢独特のうどんで。
―家業を継がれてからお店をどのように立て直されたのでしょうか。
外村 1991年に半年かけて全部取り壊して、お店を新しく建て直しました。以前のお店はバス旅行の団体ツアーを受け入れており、ドライブインのような感じでした。ただ、他のお店と団体客の取り合いになりますし、うちの営業力が落ちていたので、団体ツアーに頼らず、規模を小さくして個人のお客様をターゲットにすることにしたのです。メニューも他のお店にはないものをと考え、お手頃価格で松阪牛のステーキ丼を新たに出すことにしました。
―今回ご紹介する伊勢うどんをお取り寄せ品にしたきっかけを教えてください。
外村 伊勢うどんはお店では食べられていましたが、お土産だと昔は乾麺しかなかったんです。今でこそゆで麺を真空包装したものが主流になりましたが、乾麺だと本来のおいしさをなかなか感じてもらないのがネックでした。伊勢うどんは普通のうどんより太いため、乾麺だともちもちふわふわっていう食感が出ないんです。でも1993年のご遷宮の時期に、真空包装の伊勢うどんが開発され、うちでいち早く取り扱うことができました。伊勢うどんは江戸時代からありますが、当時はまだ知名度はありませんでした。しかし、年々、伊勢うどんの知名度が大きくなってきて、お取り寄せもできるようにしたのです。
もっちりとした太い麺に真っ黒い濃厚なタレが特徴。
牛肉を甘辛でさっと煮たものをのせて肉うどんにしても。
―伊勢うどんの特徴はどういった点にありますか。
外村 讃岐うどんはこしがあってツルツルしていて、のどごしで食べるという感じです。一方、伊勢うどんは、もちっとして柔らかく、のどごしより噛んで食べてもらううどんです。麺とタレと刻みネギでシンプルに食べるのが基本です。
かまぼこ、ねぎ、卵黄と。
―タレの特徴はどういった点でしょうか。
外村 愛知県もそうですけど、伊勢湾沿岸は大豆で作る豆味噌を作る地域で、その製造工程でたまり醤油ができます。そのたまり醤油を伊勢うどんのたれを使っており、コクがある美味しさがでています。
―おいしい食べ方を教えてください。
外村 ゆで加減に好みはありますが、表示よりも1~2分長くゆでるとさらにやわらかくなって僕は好みです。このあたりでは赤ちゃんが離乳食代わりに食べています。うすあげを軽く焦げ目がつくくらい焼いて刻んでのせるのもおすすめです。また、たれがかかってるところにカレーをかけると、出汁の利いた和風カレーのようになります。
「ゆず」「山椒」「唐辛子」が原料。
素材の味を引き立ててくれます。
―「ゆず辛」はどんな調味料でしょうか。
外村 ゆずと唐辛子をすり鉢で練り上げた柚子胡椒に近いものです。鍋、しゃぶしゃぶ、湯豆腐、すき焼きに合わせたり、お刺身のワサビの代わりに使うのもおすすめです。京都の料亭でも隠し味として使われています。製造は伊豆で、伊勢では当店でしか売っておりません。
きゅうりの浅漬けをいりごまとともにあえて
ピリ辛きゅうりに。
―お客様からの反響はいかがでしょうか。
外村 伊勢うどんはリピーターの方が多く、伊勢にくるたびによってくださる方もいます。「外箱はいらないので中身だけ送ってください」というリクエストもあります。
―今後のビジョンや展望を教えてください。
外村 1991年にお店を全面リニューアルしてから大きな改装をしていなかったのですが、新たにリニューアルしつつ、店舗販売だけではなくてネット販売にも力を入れて行きたいと思っています。伊勢神宮にお参りの際には、たくさんの方に立ち寄っていただけると幸いです。
―ありがとうございました。
「寳来亭伊勢うどん」(3食入り)
価格:¥850(税込)
店名:二光堂
電話:0596-22-4175(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.25-10.com/cart/a001
オンラインショップ:https://www.25-10.com/
「ゆず辛」
価格:¥670(税込)
店名:二光堂
電話:0596-22-4175(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.25-10.com/cart/a004
オンラインショップ:https://www.25-10.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
外村晃一(株式会社二光堂 代表取締役)
1964年三重県生まれ。1987年ロイヤル株式会社入社。父の病気の為1989年に退社し、株式会社二光堂に入社。入社2年目から店舗リニューアルの計画を立てる。1991年12月商品構成を大幅に見直し、飲食店は松阪牛を使ったステーキ丼専門店としてリニューアルオープン。2000年、おはらい町で初の松阪牛牛串の販売開始。2004年同社代表取締役に就任。2017年浦田で、伊勢うどん専門店、一楽亭を開業。2019年二光堂支店跡に一楽亭を移転。
<取材/垣内栄 撮影/坂口明子 画像協力/二光堂>