九州は熊本に、自社農場で3万頭もの黒毛和牛を飼育する専門企業があるとか。農場の管理を徹底し、様々な国際基準をクリアしながら健康で安全、そしておいしい牛肉を提供しています。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社杉本本店 代表取締役の杉本光士郎氏に、取材陣が伺いました。
清らかな水を飲んで健康に育った黒毛和牛を堪能「黒樺牛焼肉 サーロインステーキセット 大関」「黒樺牛ビーフカレー5食ギフトセット」
2022/09/26
株式会社杉本本店 代表取締役の杉本光士郎氏
―創業から、黒樺牛を専門に生産販売されるまでの歩みをお聞かせください。
杉本 杉本本店は、私の曾祖父が1947年に創業しました。馬肉の生産量日本一である熊本県ですから、馬肉卸売業としてスタートしたようです。その後、全国的にニーズのある牛肉にシフト。農家さんの育てた牛肉を販売する中で、肥育のプロセスまで自信をもって説明できる商品を扱いたいという思いが強くなり、自社農場を持つに至りました。4~5年かけて、自分たちなりに納得できるクオリティになりましたので、自社ブランド和牛「黒樺牛」を立ち上げました。
―黒樺牛の特長を教えてください。
杉本 見た目でいうと濃い赤色をした赤身の間に、サシ(脂身)がきれいに入った霜降り肉です。味わいは、赤身のうまみと脂身の甘みが絶妙なバランスで、見た目より脂っぽくないのではないかと思います。
鮮やかな赤色にサシがきれいに入ったモモ。
赤身とサシのバランスから生まれるツヤも黒樺牛の特長の1つ。こちらはサーロイン。
―肥育方法に特徴がありますか?
杉本 大きく2つあると思います。1つは餌ですね。黒樺牛の濃い赤色は、ビタミンがたっぷり入ったオリジナル配合の飼料の賜物です。牛が健康に育つことがなにより大切だと考えています。脂身の融点がくちどけを左右するので、ちょうどよい融点の脂ができるように調整もしています。
もう1つは水です。3か月ごろの牛は、1日に飼料を5kg食べますが、水はなんと80リットルも飲むのです。牧場には「マザーウォーター」と呼ばれる、地下600mからの湧き水があります。球磨川水系がもたらすこのミネラル豊かな清水を毎日飲んで、健康な牛に育っています。
ビタミンたっぷりの飼料と清水で健やかに育つ黒樺牛。
―黒樺牛という名前の由来は?
杉本 黒毛和牛の「黒」に、白樺から1文字もらいました。白樺というと、北海道の大平原に自生する姿を想像しませんか? 厳寒の大地にどっしり根を張る生命力、黒樺牛の美しいサシを彷彿とさせる白い樹皮の模様など、イメージがピッタリでした。
―牧場運営の安心安全にも注力されているとか?
杉本 日本産は安全で安心だというイメージが根付き、輸出量が増えてきたことで、日本と海外における食の安全や環境問題の意識の差を実感し、より力を入れるようになりました。社内に獣医が3名おり、病気の予防、未病を目的にワクチンプログラムを組んでいます。ホルモン剤は投与せず、病気の際の薬にも配慮しています。こういった取り組みは、自己満足で終わることのないよう、第3者機関による客観的評価が大切。国際基準に調和した農場HACCP認証や、持続可能な農場経営への取り組みに重要となるJGAP(家畜・畜産物)の審査基準をクリアしています。
―加工工場での取り組みは?
杉本 工場では口に入る物を加工しているので、異物混入はもってのほか。こちらも国際基準を満たすよう、最新設備を投入して徹底管理しています。食品安全の国際認証規格「FSSC22000」を取得しました。
―おいしい食べ方を教えてください。
杉本 モモ、ロース、カルビは、やっぱり網で焼くのがオススメです。両面をさっとあぶり、食べるときに塩……私は岩塩を使っていますが、ほんの少し、肉の甘みを引き立てる程度に振ってください。
とろける食感、香り・甘味・旨みが濃厚なロース。
和牛の旨みと脂の甘み、両方楽しめるカルビ。
鉄板やホットプレートでももちろんおいしく焼けるが、網焼きがオススメ。
食べるときに岩塩をひと振り。
サーロインは鉄板やグリルなどでじっくり焼いて、まっすぐにカット。
―カレーも、黒樺牛のうまみをたっぷり感じられますね。
杉本 テレビ局とコラボレーションをしてイベントに参加する際に開発した商品です。地元ホテルの料理長に監修してもらい、老若男女問わず楽しんでいただけるメニューとしてはやはりカレーだろう、と。バラ、モモ、肩ロース、すね肉を、大きくカットしてたっぷり入れています。ベースは黒樺牛のテールスープ。じっくり煮込んで旨みをたっぷり引き出し、濃厚なコクとまろやかさがあります。私も1人で取るランチによく食べるほど、気に入っています。
レトルトカレーとは思えないほど牛肉が贅沢にゴロゴロ入っている。
黄色いのが黒樺牛の脂。ソースとよく混ぜて食べる。
―脂身のおいしさがポイントなのですね。
杉本 特に日本では、霜降り肉が重宝される傾向がまだありますよね。しかし、赤身の味わい、牛肉本来の旨みを評価してもらえるように取り組むことが次のステージかな、と思っています。
―今後の展望をお聞かせください。
杉本 おかげ様で、自社牧場で3万頭を肥育、年間4,800頭の子牛が生まれるという、全国でもトップクラスの規模になりました。独自の生販一貫体制もある程度構築できました。今度は、その自慢の牛を多くの方に楽しんでいただける工夫や仕組みづくりに取り組みたいと思っています。同時に、やりがいをもって仕事にあたってくれている若い社員が、もっと働きやすい環境づくりにも注力するつもりです
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「黒樺牛焼肉サーロインステーキセット 大関」
(ロース150g カルビ150g モモ200g サーロイン250g 冷凍 化粧箱入り)
価格:¥10,800(税込)
店名:黒樺牛の杉本本店
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kurohanawagyu.com/view/item/000000000012?category_page_id=ct12
オンラインショップ:https://kurohanawagyu.com/
「黒樺牛ビーフカレー5食ギフトセット」
価格:¥3,888(税込)
店名:黒樺牛の杉本本店
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kurohanawagyu.com/view/item/000000000008?category_page_id=ct8
オンラインショップ:https://kurohanawagyu.com/
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変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
杉本光士郎(株式会社杉本本店 代表取締役)
1984年熊本県生まれ。熊本県立熊本商業高校卒業後、2003年に杉本本店へ入社。2006年専務取締役、16年に代表取締役に就任。グループ会社の株式会社矢岳牧場社長、S&iファーム株式会社社長のほか、熊本県食肉事業協同組合連合会副会長も兼務する。趣味はゴルフ。
<取材・文・撮影/植松由紀子 画像協力/杉本本店>