今回、編集長アッキーが気になったのは、非常食や防災用品を扱う「SEI SHOP」。株式会社セイエンタプライズ・ 代表取締役社長の平井雅也氏に、商品の特徴を取材陣がうかがいました。
おいしい備蓄食で災害時の体と心を守る 「25年保存の美味しい備蓄食 サバイバルフーズ 大缶 バラエティセット」 非常時の栄養補給に 「長期保存可能の栄養機能食品 サバイバルフーズ サプリメント 2種セット」
2022/09/29
株式会社セイエンタプライズ 代表取締役社長の平井雅也氏
―創業の経緯を教えてください。
平井 当社は1978年に私の父(現会長)が創業しました。もともとデータアーカイバ(情報倉庫)業に携わっていましたが、その頃、世界で食糧危機が心配されるようになっていました。当時の日本の食糧自給率は50%ちょっと、現在はもっと悪くなっていて37%ぐらいです。これは鎖国をしたら6割の人たちの食糧がなくなるということです。また、その頃は東海地震説が話題になり、大規模地震対策特別措置法が制定されました。大きな災害が起こると、食糧は行きわたらなくなります。そこで会長は「データを50年~100年保管するのならば、データを操作する人間の食料も50年~100年保存できなければ行けない」と考え、数十年の長期間の保存ができる食品の輸入を開始したのです。1995年には阪神淡路大震災が起こり、非常食の必要性が広く認識されるようになりました。その後、「日本の備蓄は日本の技術で」と考えるようになり、現在は自社で開発、製造、販売を行っています。
フリーズドライ加工で25年の保存が可能。
―社長になられたのはどういう経緯でしたでしょうか。
平井 前職は繊維関係の会社におりましたが、阪神淡路大震災のときは神戸に住んでいました。震災のときは地面を掘って埋もれている人を助け出したり、避難してくる方に食糧を配ったり、部屋を用意したり、2か月ぐらい避難所運営のようなことを担当しました。それまでは前職を勤め上げるつもりでしたが、自分が被災したことで、非常食の大切さをあらためて実感したんです。被災が大きなきっかけになり、会社を継ぐことを決めました。
―被災された経験がその後の商品づくりにも活きているのですね。
平井 災害は突然起こります。昨日までおいしいものを食べて、ベッドで寝ていたのが、避難所では床に寝て、炊き出しを待つような生活になります。それがとてもストレスになるので、災害時でもあまり生活のギャップが無いようにするための防災用品が必要だと感じました。それが「おいしい備蓄食」との考え方につながります。常に備えがあることで、安心して暮らせる社会が実現するとの思いを持っています。
―輸入されていた非常食を自社開発に変えたのはどういう理由でしょうか。
平井 当時の供給元との契約で、アメリカ政府の購入が優先されると言う条項がありました。実際、アメリカが戦争状態になったりすると、予定通り商品が届かないことがありました。その経験からも自国で開発したいという思いが前社長の頃からありました。日本にもフリーズドライを作る会社は沢山ありますが、25年という長期保存の開発をしているところはありません。しかし、2018年にご縁があって、永谷園さんで作っていただけるようになり、国内製造で初めての25年保存食「サバイバルフーズ」が完成したのです。日本で作ると日本人の好みの味に作りやすいですし、安定した供給ができるようになりました。
洋風えび雑炊。
ふっくらと炊き上がったお米にえびの風味が効いています。
―「サバイバルフーズ」の特徴を教えてください。
平井 「非常食」という言葉には災害が起こった時に配られる、受け身的なイメージがあります。でも「備蓄食」は災害に備えて蓄えておくという、積極的で生き残るサバイバルの意思があるような強い言葉だと思っています。そのため我々の商品は、非常食と言わないで備蓄食と呼んでいます。また、災害時だからこそおいしいものを食べてほっとし、体だけでなく、心を守ることが大切です。被災するとストレスが強くなるので、ふだんの食事を思い出して食べられる、安心して居られる食事が重要だと思っています。さらに3年、5年の賞味期限だとすぐに期限がきてしまうので、最低10年以上保存できるものを備蓄食と呼ぼうと考え、25年保存できるものを開発しました。
チキンシチュー。野菜の食感とやわらかい鶏肉が調和。
とろみがついていて、冷めにくく食べやすい。
―お客様からの感想はいかがでしょうか。
平井 じつは賞味期限が長いので購入してもすぐには食べない方がほとんどです。でも、普段のメニューに困った時の1品として食べてみたり、アレンジしていただくのもおすすめです。栄養もしっかりとれますし、ふだんから食べ慣れていると、災害があったときにも安心して食べられるので、25年待たずに食べて、また補充していただければと思います。
―つぎにサプリメントの誕生のきっかけを教えてください。
平井 防災って災害から身を守ることですが、突き詰めて考えた時に私たちが守りたいのは健康じゃないかと思い至りました。災害関連死と言う言葉が知られていますが、災害関連病と言う言葉もあって良いと思います。実は、災害をきっかけに体調を崩される方が多いんです。避難所の食事は炭水化物が中心で、栄養が不足してしまい、病気のリスクが高まります。そういった状況を改善するためにサプリメントの必要性を考えるようになり、災害用の栄養機能食品を作ろうと思ったのが最初です。マルチビタミン&ミネラルが基本ですが、ストレスがかかったときにビタミンCが消費されるので、追加で非常時にビタミンCを取っていただけるよう2種類をご用意しました。
非常時の健康を考える長期保存のサプリメント。
―開発にあたってご苦労はございましたか。
平井 「10年保存できるサプリメントを作りたい」とメーカーさんに話すと、通常のサプリメントの賞味期限は2年ほどなので、栄養素を長期に保つのが難しいことがわかり、それでも3年の時間をかけてやっと完成しました。
―会社としての今後の展望を教えてください。
平井 創業から半世紀の間に、全国の自治体や官公庁、病院、施設、学校、企業、それから個人の方にサバイバルフーズを備蓄いただき、累計で3000万食を超えました。しかし、日本の人口が1億2000万人なので、1人1食にも足りていません。災害時には自助、共助が必要ですが、自分や家族を守るためにも、十分な食料備蓄をしていただけると大きな安心が生まれると思っています。
-貴重なお話をありがとうございました。
「大缶 バラエティセット」
価格:¥49,248(税込)
※2022年10月1日より上記価格へ改定
店名:SEI SHOP(セイショップ)
電話:0120-108₋565(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000948/073/Y/order/
オンラインショップ:https://www.seishop.jp/
「栄養機能食品 サバイバルフーズ サプリメント 2種セット」
価格:¥7,560(税込)
店名:SEI SHOP(セイショップ)
電話:0120-108₋565(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001067/
オンラインショップ:https://www.seishop.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
平井雅也(株式会社セイエンタプライズ 代表取締役社長)
防災士。NRサプリメントアドバイザー。1968年山形県生まれ。青山学院大学卒。1991年に鐘紡入社、1995年に神戸市東灘区の社員寮で阪神淡路大震災を経験し、寮長として人命救助や避難所運営に携わる。翌年にセイエンタプライズに入社、2001年から現職。「よりよい備え、よりよい暮らし」をコンセプトに自助を応援する防災のセレクトショップ「セイショップ」を始めに、2021年からは災害時に守られるべきは健康との想いから、サバイバルフーズ・サプリメントを開発販売している。
<取材/垣内栄 MC/柴田阿実 撮影/坂口明子 画像協力/セイエンタプライズ>