今回、編集長アッキーが気になったのは、「フジミネラル麦茶」で知られる石垣食品です。石垣食品株式会社・代表取締役会長の石垣裕義氏に、商品への思いについて取材陣がうかがいました。
リニューアルしたロングセラー「フジミネラル麦茶」ごくごく飲める健康茶「ごぼう茶」
2022/11/04
石垣食品株式会社 代表取締役会長の石垣裕義氏
―創業の経緯を教えてください。
石垣 もともとは父が1951年に創業し、香辛料の輸入を行っていました。1965年に「フジミネラル麦茶」を販売し、テレビコマーシャルで認知度が増しました。また、即席スープを作って、即席めんのメーカーに卸す事業も行っていました。その後、乾燥した油揚げやチャーシューなど即席めんの具材も作るようになり、海外に工場も展開しています。そのラインを使って自社ブランドの商品を作りたいという思いから始めたのが、ビーフジャーキーの開発です。日本人が食べておいしいと思えるものを作って、今では売上の半分以上がビーフジャーキーです。当社では一貫して「お客様に飲んで食べていただいて、また買っていただけるような商品を作る」を企業理念としています。
長く愛され続ける、麦茶とごぼう茶。
―「フジミネラル麦茶」の特徴を教えてください。
石垣 麦茶の原料は大麦のみなので、カフェインは含んでいません。お子様からお年寄りの方までどんな世代の方にも、いつでも安心して飲んでいただけます。また、今では一般的になった水出し麦茶を1965年に最初に販売したのは当社です。それまでは、大麦を焙煎したものをやかんで煮出して、それを冷やして飲むのが麦茶でした。創業者がもっと手軽に飲める方法はないかと考え、焙煎した大麦を砕いてティーバッグに入れて、水を入れると1~2時間の間にできあがる世界初の水出し麦茶「フジミネラル麦茶」を開発しました。当時はティーバッグ自体がまだない時代で、ティーバッグを作る機械から開発し、生産できる体制を整えました。
―開発にあたって苦労された点はございましたか。
石垣 当時の水道水は、場所によっては濁りがあったり、カルキ臭が強くて、おいしくないところもありました。お客様も水道水に抵抗がある人がいらっしゃったので、ティーバッグに焙煎した大麦とともに自然石を入れることで、カルキ臭をなくせるよう工夫しました。自然石は富士山麓で採掘した黒曜石をフジミネラル石と命名し入れていました。実際飲んでいただくことで、美味しさをわかっていただけ、ロングセラー商品となりました。また、麦茶は、熱中症対策にもおすすめであることが知られるようになり、健康面でも麦茶を選ぶ人が増えました。
―今年、大きなリニューアルをされたのですよね。
石垣 はい。黒曜石を日本国内で採掘できなくなったので、石は入れるのをやめました。また、水道水も昔に比べておいしくなっているので、天然由来のミネラルを配合しようということになり、海洋深層水粉末と沖縄サンゴカルシウムの粉末をティーバッグに入れています。焙煎方法は変わっていないので、味は以前と同じです。当社は浅い焙煎をした大麦と深い焙煎している大麦をブレンドすることで、大麦の甘みが感じられ、香味が良いことにこだわっています。今回の大きなリニューアルは1965年の発売後、初めてのことです。
―環境面でもティーバッグで作る麦茶が注目されています。
石垣 ペットボトルによるゴミが大問題になっていて、マイボトルにお茶を入れることが推奨されています。当社も自治体に協力しており、マイボトルを持ってきた方には麦茶のサンプルを提供させていただくといったキャンペーンへの参加も行っています。子どもの頃は家で作った麦茶を飲んでいても、大人になるにつれて外で買ったペットボトル等を飲むようになる方が多いです。水出しなら簡単に作れるので、家で麦茶を作る習慣を身につけていただけるとうれしいです。
健康志向の人にもぴったりのごぼう茶。
―「ごぼう茶」の特徴を教えてください。
石垣 国産ごぼう100%で、ごぼうを細切りしたものを乾燥させて焙煎しお茶にしました。
2010年から販売していますが、それまではごぼう茶は流通していませんでした。でも、「ごぼうを煎じて飲んで若返った」とメディアで話題となり、すぐに当社でごぼう茶を作って、初めて一般スーパー、量販店へ流通させました。発売当初は製造が追いつかないほどの人気でした。ごぼうは水溶性の食物繊維が豊富ですので便秘対策にもおすすめです。食品なので、1日に何杯飲んでいただいてもけっこうですが、おなかがゆるくなってしまう方は加減していただければと思います。ごぼうは全国で作られていますが、収穫時期が南から北へと移っていくので、時期によって収穫地を変え、安定供給ができています。
―最後に今後の展望を教えてください。
石垣 当社は食品事業のほかに、ネット販売や化粧品の事業も行っています。商品を使っていただいたお客様が「また買いたい」と思ってくださるような商品やサービスを、各分野で提供していきたいと思っています。
―貴重なお話をありがとうございました。
「フジミネラル麦茶」(320g×3個)
価格:¥1,586(税込) ※変動あり
商品URL: https://ishigakifoods.co.jp/products/
取り扱いECサイト:Amazon
「ごぼう茶」(36g×2個)
価格:¥972(税込) ※変動あり
商品URL: https://ishigakifoods.co.jp/products/
取り扱いECサイト:Amazon
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
石垣裕義(石垣食品株式会社 代表取締役会長)
1961年東京都生まれ。1985年に入社し、営業部長、取締役、常務取締役を経て、1998年代表取締役社長就任。2005年ウェイハン石垣食品有限公司董事長就任(現任)。2017年株式会社新日本機能食品取締役就任(現任)。2020年代表取締役会長就任(現任)。
<取材/垣内栄 MC・撮影/石井みなみ 画像協力/石垣食品>