いつものようにおいしいもの検索をしていたアッキーこと坂口明子編集長の目がランランと輝いたのは北海道登別のマルヒラ渡邊水産のウニを発見したとき。全国の有名料亭が使っている高級品ウニをオンラインで直に届けることで実現した価格に驚きを隠せません。粒の大きな黄金色に輝くウニを一口食べるだけでウニのうまみが口の中に広がります。このウニのおいしさと安さの理由を取材スタッフがマルヒラ渡邊水産株式会社 代表取締役専務の渡邊真也氏にうかがいました。
北海道登別の会社が料亭などに卸している最高級品ウニがオンラインならではの適性価格で味わえます。
2022/11/07
マルヒラ渡邊水産株式会社 代表取締役専務の渡邊真也氏
―御社は創業70年とうかがいました。
渡邊 創業したのは私の祖父で70年以上前になります。祖父は父親が漁師だったので、1度は漁師をしようと思ったのですが、どうも船に酔う性質だったらしく海での仕事を断念したそうです。そこで陸の仕事を考えて何度か仕事を変えたのですが、最終的にウニの卸売業を始めました。当時はウニには関心を持つ人はいなかったようで、北海道でもウニの卸売会社は数社しかありませんでした。陸の仕事でしかも海に関係する仕事なので祖父にとってはちょうど良かったのではないでしょうか。
―専務はどうして継がれたのでしょう。
渡邊 自然な流れで継ぐことになったのでしょうね(笑)。幼稚園生の時代からうちのウニの加工工場に出入りしていましたし、祖父が毎朝、ウニの味見をして「今日のウニはいい」などと言っていたのを覚えています。アルバイトもうちの工場でしていました。登別は学生にとってアルバイト先も少ないですから、中学高校の友人も誘って皆でアルバイトをしてもらっていましたよ。札幌の専門学校でコンピュータと経理を学んだ以外はずっと登別でこの仕事をしています。
―ウニが身近にあったのですね。
渡邊 そうですね。子どものころは身近にありすぎて、ウニの値段もわかっていなかったと思います。しかし、ウニは高価ですからわが家でもいつも食べるものではありませんでした。お祝い事とかのハレの日に食卓に上る感じでしたね。
―おいしいウニとはどんなウニですか。
渡邊 ウニは「この産地のものがおいしい」という決まりがない海産物です。時期によって違うからです。北海道産なら夏、北方4島周辺なら12月から翌年2月までと旬が短く、おいしいと言われている産地のものでも時期を外すとおいしくありません。産卵が始まると途端に甘味が抜けて味が落ちるなどとても繊細な海産物です。逆に、日本では味が落ちるといわれる外国産のウニでも実際に産地に行って旬の時期に食べればおいしいんですね。当社のウニはお客様から「いつもおいしいね」と褒めていただけるのですが、それは常においしい産地のものを探して、少しでも良い状態のウニを提供しているからです。
左・極上無添加塩水生ウニ(100g)、右・特選生ウニ折詰め(100g)。
―卸売り専門の会社がオンライン販売を始めたのはどうしてでしょう。
渡邊 当社は北海道の市場に出荷している卸売り会社で、うちの商品はそこからまた全国の料亭などに向けて流通しています。ですから、当社が価格を決めることができません。良質のウニでも数が多ければ安くなり、それほどではないものも稀少価値があれば高値がつくのです。相場によって変動するのではなく、いいものを適正価格で買っていただくことが大事ではないかと思っていました。私たちは消費者の方がどんな価格で購入されているかがわからないのです。東京のすし店などではウニの軍艦巻きは驚くような価格だそうですね。よいものを適正価格で消費者に届けるには通信販売が適していると思い、私が中心になって始めました。
―良質のウニがお手頃価格で購入できて嬉しいです。
渡邊 こちらもお客様の声が直接聞けて商品に生かすことができるメリットがあります。「父の日」や「母の日」のために注文したお客様が「親が喜んでくれた」と言っていただけたりして嬉しいですね。また、こうして「日本全国お取り寄せ手帖」から取材を受けるという経験もオンラインを始めたからのことですし(笑)。
「極上無添加塩水生ウニ」には水切りがついているのでそのまま持ち上げて水切りする。
「極上無添加塩水生ウニ」。ミョウバンを入れずウニ本来の味を楽しめる。
―ありがとうございます。今回紹介していただく「極上無添加塩水生ウニ」はどんな商品ですか。
渡邊 これはウニ本来の味を味わえるように、ウニを塩水に漬けてあるものです。ウニの殻を割って剥き、ミョウバンに漬けずにオゾン水で洗って殺菌し、塩水に漬け、新鮮な状態を保ったまま、また運送によるダメージを少なくしてお届けしています。ウニはミョウバンを入れる以外の味つけをしてはいけない決まりになっていますが、これはミョウバンも加えていないのでウニ本来の味を楽しめます。塩水は塩分が薄いとウニが溶けてしまいますが、濃いと塩辛くなります。ウニの味を生かせるギリギリの塩分濃度を保っています。
特選生ウニ折詰め(100g)。
―「特選生ウニ折詰め」はどんな商品ですか。
渡邊 板に貼ってあるので「板ウニ」ともいいますが、当社ではお弁当箱のような折詰めに入れているので「折り」と呼んでいます。こちらは身崩れを防ぐためのミョウバンを入れている分、賞味期限が少し長くなっています。当社の折詰めウニはおいしさと鮮度を優先させミョウバンを極力薄く入れています。ウニは最初から出荷するまで手作業で行われ、殻を割って剥いて異物を除去し、ミョウバン水に漬けた後、板に並べて梱包して出荷するのですが、色を均一に揃え、きれいに板に張りつけていく作業には熟練の技が必要です。当社では約40人の女性たちがウニを板に張りつける作業をしています。
高価な生ウニはそのまま食べるのが一番!
日本酒にもワインにもシャンパンにも合う。
―塩水ウニ、折りウニ、どんな食べ方がおすすめですか。
渡邊 なんといっても高価なものですので、そのまま召し上がるのがよいと思います。わさびとお醤油をつけて酒の肴にするのもいいでしょう。日本酒でも、ワイン、シャンパンにもよく合います。漁師さんたちはバーナーでちょっと炙って食べることもありますね。パスタに使うというお客様もいらっしゃいます。いやしかし、やはり生で食べるのが1番おいしいと思います。塩水ウニの塩水にもウニのエキスが溶け込んでいるので、パスタを茹でた後、塩水を混ぜて食べるという方もいらっしゃいます。
豪快にウニ丼にしても。
パスタにウニをのせて贅沢に。
「極上無添加塩水生ウニ」の塩水を茹でたパスタに混ぜると風味が増す。
―最後にこれから御社が目指していることは何でしょう。
渡邊 気候変動や円安の影響で価格が高騰するなど難しい面はありますが、これからも適性価格で消費者の方に喜んでいただけるように努力したいです。コロナ禍により現在はシンガポールのみになってしまいましたが、以前は台湾、バンコク、カナダ、香港などの多くの国の料理店さんから注文も頂いておりました。終息後は直接海外に向けて輸出できるようになればいいと思っています。
―本日はありがとうございました。
「極上無添加塩水生ウニ」(100g)
価格:¥5,180(税込)
店名:マルヒラ渡邊水産株式会社
電話:0143-50-6388(9:00~17:00 日祝休み)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/kaisen-umeya/001-1/
オンラインショップ:https://uninotakumi.jp/
「特選生ウニ折詰め」(100g)
価格:¥5,200(税込)
「特選生ウニ折詰め」(250g)
価格:¥13,000(税込)
店名:マルヒラ渡邊水産株式会社
電話:0143-50-6388(9:00~17:00 日祝休み)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/kaisen-umeya/001-5/
オンラインショップ:https://uninotakumi.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
渡邊真也(マルヒラ渡邊水産株式会社 代表取締役専務)
1975年北海道生まれ。札幌の経理専門学校卒業後、札幌の関連会社で当社の生ウニをホテルや寿司店、和食料理店などに営業、配達する業務に従事。1997年マルヒラ渡邊水産株式会社入社。2010年同社代表取締役専務に就任。
<文・撮影/今津朋子 画像協力/マルヒラ渡邊水産>