あの大行列カレーうどんの味を忠実に再現「古奈屋のカレーうどんスープお楽しみセット」

あの大行列カレーうどんの味を忠実に再現「古奈屋のカレーうどんスープお楽しみセット」

2022/11/16

東京の下町巣鴨からカレーうどんブームを巻き起こした名店が、店の味に限りなく近いレトルトタイプの商品開発に成功しました。創業者である先代が信念をもって生み出した唯一無二の味。その裏側には父子の心の物語があったのです。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社古奈屋 代表取締役社長の戸川里美氏に、取材陣が伺いました。

株式会社古奈屋 代表取締役社長の戸川里美氏
株式会社古奈屋 代表取締役社長の戸川里美氏

―1990年代後半におきたカレーうどんブームは、古奈屋さんが火付け役とか。

戸川 そう記憶しています。古奈屋を創業した私の父が、何年もかけてレシピをブラッシュアップし、納得できる味に仕上げました。カレーうどんのためだけにルウを作って、出汁にもかえしにもこだわって、本当に手間暇かけて作っていました。古奈屋を立ち上げる前は芸能プロダクションを経営していたので、数あるメニューの中からビッグスターを育てようという感覚で、カレーうどんに白羽の矢を立てたようです。

―芸能界からうどん店に転身された先代のことを教えてください。

戸川 父は、今でも活躍されている方々のマネージャーを経て自分で芸能プロダクションを立ち上げました。ところが40歳で突然引退し、数年にわたって次の道を模索したようです。父の出身地である群馬県桐生市の郷土料理はうどんで、家庭でうどんを打つのも一般的。それに比べてそば処東京ではなかなかおいしいうどんに巡り合えなかったことから、自分でやってみようと思い立ちました。学校に通って基礎を学んだ後、自分の味を追求しうどんを打ち、メニューを作っていました。

―そうして東京・巣鴨にオープンされたのが1983年。

戸川 6坪の小さな店でした。初めの頃は行列とは程遠く、1日のお客様が数人という日もある状況。それでも父は「コネで来てもらうのは実力じゃない、不本意だ」と、芸能界の人脈を一切頼りませんでした。出汁やかえしのクオリティを一切落とすことなく、店の営業時間の2倍以上、仕込みで厨房に立っていましたね。「本当においしいものを作っていれば、いつか必ずわかってもらえる」という信念だったと思います。

―そんな先代を、戸川社長はどのような気持ちでご覧になっていましたか?

戸川 私自身はジェットコースターに乗っている感覚でした。お正月はハワイで過ごすなどの華やかな生活が一変。父が次の道を模索する数年の間に蓄えを使い果たし、お店をオープンしてからも儲けはなく、節約生活を強いられましたから。突然うどん屋になった父のことを、「なにやってるのかしら」と少し冷めた目で見たことも(笑)。ですが、父の作るものを食べるたび、「こんなにおいしい料理を作ってすごい!」という気持ちが生まれました。

―家業を継ごうと思われたのは?

戸川 高校生のころはまだ店が軌道に乗る前だったので、大学を断念して英語の専門学校に進学しました。卒業するとき、担任の先生に語学留学を勧められましたが、実家の経済状態を考えて広告代理店に就職。その後は派遣会社に籍を置き、いろいろな仕事に携わりました。その間ずっと、土日は店を手伝っていました。そうする中で、自分が本当にやりたい仕事、没頭できることを見つけようと模索していたのでしょうね。徐々にお客様が増えて店が忙しくなったころ、私自身が、すっかり父の味や店のファンになっていたことに気づきました。父に対する尊敬の念も大きくなり、本格的に携わりたいという思いを実感しました。折しも父が「店を会社にしてお給料も出すから入社しないか」と言ってくれたのです。

―古奈屋ブレイクのきっかけは?

戸川 オープンから10年くらいたった頃でしょうか。著名な料理評論家が記事にしてくださったのです。それを機にマスコミから取材依頼が入るようになりました。父は店のつくりにもこだわって、当時は珍しく、女性が1人でも入りやすいガラス張りの店でしたし、少しずつファンが増えていたこともあり、口コミとメディアの力で一気に忙しくなりました。

現在の本店もガラス張りで女性が1人で入りやすい店構え。
現在の本店もガラス張りで女性が1人で入りやすい店構え。

―改めてカレーうどんのこだわりを教えてください。

戸川 父が店の看板スターとしてカレーうどんを選んだのは、苦手な日本人を探す方が難しいほど愛されているカレーと、幼児から高齢者まで、元気なときもそうでないときも食べられるうどん、その組み合わせは最強と確信したと、いつも話していました。スパイスの組み合わせや出汁、かえしのレシピなど、改良を重ねて完成まで4年くらいかかったと思います。「スープまで飲み干せる」と言われることも多いんですよ。
うちのカレーうどんは牛乳が入るのが特徴。父は幼少期体が弱く、祖父好みの辛いカレーを、祖母が牛乳を入れてまろやかにして食べさせてくれた原体験からきているようです。スパイシーな風味、出汁の香り、かえしのうまみ、そしてミルクのまろやかさが渾然一体となり、古奈屋にしか出せない味わいになっていると自負しています。

―今回の商品は、その味わいを忠実に再現されたのですね。

戸川 実は以前にも同様の商品はあったのですが、本店の味とどこか違うと満足ではありませんでした。リニューアルに際し、私自身が作ったスープをメーカーさんに送って再現してもらうようにしました。何度も何度も繰り返して、完成まで1年ほどかかりましたでしょうか。2020年初頭に発売となったのですが、病床に伏していた父も太鼓判を押してくれました。

こだわりのルウや出汁の味わいを忠実に再現。
こだわりのルウや出汁の味わいを忠実に再現。

―商品化にあたり、もっとも難しかった点は?

戸川 スープを温める際に牛乳をご用意いただく手間があります。最後まで悩んだのですが、フレッシュな牛乳でないと古奈屋の味にはなりませんし、古奈屋の味のファンならやってもらえるのではないかという期待を込めて思い切りました。

1箱1人前あたり牛乳70mlを用意。
1箱1人前あたり牛乳70mlを用意。
温める前に半分、最後に残りを加えて牛乳の風味を生かす。
温める前に半分、最後に残りを加えて牛乳の風味を生かす。

―お客様の反応は?

戸川 お持ち帰り商品として店にも置いていて、常連様からは「店の味に近すぎて、もうお客さんが来なくなっちゃうんじゃないの!?」と心配いただくほどです。決して安価ではありませんが、コロナ禍でも全国で古奈屋の味を楽しんでいただいています。

―おすすめの食べ方は?

戸川 うどんに限らず、パスタや蕎麦などお好きな麺でどうぞ。細めの麺だとスープがよく絡みます。麺のゆで上がりをスープのタイミングに合わせていただくといいと思います。リゾット風のカレーごはんもいいですし、ドリアにしたというお声もありました。合わせる具材は、油と相性が良いので天ぷらはもちろん、素揚げの野菜や揚げ焼きにした餅もよく合いますよ。

油ものや野菜と相性が良い。
素揚げの野菜や揚げ焼きにした餅もよく合います
油ものや野菜と相性が良い。
ごはんを雑穀米にしても。
ごはんを雑穀米にしても。
とろみがあるのでパスタソースとしても◎。
とろみがあるのでパスタソースとしても◎。

―古奈屋のカレーうどん味のあられもおいしいですね。

戸川 おせんべい屋さんにご提案いただいた商品です。うどんの太さを再現してあるんですよ。スパイシーでクリーミーな味わいと、かつおだしの風味にこだわってもらいました。

食べ始めたら止まらぬおいしさ。
食べ始めたら止まらぬおいしさ。

―今後の展望をお聞かせください。

戸川 2020年に父が亡くなり、ずっとそばで見てきた私が継ぎました。コロナ禍で飲食業界は大きく様変わりをしましたが、お客様の応援の声に助けられています。古奈屋は一時期多店舗展開もしましたが、やはり、本店と同じ味とサービスが保たれる範囲にとどめることにしました。本当においしいものを妥協なく作り続ける父の信念とこだわりを忘れず、今の店を大切にしながら、地道に良い物を提供していきたいと思っています。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「古奈屋のカレーうどんスープお楽しみセット」 (古奈屋のカレーうどんスープ1箱1人前180g入り×5個・古奈屋のクリーミーカレーうどん匠揚げ90g入りボトル×2本)

「古奈屋のカレーうどんスープお楽しみセット」
(古奈屋のカレーうどんスープ1箱1人前180g入り×5個・古奈屋のクリーミーカレーうどん匠揚げ90g入りボトル×2本)

価格:¥4,140(税込)
店名:古奈屋WEB SHOP
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://konaya.shop/items/60aca72b8899be7bc7ca44cc
オンラインショップ:https://konaya.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
戸川里美(株式会社古奈屋 代表取締役社長)

芸能プロダクションを経営する父のもと、東京に生まれる。1983年に父親が古奈屋を創業した店を学生時代より手伝う。1989年広告代理店に就職、その後派遣社員として様々な職種に携り、1995年古奈屋入社。翌1996年法人化し、取締役就任。仕込みから店舗営業全般に従事しながら、経理、メディア対応まで幅広い業務に携る。40代で大学を卒業。2020年7月代表取締役社長就任。

<文・撮影/植松由紀子 MC/鯨井綾乃 画像協力/古奈屋>

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