今回、編集長アッキーが気になったのは、直営レストランでミシュラン一つ星を獲得している「はしづめ製麺」。株式会社はしづめ製麺・代表取締役社長兼ヌードルアーティスト®の橋爪利幸氏に、担々麺のおいしさの秘密を取材陣がうかがいました。
ミシュラン一つ星の味を自宅で 「プレミアム坦々麺セット」 「粗挽き肉みその汁なし担々麺 (山椒麺&はしづめ刀削麺)」
2022/12/01
株式会社はしづめ製麺 代表取締役社長兼ヌードルアーティスト®の橋爪利幸氏
―創業の経緯を教えてください。
橋爪 1949年創業の業務用の中華麺専門店としてスタートしました。私が2代目です。先代の時は飲食店が少なく、作れば売れる時代でしたが、飲食店が増え、競争が激しくなりました。私が社長になって15年ほどですが、品質重視に切り替えました。開発のスピード上げ、麺の種類を200までに増やしました。今では厳選して120種類くらいを扱っています。コロナ禍になって、そのなかでも厳選したものを小売りするようになりました。
麺の違いを楽しめるセットがうれしい。
―ヌードルアーティストという肩書はどういう理由でつけられたのでしょうか。
橋爪 6年ほど前に作った肩書です。五感を使って麺づくりをしており、美しくおいしい麺は作品だという思いで作っているので、私自身がアーティストであると名乗り、その思いを後世に伝えていければと思っています。
タレとよくからむ、はしづめ刀削麺。
―麺を開発する際のインスピレーションはどこから来るのでしょうか。
橋爪 練り込み麺はとくに色、味、香りの3つをバランスよく調合することで最高の麺ができます。おいしさや美しさはもちろん、面白さで麺に色を練り込むこともあります。色は食材の自然の色を使っていますが、夏は清涼感あるグリーンが求められたり、秋はかぼちゃなど季節によって食欲をそそる色を意識することもあります。
―今回ご紹介する「プレミアム担々麺」「粗挽き肉みその汁なし担々麺 (山椒麺&はしづめ刀削麺)」はどういうきっかけで生まれたのでしょうか。
橋爪 10年ほど前に直営のレストランをオープンし、担々麺をメインに麺料理を出していますが、ご家庭でもレストランに近い味を楽しんでいただくために、料理長が試行錯誤で開発しました。最初に汁なし担々麺を5年ほど前に販売、その後、1年ほど前から汁ありのプレミアム担々麺の販売しています。
ほどよい辛さで食べやすい山椒麺。
―「プレミアム担々麺」は中華麺と山椒麺の2種類の麺が楽しめます。
橋爪 山椒麺という山椒を練り込んだ麺が最初にできており、その麺を引き立てることができる、スパイスを使わないスープができないかと考えました。山椒麺は中国で極上とされる花山椒をゆっくり石臼引きすることで香りを立たせています。最初から辛いと最後まで食べきれなので、最後に辛さを感じるような山椒の量をブレンドしています。中華麺は一番ベーシックで1番売れている麺です。こちらはスープの風味が上がるような配合で作っています。麺は主張しすぎると料理の邪魔になるので、そのバランスが難しいところです。
ベーシックな中華麺。
卵をトッピングしてもおいしい。
―粗挽き肉みその汁なし担々麺 (山椒麺&はしづめ刀削麺)」も2種類の麺ですね。
橋爪 スープによくからむよう、刀削麺を開発しました。8ミリから10ミリの間で仕上げることで、飽きずに食べていただける太さも見極めています。パンチが欲しい人は山椒麺でも召し上がっていただけるよう2種類を用意しました。
野菜が欲しい人はもやしとシャンツァイを添えても。
―担々麺のお肉もおいしいです。
橋爪 お肉のかたまりを食べるごろごろ感を意識しています。そうでないと記憶に残らないので。スープとお肉を別々の袋にしているのも食感を残すためです。スープといっしょにしてしまうと下に沈んでしまい、お肉の表現力がなくなります。お肉はちょっと甘めの味付けで、四川独特の辣醤という甘味噌を使っています。
―「プレミアム担々麺」のスープの特徴を教えてください。
橋爪 塩スープの素にガラだけでなく、昆布だしをブレンドしています。和だしを使ったほうが日本人の舌に合うのではないかと、お店の方でもそういったコンセプトでやっていたのでそのスープを踏襲しました。日本人にあわせて辛すぎず、最後まで楽しめるスープにしました。ごまの風味は時間が経つと消えてしまうので、結構な量を入れています。また、ごまを炒って、ゆっくりすり鉢ですることで風味を逃さないよう手間をかけています。
―最後に今後のビジョンや展望を教えてください。
橋爪 去年リブランディングをして、社名やロゴを変えました。「はしづめ」とひらがなにすることで、やさしい感じを出しています。今までは業務用向けが中心でしたが、今後は個人向けも増やして幅広くお客様に提供できたらいいかなと思っています。また、品質重視することは変わらず、これからも大量生産はしません。ゆっくり丁寧に作ることでお客様が満足してくださる商品が生まれてくると思っています。
―貴重なお話をありがとうございました。
「プレミアム坦々麺セット」
価格:¥4,000(税込)
店名:はしづめ製麺
電話:03-3761-1133(8:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hashizumen.shop/products/%E5%9D%A6%E3%80%85%E9%BA%BA%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88
オンラインショップ:https://hashizumen.shop/
「粗挽き肉みその汁なし担々麺 (山椒麺&はしづめ刀削麺)」
価格:¥4,000(税込)
店名:はしづめ製麺
電話:03-3761-1133(8:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hashizumen.shop/products/%E7%B2%97%E6%8C%BD%E3%81%8D%E8%82%89%E3%81%BF%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%B1%81%E3%81%AA%E3%81%97%E6%8B%85%E3%80%85%E9%BA%BA-%E5%B1%B1%E6%A4%92%E9%BA%BA-%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%A5%E3%82%81%E5%88%80%E5%89%8A%E9%BA%BA-4%E9%A3%9F%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88
オンラインショップ:https://hashizumen.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
橋爪利幸(株式会社はしづめ製麺 代表取締役社長兼ヌードルアーティスト®)
東京都出身。品川区で製麺会社を営む父のもと、幼少期から麺づくりを身近に感じて育つ。ラジオなどを分解して楽しむ、細かい作業が好きな少年でもあった。家業に入ってからは麺づくりでも好奇心を発揮。素材の分量計算にパソコンを駆使しつつ、ごぼうや柚子、山椒、モロヘイヤなどを生地に練り込んだオリジナル麺を考案した。多くの人に「はしづめ製麺の麺」を知ってもらいたいと、飲食店も開業。現在は2店舗を直営している。ヌードルアーティストとは、飽くなき探究心をもって日々麺の可能性を追求する麺のクリエイター。
<取材/垣内栄 MC/津田菜波 撮影/坂口明子・津田菜波>