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茶師十段が選び抜いた煎茶「延喜鳳明」 日本最古のインド珈琲を味わう香り高い「麟太郎」

2022/12/05

今回、編集長アッキーが気になったのは、京都をはじめ全国で日本茶や珈琲を販売する株式会社放香堂 。株式会社放香堂 専務取締役の岩端正尚氏に、商品の魅力を取材陣が伺いました。

放香堂社長
株式会社放香堂 専務取締役の岩端正尚氏

―創業の経緯を教えてください。

岩端 創業は約190年前で、宇治茶の産地である京都府相楽郡和束町という場所で、初代・東源兵衛が農家として茶作りをさせていただいておりました。作ったお茶は江戸全域に納めており、「放香堂」の屋号もその時代に松平家から拝領致したといわれております。うちの茶畑は皇女和宮様の元化粧領だったようです。明治維新によって徳川幕府が滅亡後、鎖国政策がなくなりましたので、神戸に貿易商館を設けて「茶貿易」を始めました。高祖父(こうそふ)がインドまで御茶貿易を行った際に、コーヒー豆買い付けを行い、明治政府樹立後、日本国で最初に店舗内で日本人に対してコーヒーを飲ませたのが当店と言われています。また三省堂さんのカタカナ語(外来語)事典には「放香堂が日本で最初のカフェである」と記述いただいております。

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摘みたての新芽を一気に蒸し上げ、素材そのものの味を大切に仕立てた「延喜鳳明」。

―お茶作りで大切にされていることを教えてください。

岩端 社訓は「以茶伝心」です。「丹精込めて育て上げた「茶」を相手様に喫していただく事により真心を伝える」という意味合いだと捉えています。持続的な「以茶伝心」理念を実現するため、当社は昔ながらの製法と、茶師による厳しい選定を経た「茶」を世の中に送り出し、「潤いのある社会」の実現に取り組んでいます。作る側としては「一意専心」で、日々研究して一生懸命お茶を作っています。さまざまなシーンで、美味しいお茶を出すことによって、皆さんが喜んで、人と人が繋がっていけることがお茶の役目のひとつだと考えております。お茶は生き物であり、地形、気候などの影響を受けて、味を一定化することが難しい商品ですが、そこは農家の皆さんと茶師の力で、「いつものお茶」を飲んでいただけるよう努力しております。

 ―日本茶の茶師がいらっしゃるのですよね。

岩端 弊社の茶師として、日本でわずかしかいない全国本茶審査技術十段(茶師十段)を保有している酢田恭行や国内でも珍しい女流茶師等が在籍しております。御茶師たちは美味しいお茶を目指して飲料用だけでなく様々な形で「食」全般に日本茶を広めるように日夜研究を重ね研鑽に励んでいます。

 ―「延喜鳳明」はどういったお茶でしょうか。

岩端 初代の東源兵衛の名前にちなんで、うちのメインのお茶を「源兵衛シリーズ」と名付けています。日常使いできるお茶をテーマにしていますが、これが難しいのです。何年も飲んでいる毎日のお茶の味が変わらないよう、お茶を作っていくために、茶師が新茶の時期には日本中を飛び回って茶葉を厳選しています。「延喜鳳明」はまろやかで自然な味わいの緑茶で、とくに香りのよさで、お客様から好評です。

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渋みを抑えた喉ごし、まろやかな自然な味わい。

―どんなシーンで飲むのがおすすめでしょうか。

岩端 朝は熱いお湯でたっぷり抽出していただくと苦み成分が出て、シャキッとします。昼は少しぬるめの65℃から70℃ぐらいで、煎茶本来の味わいである、うまみと苦みの調和を楽しんでいただきたいですね。夜は食事のシーンで使われることが多いと思いますので、料理に合わせてお湯の温度を変えていただければと思います。冷茶で飲むなら、大きい器に茶葉と氷を入れて、冷蔵庫でゆっくり一昼夜かけて抽出していただくのもおすすめです。苦み成分の抽出が抑えられてまろやかな味になります。

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石臼で挽いた珈琲豆。

―「麟太郎」はどういった珈琲でしょうか。

岩端 神戸港の礎を作ったのは勝海舟で、通称が「勝 麟太郎」でした。弊店も神戸港の発展とともに栄えてきたので、ご縁を感じており看板メニューの珈琲を「麟太郎」と名付けました。
1882年出版の版画「豪商神兵 湊(みなと)の魁(さきがけ)」には、弊社が掲載されており、版画中看板に「印度産加琲 放香堂」と書かれております。そこで今でもインド産珈琲にこだわり、インド産のアラビカ種を使っております。
豆の深い味わいと香りの高さが特徴です。インド産の珈琲豆は流通量が少なく、入手も非常に困難ですが、明治復刻珈琲として楽しんでいただけるように常備しております。製法は弊店の昔からの「石臼挽き製法」で豆を挽いております。珈琲豆を石臼で挽く事により、挽き上がり後に粉末豆が空気に触れる面積が大きくなるため、香りが強くなります。また挽いた豆の大きさが、均等ではないため粗めや細かめの粉末豆ができあがります。その粉末豆のブレンドしたものをフレンチプレスで約3分半、じっくり抽出していただくのがおすすめです。

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どっしりとしたコクと苦味、豆の持つ深い味わい、コーヒーのうまみを楽しめます。

―今後の展望について教えてください。

岩端 農家さんの跡継ぎがいなくなり、耕作放棄茶園が増えています。するとその荒れた茶園に動物や昆虫が増えて、周りの茶園にも被害を及ぼします。そのため、放棄茶園を減らすことに力を入れております。放棄茶園を再活用するために、茶の実からとれる油は抗酸化力が高いので、化粧品に活用するプランも検討中です。また、抹茶や焙じ茶を原料とするスイーツも人気で、各社様に原料供給をさせていただいております。スイーツ以外にも「そば」や「うどん」など麺類や一般食材との相性などを研究しており、今後、食材としてのお茶の扱い方を模索しているところです。今後は御茶だけでなく珈琲の原料供給なども行ってゆきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

放香堂商品1

「延喜鳳明 えんぎほうめい」
価格:¥1,080(税込)
店名:放香堂
電話:0120-088-450(10:00~19:00 水曜除く
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hokodo.thebase.in/items/37069833
オンラインショップ:https://hokodo.thebase.in/

放香堂商品2

「麟太郎(ハイロースト・中深煎り インド産アラビカブレンド)」(100g)
価格:¥734(税込)
店名:放香堂コーヒー
電話:078-321-5454(10:00~19:00 水曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/hokodocoffee/101.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/hokodocoffee/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
岩端正尚(株式会社放香堂 専務取締役)
1966年生まれ。1989年株式会社大丸(現:株式会社大丸松坂屋百貨店)入社。1999年に退社し、2000年株式会社放香堂入社。2002年に専務取締役営業本部長に就任。2015年に和束貿易株式会社(放香堂加琲の母体)代表取締役就任。現在は京都府相楽郡和束町を始めとする茶産地の過疎化防止の為に茶のサブプロダクト事業を興し指導。近年は皇居外苑、京都御苑などの国有地にも店舗出店を行い、インバウンド観光事業にも寄与している。

<取材/垣内栄 MC/和田英利 撮影/坂口明子>

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