今回、編集長アッキーが気になったのは、北海道小麦100%のパンを販売する「boulangerie coron(ブーランジェリー コロン)」。株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役 伊藤亜由美氏に、商品の魅力を取材陣が伺いました。
北海道産小麦100%でもちもちのおいしさ 「道産とうきびのリュスティックセット」。 クリスマスの時期だけのお楽しみ 「クリスマスシュトレン」 「山中牧場プレミアムシュトレン」
2022/12/08
株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役の伊藤亜由美氏
―創業の経緯を教えてください。
伊藤 会社自体は1992年創業で今年で30年です。もともと私は学生のときに芝居をやっており、鈴井貴之が主宰していた劇団に入りました。その後は就職して、芝居も続けていたのですが、26歳のときに会社をやめて、劇団を事業化しようと起業しました。それが92年で、私はプロデューサーとして劇団員を売り込んだり、自分もオーディションを受けたりして、テレビやラジオのお仕事をいただくようになりました。その後、劇団の動員数も少しずつ増え、認知度も上がって、当時、安田顕が劇団員だったこともあり、彼の仲間だった大泉洋らTEAM NACSメンバーがオフィスキューに所属することになったのです。
―今ご活躍の俳優さんたちを支えてこられたのですね。
伊藤 最初のうちは芸能プロダクションとしての経営が大変だったので、飲食店も展開することにしました。もともと食べることが大好きで、札幌にはなかったメキシコ料理店をオープンしたんです。
その後、ベトナム料理のお店もオープンしましたが、TEAM NACSが全国展開することになり、いったん飲食事業をやめてアーティストのマネジメント事業に専念しました。それが2005年です。
でも東京に行くと北海道の食の素晴らしさを改めて実感し、映画を通じて北海道の魅力を発信しようと映画『しあわせのパン』(2012年公開)を企画しました。
シェフの知識と北海道の食材が出会うことにより生まれる独自のパン。
―それがパンの事業に繋がっていくのですね。
伊藤 はい。映画の製作の際に出会ったのが、現在、coronのグランシェフでもある、東京の人気ブーランジェリー「シニフィアン シニフィエ」の志賀勝栄氏です。当時は北海道小麦を使ったベーカリーがまだ少なかったのですが、志賀シェフのパンを食べたときに感動しました。
今まで食べたことのない食感、小麦本来の香り、味わいもそうですし、外側がカリッとしているけれども、中が非常にみずみずしく、とてもおいしかったのです。長時間低温発酵という製法をうかがい、北海道の土地で、志賀シェフの製法で、北海道小麦100%というお店を作ろうと思い、「boulangerie coron」が誕生しました。今から10年前のことです。
また、志賀シェフのような高い技術をもった人材を、北海道でも育てていきたいという思いがありました。
―北海道の小麦はどういった特徴があるのでしょうか?
伊藤 吸水性がとても高く、成形する時に形が作りにくいため、扱うには相当な技術がいるのです。長時間低温発酵の製法により小麦の旨みを引き出し、おいしいパンが実現しました。焼き上がったパンは噛めば噛むほど芳醇で奥深い味わいが口に広がります。
―ベーカリー事業ではプロダクション事業とは違いを実感されますか。
伊藤 お客様に喜んでもらえることを総称してエンターテイメントと言いますが、芸能も飲食も感動に結び付けられる、喜んでいただける仕事なので、我々がいかに手を抜かずに頑張って仕事をするかという点では同じです。「こういう風に食べたら美味しいんですよ」といった提案の仕方も、エンターテイメントの観点から仕掛けています。
―店名の「boulangerie coron」の由来を教えてください。
伊藤 パンの形や長さはいろいろですが、おにぎりみたいなコロンコロンとしたイメージで、いつも身近にあって、日常で食べてもらいたいという思いから名付けました。coronのパンが北海道民の日常になってもらいたいと考えています。
―大人気商品「道産とうきびのリュスティック」はどういうこだわりがございますか。
伊藤 北海道の小麦の特徴である、吸水性の高さともっちり感、北海道を代表する食材である”とうきび”(とうもろこし)をたくさん入れることにこだわりました。
成形が難しいなかにとうきびを入れるのは難易度が高いのですが、オープンを控えていた当時、3か月くらい試作を重ね、出来あがったときには感動して、代表商品にしようと決めました。生地の水分量ととうきびの分量が1番おいしいと言うギリギリのところを見極めて作っています。
coronで人気No.1のパンをご自宅で。
―おすすめの食べ方を教えてください。
伊藤 そのままでも十分おいしいですが、トースターで少し温めて食べていただくとさらにおいしくなります。熱々のところにバターをのせると、北海道らしい「コーンバター」も味わえて、おすすめです。醤油を1滴垂らすと、バター醤油味になり、これもすごくおいしいです。ワインやビール、お酒にも合います。
―「シュトレン」はどういった商品でしょうか。
伊藤 もともとシュトレンはクリスマスの時期にだけ作っていましたが、シュトレン好きの友人に「どうしてクリスマスだけしか売っていないのだろう」と言われて。だったら季節ごとのシュトレンを作ればいいのではと考え、夏に「サマーシュトレン」を作ってみました。冬には入れないような柑橘系の具材をメインに入れると、とても美味しくて、お客様にも好評で定着しました。
それ以来、秋は栗、春は桜、バレンタインのときはチョコといった季節を楽しめるシュトレンを展開しています。素材の牛乳とバター、お酒は基本的には北海道産で、フルーツを漬けるお酒にもこだわります。北海道でものづくりしている人達を応援したいという思いがあり、シュトレンにも活かされています。クリスマスの時期に限定販売する、山中牧場の発酵バターをふんだんに使った「山中牧場プレミアムシュトレン」も人気です。
クリスマスシュトレン。洋酒に漬け込んだオレンジ、レモン、レーズン、りんご、
くるみ、マカデミアナッツ、アーモンドをたっぷり入れて焼き上げた逸品。
―シュトレンにはどんな飲み物が合いますか。
伊藤 コーヒーがぴったりですが、シェリーや赤ワインも合います。ご自身のお気に入りの組みあわせを楽しんでいただきたいですね。
山中牧場プレミアムシュトレン。
北海道赤井川村「山中牧場」の発酵バターを100%使用し、
和三盆糖で包み込んだスペシャリテ。
―今後の展望をお聞かせください。
伊藤 これまで人との出会い、食材との出会い、生産者との出会いで商品を作ってきました。北海道から喜んでいただける、感動していただけるものを追求することを今後も続けていきたいと思っております。coronのパンと、北海道のワインと、北海道のチーズは最高のベストマリアージュです。ぜひ北海道のワインとチーズも試してみてください。
また、北海道産のお米と小麦の魅力を伝えるお店を10月に札幌にオープンしました。道産米を使ったお米の麺の専門店「rice noodle comen(ライスヌードルコメン)」です。北海道旅行の際にはぜひいらしてください。
北海道産“米”の美味しさを伝えるブランド「comen」(コメン= 「米」+「麺」)。
米麺をバラエティ豊かな旬の具材やスープで味わえます。
―素晴らしいお話をありがとうございました。
「道産とうきびのリュスティックセット」(5本)
価格:¥1,600(税込)
店名:boulangerie coron
電話:011-221-0101(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.coron-webshop.jp/item-detail/1286808
オンラインショップ:https://www.coron-webshop.jp/
「クリスマスシュトレン」
価格:¥3,800(税込)、ハーフサイズは¥2,260(税込)
店名:boulangerie coron
電話:011-221-0101(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.coron-webshop.jp/item-detail/1286496
オンラインショップ:https://www.coron-webshop.jp/
「山中牧場プレミアムシュトレン」
価格:¥4,500(税込)、ハーフサイズは¥2,600
店名:boulangerie coron
電話:011-221-0101(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.coron-webshop.jp/item-detail/1285839
オンラインショップ:https://www.coron-webshop.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
伊藤亜由美(株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役)
プロデューサーとして鈴井貴之監督作品「man-hole」「river」やTEAM NACS全国公演「LOOSER〜失い続けてしまうアルバム」以降の作品等で采配を振るう。2012年、事務所創立20周年を機に「CUEのキセキ」を出版(発行:メディアファクトリー)。食、観光、地域産品等北海道の様々な魅力を全国に伝えたいという思いから映画『しあわせのパン』(2012年/三島有紀子監督)、『ぶどうのなみだ』(2014年/三島有紀子監督)、『そらのレストラン』(2019年/深川栄洋監督)を企画。テレビ番組では「森崎博之のあぐり王国北海道」(HBC)を企画、北海道産小麦にこだわったベーカリー事業「boulangerie coron」を展開するなど食とコンテンツのプロデューサーとして北海道の魅力を発信し続けている。2017年、ソムリエ・ドヌール(名誉ソムリエ)就任。
<取材/垣内栄 MC/和田英利 画像協力/boulangerie coron>