今日のように“サステナブル”の意識が高まる少し前から、地球環境をはじめ、生産者や作り手の営みに思いを馳せて、海外ブランドこだわりのチョコレートやティーを紹介してきたサイト、EMDM。味や品質、デザインはもちろん、1つ1つのアイテムから伝わってくる地球や人への愛は、手にした人を幸せな気持ちにします。
編集長アッキーも興味津々のこのサイトは、日本に進出する海外ブランドをサポートする合同会社Vol. が運営。代表取締役の遠藤桃子氏に、取材陣がお話を伺いました。
2023/01/05
今日のように“サステナブル”の意識が高まる少し前から、地球環境をはじめ、生産者や作り手の営みに思いを馳せて、海外ブランドこだわりのチョコレートやティーを紹介してきたサイト、EMDM。味や品質、デザインはもちろん、1つ1つのアイテムから伝わってくる地球や人への愛は、手にした人を幸せな気持ちにします。
編集長アッキーも興味津々のこのサイトは、日本に進出する海外ブランドをサポートする合同会社Vol. が運営。代表取締役の遠藤桃子氏に、取材陣がお話を伺いました。
-アメリカで働かれたことが起業のきっかけになったそうですね。
遠藤 18歳の時に渡米し、ニューヨークの大学で学び就職しました。デザイナーになりたいという夢を持って行ったのですが、センスや実力のある人がたくさんいて、自分が目指す道ではないと考えるようになりました。そんな時に、知ったのがディストリビューター(編集部注/企業やブランドの商品を流通させる代理店業のこと)という仕事です。
アパレルならデザイナーと直接やりとりをして、ゼロから作り上げていくこの仕事はとても魅力的で、パッションを持つようになりました。私はスタートアップの会社にいて、まかされる仕事も多くスキルが身につき、その後独立したんです。
-会社の設立はいつですか?
遠藤 2015年です。ニューヨークのブランドからヨーロッパのブランドへ、ニーズがありアクセサリーやアパレルが増えていきました。夫がイギリス人ということもあり、イギリスのブランドとも仕事をするようになりました。ライフスタイルをコンセプトにしていますから、フードにも興味があり、そこからフードのブランドも増えたんです。弊社では現在フードは30%くらいです。
-それがEMDMサイトで取り扱う3つのブランドですね。
遠藤 はい、LOVE COCOA、H!P CHOCOLATE、JOE’S TEAです。弊社としても、フードに携わるならアパレルのブランドにも紹介できるような、品質の良さはもちろん、キャッチーでデザインにも優れたものを求めていたのですが、そこで最初に出会ったのがLOVE COCOAだったんです。
ブランドオーナーのジェームス・キャドバリー氏と初めて会った時、「祖先のおじいちゃんのチョコを再開したいんだ」という話に心を打たれて、私も「それは素敵ですね」と答えたのですが、キャドバリーといえばイギリスで有名なチョコの老舗。後で知って恥ずかしく思いましたが、かえって気に入ってもらい、一緒にゼロから商品づくりを始めることができました。
-EMDMという名前は?
遠藤 Eat Me,Drink Me 、「私を食べて私を飲んで」。不思議の国のアリスに出てくる言葉です。 食べて飲んで楽しんでという意味で、地球にも体にもやさしいものを選んでいますし、ここを環境や体に関する情報発信の場にできればとも思っています。
-企業として大切にされていることは?
遠藤 1つ1つの商品との出会い、人とのつながりを大切にしています。関わるブランドの方だけでなく、社員1人1人。社長目線ではなく、一緒の目線でゼロから一緒に作ることを大事にしています。そのような同じコンセプトを持つブランドと関わっていこうと考えますし、サステナブルに長く関係性が続くブランドを重要視しています。
1年目の売上など利益ベースで見てしまう企業だと、やはり合わないと思います。長く見てほしいですし、新しいマーケットでゼロからスタートするには、柔軟さや辛抱のあるブランドでないと……。コロナ禍など低迷の時期があっても信じてくださるブランドとは今も続いていますね。
-ディストリビューターの難しさは?ご苦労もありましたか?
遠藤 欧米と日本では、話し方にしてもプレゼンの仕方にしてもビジネスのスタイルが違っていて、企業同士が理解し合えないこともあります。同じことを考えていても、言い方が真逆なことや、訳せないこともあります。ですから、海外と日本の企業の間に入った時には、気をつけて話すよう心がけています。
アメリカにいた時に、短期間で結果を求められ、1回の売上のための施策を行って、ブランドを大事にできないこともありました。その反省から、私たちがブランドの紹介だけでなく、ブランディングからBtoCをすべて行って、ブランドに歩み寄るということに決めたんです。
ブランドの魅力を最後のお客様にまで伝えるということ。おいしいとか、安全とかはもちろんですが、パッケージのデザインコンセプトに至るまで作り手の思いを伝える。そこまでできれば幸せだなと思います。
-商品への思いがなければできないですね。
遠藤 大量生産ではない、温かいものをお渡ししたいという気持ちです。1枚1枚手作りして、手でパッキングしているということも伝わるならいいなと。だから、フードロスの面だけでなく、ひとつも無駄にしたくないという思いがあります。チョコや箱を作る人、詰める人も、すべて1つの商品に関わっているんです。
-パッケージにも人の思いがありますね。
遠藤 物に関わる人とやりとりをしたり想像をしたりすると、大事にする気持ちが深くなります。リモートの時代に、人とつながって思いが膨らむように、コミュニケーションは大事。日本でも近年エコやサステナブルにフォーカスされてきましたが、野菜や動物など食べ物について意識していれば、食べ方も変わってきます。私も2人を出産して意識が変わりました。
-各ブランドについて教えてください。
遠藤 LOVE COCOAは、タブレット主力のチョコレートブランドで、ダーク、ミルク、ホワイトの3種のカテゴリー。2023年はそれぞれ3つのフレーバーを用意し、いずれもシングルオリジン(編集部注/1つの産地のみのカカオを使用)で、ミルクとホワイトはコロンビア、ダークはコロンビアとペルーです。ONE BAR=ONE TREE 、チョコレートが1枚売れるたびにカメルーンに苗木を1本植えるプロジェクトを行っています。
H!P CHOCOLATEは、Happiness in Plantsの意味で、ヴィーガンのミルクチョコレート。2021年にジェームス氏が「おいしいヴィーガンが食べたい」と立ち上げたブランドです。ヴィーガンはイギリスで生まれたスタイルであり文化。牛乳の代わりにオーツミルクを使ってクリーミーさを出しています。
どちらもインナーフィルムには生分解性プラスチックを用いてリサイクルを意図しています。ジェームス氏は、世界のカカオ産業が森林伐採に加担してきたことを問題視し、プレミアムなチョコとサステナブルな活動とを合わせてブランドを立ち上げました。
-チョコを食べて、知らないうちに環境保護に協力できるんですね。お茶は?
遠藤 JOE’S TEAは2012年にロンドンで誕生した紅茶、緑茶、ハーブティーのブランドで、すべてスリランカで生産したオーガニックティーです。最高品質のものを毎日楽しめるお茶を目指していて、価格もリーズナブル。イギリスでもお茶離れが見られますが、若者にもお茶をという思いで今っぽいロンドンを表したカラリングです。
サステナブルを目指して農園教育を行ったり、パッケージの紙もSFC認証のものを使ったり、ティーバッグはさとうきび由来、コットンの紐、生分解性のフィルムなどこだわっています。シンプルだけど飽きがこないおいしさ。ハーブティーは癒されます。
-遠藤代表がこれから目指されるのは?
遠藤 EMDMの商品を通じて、環境や体のことなど何か特別なものを感じてもらえたらと思いますし、作り手のことを思って、おいしいという以上の幸せを実感していただけたらと思います。
そして、弊社ではもう1人の代表以外、社員は女性で、幅広い年代が働いています。女性の体の変化も増えてきて、心と体のケアを考えていく時ですし、企業としても女性に貢献できることをしたいと思います。
また私自身が起業して今日までに、女性ということで悔しい思いや苦労をしたこともありましたので、女性の目線で考えできることを、社会の女性のためにできればと思います。
-興味深いお話をありがとうございました。
「≪H!P CHOCOLATE≫ Creamy Oat Milk Chocolate」(70g)
価格:¥993(税込)
店名:EMDM
電話:03-6427-8159
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://emdm.jp/?pid=164564053https://emdm.jp/?pid=164564053
オンラインショップ: https://emdm.jp
「The Earl of Grey」(15パック)
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店名:EMDM
電話:03-6427-8159
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://emdm.jp/?pid=168576451
オンラインショップ: https://emdm.jp
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
遠藤桃子(合同会社Vol. 代表取締役)
1984年東京生まれ。18歳の時に渡米、ニューヨーク州立大学入学。卒業後ニューヨークシティにてディストリビューション会社に入社。25歳の時に日本に帰国、独立。フリーランスディストリビューターとしてヨーロッパデザイナーを中心に、日本にはないブランド・商品を探し続ける。その中で出会った人々と常にベストを求め続け、現在のVol.に結実。「チーム一人一人から関わる人すべてを大切に」をモットーに、夢とチャレンジ精神を常に持ち、何事にも一生懸命に挑んでいる。
<文・撮影/大喜多明子 画像協力/EMDM>