今回、編集長のアッキーが選んだのは、今までの常識をくつがえす味付けのり。食感と味、そしてユニークなネーミングで話題の「バリバリ職人」シリーズです。商品開発、製造販売をしている株式会社大森屋 代表取締役社長の稲野達郎氏にスタッフがお話を伺いました。

株式会社大森屋　代表取締役社長の稲野達郎氏

―味付けのり「バリバリ職人」は、新食感が人気です。開発のきっかけは？

稲野　新商品のため、濃い目の味の味付けのりの商品開発をしていました。試作を繰り返していたのですが、ある日工場から「味付けの調味液をのりに塗りすぎて、のりが縮んで失敗しました」と報告が入りました。

社内で試食してみたら、「確かにのりは縮んでいるけど、食感がバリバリしていて面白い。今までの商品にない、味付けのりになる」と盛り上がりました。実は、のりメーカーにとって、のりが縮むのは失敗作なんです。

真っ平らなものが、いい商品だと言われています。でも、「もしかしたら、それはメーカー側の常識であってお客さまには関係ないのかもしれない」と考え、今までだったら失敗作になるものを新商品として売り出すことに決めました。

のり業界の常識を変えた「バリバリ職人」。
縮んだのりが、おいしさの秘密です。

―失敗から生まれた商品なんですね！ユニークなネーミングの理由は？

稲野　普通に売っても商品の良さが伝わらないと思い、今までの味付けのりとは違うことをアピールするために、バリバリ食感を強調する名前にしました。

パッケージも、ユニークなものを採用して印象に残るようにしたのです。これまでののりのパッケージは、おにぎり用、手巻き用など用途別、有明海産、瀬戸内海産など産地別などを明記していました。でも、「もしかしたら、それはメーカー側のこだわりで、お客さまはもっと自由に食べたいのではないか」と考え、「バリバリ職人」には余計なことを入れませんでした。

とにかく1度食べていただきたい。そうしたら、新しい食感と味に驚き、絶対にリピートしていただけると思いました。

―今までの常識を打ち破ったんですね。苦労されたことは？

稲野　商品のコンセプトは、お酒のおつまみです。バリバリ食感と濃い目の味はおつまみにぴったりで、お酒が進みます。

さらに、1枚1kcalと低カロリーで、食べても罪悪感が少ないのも特徴。でも、今までは、スーパーさんののり売り場でしか販売してこなかったので、販売方法に工夫がなく、最初はあまり売れませんでした。そこで、何か変えないとダメだと考え、こちらから積極的にスーパーさんに「お酒と一緒に売りませんか？」と提案しました。

すると、徐々に広がり、あるスーパーさんから、「売り場で目立つように大量に陳列し、お客さまに試食をしてもらったらどうでしょうか」と逆提案されました。この試食販売がお客さまに好評で、全国各地のスーパーさんでも取り入れました。

新商品をどのように売っていくのか、売り方が大切だし、1番苦労する部分です。「バリバリ職人」はのり売り場から飛び出し、お酒やおつまみ売り場に進出しました。これからも、色々工夫をしていきたいです。

お酒好きな男性が手に取ってしまうようなユニークな見かけ。
でも、意外に女性にもウケています。

―「バリバリ職人」は現在、4種類の味がありますが、一番人気は？

稲野　最初は、「バリバリ職人　旨口しょうゆ味」を発売しました。その後、ノーベル製菓さんの男梅とのコラボで「バリバリ職人　男梅味」、さらに、くらこんさんの塩こん部長とのコラボで「バリバリ職人　やみつき昆布味」が続きました。

「バリバリ職人　スパイシーカレー味」は、最近の新商品です。今は、先に出た「バリバリ職人　旨口しょうゆ味」がよく売れています。最近は、ノーベル製菓さんの飴「男梅」が好きという女性の方に、「バリバリ職人　男梅味」もうけていて人気が急上昇しています。

おつまみというコンセプトで、パッケージをあえて男性っぽくしているので、女性にウケているのは嬉しい誤算です。

1番新しい味、「バリバリ職人　スパイシーカレー味」。
ポテトサラダにふりかけてもおいしい。

―「バリバリ職人」のこだわりは？

稲野　やはり、バリバリとした食感です。出発は失敗からでしたが、その後、製法には改良を重ね、「ウエーブ製法」と名づけました。通常の味付けのりは最後の工程で乾燥させ、カットしてから袋詰めします。

「バリバリ職人」は、乾燥時間が普通の味付けのりの数倍長くかかります。海苔が縮んでいるので、通常の乾燥時間ではカットするときに割れてしまうため、きれいにカットできるように乾燥時間を調整しています。

この工程に、手間と時間、コストがかかっていますが、商品製造の要になります。

―おすすめの食べ方は？

稲野　まずは、のりそのものをバリバリ食べてほしいですね。お酒に合う味なので、ビール、焼酎、日本酒、ワインなど好きなお酒を飲みながら楽しんでください。

私は、そうめんを食べるとき、めんつゆの中に粉々にして入れるのも好きです。適度にバリバリ食感が残っていて、おいしいです。蕎麦やうどんにも合います。

もちろん、白いご飯と一緒に食べても。お客さまからも「ご飯と食べるとおいしい」というお声も多いですね。

パスタにふりかけてもおいしい。
ホームページにおすすめのレシピも紹介されています。

―今後の展望は？

稲野　コロナ禍もあり、日本人の食生活は急速に変化しています。今までと同じやり方では、立ち行かないので、「バリバリ職人」のような新しいことに挑戦していきたいです。2022年4月に京都寺町に「のり結び」というおにぎり専門店をオープンしました。

飲食業は初挑戦ですが、「おいしいのりで、おいしいおにぎりを食べてほしい」と考え、のりのプロだからこそできるお店を目指します。イートイン、デリバリー、季節に合わせたメニューなど、色々工夫をして、今後は全国各地に広げていきたいと思っています。

それから、海外市場への開拓もアフターコロナの課題です。お隣の韓国では、韓国のりが海外でも人気ですので、日本ののりもチャンスはあると考えています。

京都寺町のおにぎり専門店「のり結び」の店内。
おいしそうなおにぎりが並びます。

地球温暖化が話題になっていますが、私たちのり業界も深刻な問題だと受け止めています。海水温が上昇するとプランクトンが発生し、のりの栄養を食べてしまうのです。

現在、海水温が高くなっても育つのりの品種改良も進んでいますが、業界全体で生産者を支える仕組みも作っていきます。

一方で、私たちが考えなければいけないのは、容器に使っているプラスチックのこと。海洋汚染の原因にもなるプラスチックゴミを減らしたいので、容器を工夫して、環境に優しく、ゴミ分別が面倒でないものに変更していきたいと思っています。

味はもちろんですが、それ以外の部分でも「この商品を買おう」と、選んでもらえるものを作っていきたいです。

―本日は、貴重なお話をありがとうございました。

「バリバリ職人 旨口しょうゆ味」30枚
価格：¥388（税込）
店名：大森屋
電話：0120-888-383（9:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.ohmoriyashop.com/shopdetail/000000000413
公式ホームページ：https://www.ohmoriyashop.com

「バリバリ職人 男梅味」30枚
価格：¥388（税込）
店名：大森屋
電話：0120-888-383（9:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.ohmoriyashop.com/shopdetail/000000000430
公式ホームページ：https://www.ohmoriyashop.com

「バリバリ職人 やみつき昆布味」30枚
価格：¥388（税込）
店名：大森屋
電話：0120-888-383（9:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.ohmoriyashop.com/shopdetail/000000000447/
公式ホームページ：https://www.ohmoriyashop.com

「バリバリ職人 スパイシーカレー味」30枚
価格：¥388（税込）
店名：大森屋
電話：0120-888-383（9:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.ohmoriyashop.com/shopdetail/000000000483/
公式ホームページ：https://www.ohmoriyashop.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
稲野達郎（株式会社大森屋 代表取締役社長）

1964年生まれ。大阪府出身。1988年、龍谷大学経済学部を卒業。その後、松坂屋へ入社。1993年、株式会社大森屋に入社。2001年、取締役に就任。2005年、常務取締役に就任。その後、2017年に代表取締役社長に就任し現在に至る。大森屋（上海）貿易有限公司 董事長を兼任。

＜文・撮影／大橋史子（ペンギン企画室）　MC／和田英利　画像協力／大森屋＞