かにシーズン到来! かにに目がない編集長アッキーこと坂口明子の目に止まったのは、「花咲がにを世に知らしめたお店らしい」と噂の株式会社根室杉山水産。創業50年、札幌市卸売市場内に店を構える、かに専門店です。併設の食事処を目当てに札幌を訪れる外国人観光客も多いとか。
詳しいお話を、同社代表取締役社長の杉山建氏に伺いました。
2023/01/16
かにシーズン到来! かにに目がない編集長アッキーこと坂口明子の目に止まったのは、「花咲がにを世に知らしめたお店らしい」と噂の株式会社根室杉山水産。創業50年、札幌市卸売市場内に店を構える、かに専門店です。併設の食事処を目当てに札幌を訪れる外国人観光客も多いとか。
詳しいお話を、同社代表取締役社長の杉山建氏に伺いました。
―創業の経緯をお聞かせください。
杉山 私はもともと、1970年に私の兄が根室で立ち上げた、かにを中心とする北海道海産物の加工・販売、公設市場への卸を行う「株式会社マルナカ杉山水産」で仕事をしていました。1988年に小売部門として札幌営業所を設立。2016年に「株式会社根室杉山水産」として独立し、現在に至ります。
―「かにの本場」と称される場所は日本国内にいくつかありますが、根室の特色はどんなところにあるのでしょう。
杉山 根室の浜に上がる海産物は、オホーツク海の荒波にもまれて身がプリッと引き締り、旨みが強いのが特長です。さらに、花咲がにが獲れること。
花咲がには、体のトゲが長く大きく、ゴツゴツしているのが特徴ですが、道東の釧路沖から根室沖までという、狭い海域にしか生息していない希少なかにです。漁期も4月末〜10月頭と短いため、かつてはほとんどが地元で消費され、長い間、北海道内でも花咲がにを知っている人は多くありませんでした。
花咲がには、外見はいかついですが身がしっかり詰まっていて、味も、かにの中でもっとも濃厚です。このおいしさを全国のみなさんに知ってもらいたいと、札幌に店を構えた時から営業活動に励んできました。今では花咲がにの知名度もだいぶ上がってきて、我々の努力が報われたと喜ばしく思っています。
―花咲がにをはじめとする商品において、杉山社長がこだわっているのは?
杉山 こだわりの前にまず、産地から直に仕入れていることが弊社の強みです。根室に協力企業が2社あるので、7割くらいの海産物はそこから仕入れます。
つまり、かにでもいくらでもウニでも浜から直接届くので、鮮度のよいものをリーズナブルな価格でお客さまにご提供できるというのが1番の強みであり、こだわりとも言えるかもしれません。
―インターネットでの通信販売は、いつから始められたのでしょう。
杉山 本格的に始めたのは、やはりコロナ禍がきっかけです。ただ、通販事業自体は創業時から行っていました。当時はまだインターネットが普及していませんでしたし、お客様の年齢層も高かったので、電話でご注文を受けていたのです。通販というより、御用聞きのようなものです。
お客様に季節のご挨拶やご機嫌うかがいをするうちに、お客様から「何かおいしいものはない?」とお尋ねがあり、商品をご案内するというスタイルで続けてきました。おかげさまで売上も順調に伸びていたのですが、コロナ禍に入り、とてもそれだけではやっていけないということで、インターネット通販にも本腰を入れたというわけです。
―では、今回ご紹介いただく商品についてのお話をお聞かせください。
杉山 まずは、根室が誇る花咲がにです。花咲がにという名前の由来には、根室半島の旧名「花咲半島」から、もう1つは、ゆでると花が咲いたように真っ赤になるからという2つの説があります。
味は甘く濃厚で、1度食べるとこのかに以外は食べられない、という方も少なくありません。ゆでて冷凍した状態でお届けしますので、自然解凍後、まずはそのまま召し上がって、花咲がにならではの味をお楽しみください。
もちろん、鍋もおすすめです。よく出汁が出るので、〆の雑炊も絶品ですよ。地元の人たちは、白味噌の味噌汁に花咲がにのぶつ切りと好みの野菜を入れた「鉄砲汁」にすることが多いです。「鉄砲汁」という名前は、かにの足を叩くとスルッと身が出てくる様子が、鉄砲から玉が出てくるのに似ているから、のようです。
今回ご紹介するのは、花咲がにのオスです。メスは卵を抱いていて、とくに「内子」が美味しいのですが、どうしても卵に栄養を取られてしまうので、まずは花咲がに本来の身を味わっていただくために、オスをおすすめしたいと思います。
―いくらの醤油漬けは、どのような商品でしょう?
杉山 弊社のいくらは、北海道近海で獲れた「沖獲れ」の鮭の卵を十分に吟味し、1粒1粒ていねいにほぐした後、10年以上試行錯誤し、工夫を凝らした醤油だれに漬け込みます。
ポイントは、卵をあえて洗いすぎないようにしていること。卵をほぐす際に洗うのですが、洗いすぎるといくらの味が抜けてしまうんです。ただ、そうすると日持ちがしません。ですから、日持ちするように卵をよくよく洗うお店が多いのですが、私としてはやっぱり、いくら本来の旨みを味わっていただきたい。
なので、賞味期限は解凍後5日間と短いのですが、根室のいくらを堪能していただけると思います。
こちらも、そのまま召し上がるのがおすすめです。口の中に入れると卵がふわっと溶けて、いくらの甘みが口いっぱいに広がりますよ。丼にしてももちろんいいですし、熱々のグラタンにトッピングすると、ベシャメルソースのクリーミーな味に、いくらの塩味がいいアクセントになって、おいしいです。
―では最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
杉山 かになどの海産物に限らず、北海道の食材を使った料理を提供する店舗を展開したいと考えています。
北海道には、胸を張って「おいしい」と言える食材が揃っているので、どんどんアピールしていきたい。さらに、根室というブランドを日本全国に、そして大げさかもしれませんが世界に向けて発信していきたいと思います。
現在、弊社でも店舗の隣に『うめぇ堂』という食事処を構えています。きっかけは、15年ほど前、海産物を買ってくださったお客様が店舗の奥で配送伝票を書かれている時、「海鮮丼が食べたいのだけど、どこのお店がいい?」とおっしゃったこと。だったらと、店頭に出しているタラバガニの足の身をほぐしたものといくら、生ウニを乗せてお出ししたんです。
そうしたら「こんなにおいしい海鮮丼、食べたことない!」とおっしゃって。そうか、こんなに喜んでくださるならと、ちょうど店の隣に空いていた倉庫を改装して、海鮮丼のお店を始めたのです。
そのうち、外国からのお客様も寄ってくださるようになったのですが、彼らは海鮮丼を召し上がるだけでなく、店頭に並んでいるかにを買って、「ここで食べられませんか?」とおっしゃるんです。
そこで、かにをゆでたり焼いたりして提供し始めたところ、みなさん写真を撮ってSNSで発信してくださって。後に、台湾からのお客様に「『うめぇ堂』は台湾でも有名ですよ」と声をかけていただいた時は、うれしかったですし、地道に発信していけば世界の方たちにも届くんだなとあらためて思いました。
ですから、根室杉山水産だけでなく根室を、そして北海道を日本全国に、そして世界にアピールするべく、これからもよい商品をリーズナブルな価格で皆様にご提供できるよう務め、発信していきたいと思っています。
―ますますのご活躍、楽しみにしております! ありがとうございました。
「<ボイル冷凍>花咲がに オス1尾」(800g前後)
価格:¥8,400(税込)
店名:根室杉山水産
電話:0120−788−776 (9:00〜18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kk-sugiyama.co.jp/products/detail.php?product_id=227
オンラインショップ:https://kk-sugiyama.co.jp
「【2022秋・新物】北海道・根室産/いくら醤油漬 化粧箱入り」(500g)
価格:¥11,400(税込)
店名:根室杉山水産
電話:0120−788−776 (9:00〜18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kk-sugiyama.co.jp/products/detail.php?product_id=23
オンラインショップ:https://kk-sugiyama.co.jp
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
杉山 建(株式会社根室杉山水産 代表取締役社長)
1960年北海道根室市生まれ。飲食業関連の企業を経て、1988年に株式会社マルナカ杉山水産へ入社。1998年、同社常務取締役に就任。2016年3月に株式会社根室杉山水産を設立し、代表取締役社長に就任。「深刻になるな、真剣になれ」。コロナ禍にあって、つねにこの言葉を胸に刻み、経営にあたっている。
<文・撮影/鈴木裕子 MC・撮影/津田菜波 画像協力/根室杉山水産>