「元気でいるためにおいしい牛肉を食べよう！」と決意したアッキーこと坂口明子編集長が注目したのは兵庫県の三田牛。中でも飼育から販売まで一貫して手掛けている「三田マルセ牛」ブランドのお肉は繊細な肉質と濃厚な風味で有名です。同社の肉のおいしさの秘密を「肉のマルセ」でおなじみの株式会社勢戸 代表取締役、勢戸章示氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社勢戸 代表取締役の勢戸章示氏

―社長は御社の3代目ですね。

勢戸　そうです。当社は私の祖父が第二次世界大戦中に疎開して三田に来て牛を飼い始めたのが始まりで、1974年に勢戸精肉店として開業しました。父の代には子牛を買って預けて飼育してもらう形をとっていましたが、さらに安定して牛肉を供給するために、自ら牧場を経営して牛を育てる畜産業を並行で行うようになりました。現在は飼育から卸売、直営店での販売、またレストラン経営までを一貫して行っています。

―社長は毎日、どんなスケジュールなのでしょう。

勢戸　なかなか忙しいですよ（笑）。朝はまず販売店とレストランに行って開店に立ち会い、次に牧場に行って牛の体調をチェックします。そしてまた店に戻って仕事をして、また夕方には牧場に行って牛を触る・・・そんな毎日ですね。販売店が休みの日は朝から牧場に行って牛を飼育していますから休みなしで動いていますね（笑）。

―そもそも三田牛の定義とは何ですか？

勢戸　三田牛の素牛は但馬牛です。但馬牛は兵庫県産の黒毛和牛で血統が3代前までさかのぼれることなどの厳密な規定の下で育てられた牛です。但馬牛の子牛を私たちのような生産農家が買いつけ、これも生後28か月以上飼育するなどの規定の下で飼育された牛が三田牛です。肥育から流通については三田肉流通振興協議会が認定するなどで関わり、管理されています。近隣に但馬牛の繁殖農家が少なくなった現在、当社では出来るだけ但馬牛の子牛を仕入れ、足りない頭数を純粋な血統を探して長崎や石垣島まで行き、但馬血統牛の子牛を買いつけています。

三田の寒暖差のある気候がおいしい牛肉を作る。

―「三田マルセ牛」のおいしさの秘密は何でしょう？

勢戸　気候と水に恵まれた環境で育っているということですね。三田は盆地なので朝は寒く、昼は温かく、また夜になると冷えこみます。この寒暖差がある気候は、牛が皮膚呼吸するバランスを整え、大きく育つことに役立っています。牛が飲む水は武庫川水系の地下天然水を掘り上げています。夏はキリッとして冬は体にやさしいまろやかな水質が特徴です。ですから、当社の牛肉は牧場で育つ中で自然においしく味つけされているようなものですね。
えさも選んでいます。稲わらは三田の地元農家のものを中心に安心・安全な日本産のわらを使っています。肉に甘味を与える小米も三田産です。麦、ふすま、トウモロコシなども昔ながらの当社独自の配合で与えています。
また、1日2回は牛の皮膚をブラッシングします。ていねいにブラッシングすることでストレスなく育ち、まろやかな脂が生成されます。

さしがきれいに入った「三田マルセ牛肉」。
濃厚なコクがありながら脂はあっさりとしてお腹にもたれないのが特徴。

―ていねいに飼育なさっているのですね。

勢戸　はい。「私たちは牛の命をいただいて仕事をしているので、だからこそおいしいものを作れ、おいしいものを作れば必ずお客様に喜ばれる」というのが私の父の教えです。この教えに従って牛に感謝して、おいしい牛肉をつくるのが私たちの使命だと思っています。全国のレストランやゴルフ場への卸業もしていますが、お店との信頼関係を大事にお取引させていただいています。

「自宅用三田マルセ牛特選すきやき」は、すきやきにするのはもちろん、
さっと焼いて塩でいただくのにぴったり。

―今回、紹介していただく「自宅用三田マルセ牛特選すきやき」はどんな商品ですか。

勢戸　「三田マルセ牛」の特徴である濃厚なうま味のやわらなかロース肉をご家庭用で楽しんでいただける商品です。「三田マルセ牛」は濃厚な割に脂はあっさりしてお腹にもたれないのが特徴です。さきほども言ったように、牧場で気候と水とエサですでに味つけしているような肉なので、召し上がるときは、調味料をあまりつけず、さっと焼いて塩だけ、またおしょうゆをさっとかけるぐらいで食べていただいて、肉の風味を味わっていただけたらと思います。

「贈答用　自家製ハンバーグ（冷凍・6個入）」は1個140g。
冷蔵庫で解凍して中火で両面を焼いた後、弱火で火を通す。
ジューシーな味わいが堪能できる。

―「贈答用　自家製ハンバーグ（冷凍）」はどんな商品でしょうか。

勢戸　こちらも当社の人気商品です。三田マルセ牛の挽き肉と、甘い淡路島産たまねぎをふんだんに使った贅沢バンバーグです。贈り物にぴったりだと思います。
淡路島では毎月、子牛市が行われていて、私も参加しますが、そのときにたまねぎも仕入れてトラックに載せ、明石海峡大橋を通って帰って来ます。1度に約150㎏のたまねぎを仕入れる感じですね。またハンバーグのタネにはマルセ牛のサーロインの背油も入れているので、焼き上がりがジューシーで甘いハンバーグが楽しめます。こちらもケチャップやソースなどの調味料はあまり添えず、そのまま召し上がっていただきたいですね。

―御社の今後の展望をお聞かせください。

勢戸　これからもおいしい牛肉を提供したいですね。物価が高騰していますが当社はほとんど価格を上げておりません。コストダウンを図りお客様に喜んでいただきたいです。

牛肉の質もさらに追求したいです。父が「昔はある家がすき焼きをすると両隣りの家は『隣は今日はすき焼きだな』とわかったものだ」と言っています。昔の牛肉の方が香りがあったようですね。それを聞いて、今、昔のエサを調べてしっかりとした肉の匂いがある牛肉ができないかと試しています。釜で麦を炊いたり、酒粕を入れるなど工夫しています。

―新店舗も計画中だそうですね。

勢戸　現在、道路を隔てて精肉店とレストランがありますが、それらを一体化し、新店舗として開店する予定です。精肉店でお肉を買って頂いた方に、その場でお肉を召し上がっていただきたい、またレストランでお食事を召し上がった方にお土産にお肉を買っていただきたいと思っていましたので。2024年3月に開店する予定ですので近くの方はぜひお越しください。

―本日はおいしいお話をありがとうございました。

「自宅用三田マルセ牛特選すきやき」
価格：500g入 ¥8,380、800g入 ¥13,040、1kg入 ¥16,150（すべて税込）
店名：肉のマルセ オンラインショップ
電話：079-568-0298（9:00～18:00 火曜休）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.maruse.biz/online-shop/products/detail/227
オンラインョップ：https://www.maruse.biz/online-shop/

「贈答用 自家製ハンバーグ（冷凍・6個入）」
価格：¥3,470（税込）
店名：肉のマルセ オンラインショップ
電話：079-568-0298（9:00～18:00 火曜休）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.maruse.biz/online-shop/products/detail/225
オンラインョップ：https://www.maruse.biz/online-shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
勢戸章示（株式会社勢戸 代表取締役）

1975年兵庫県三田市生まれ。先代より「肉のマルセ」を後継。祖父の代から畜産を始め、神戸牛・三田牛・オリジナルの三田マルセ牛を育てている。数々の賞を受賞。2024年3月に新店舗をオープン予定。

＜文・撮影／今津朋子　MC／鯨井綾乃　画像協力／勢戸＞