豊かな香りでくつろぎの時間を演出してくれるアイテム、コーヒー。こだわりの自社焙煎珈琲で、地元北海道のみならず、全国の多くのコーヒー好きを惹きつけているのが、株式会社アトリエ・モリヒコが運営する「MORIHICO.」です。札幌市郊外の古民家を改装したレトロな本店・森彦をはじめ、10数店舗を展開している北海道屈指の人気カフェ。今回編集長アッキーこと坂口明子が気になった同社代表取締役の市川草介氏に、商品へのこだわりや開発への思いなどを伺いました。
札幌の人気カフェ自慢の中深煎りコーヒーと憩いのひと時を「森の雫」&「ガトーフロマージュ」
2023/04/26
株式会社アトリエ・モリヒコ 代表取締役の市川草介氏
―最初に会社の沿革を教えてください。
市川 創業は1996年で、最初の店舗は札幌郊外の住宅街で産声を上げました。もともと私と父は店の近くにデザイン事務所を構えていまして。その縁で築50年近い古民家を借り、喫茶店に改装したのが始まりです。
4、5年経った頃から自家焙煎に着手し、2006年、札幌の中心地に向かう市電の沿線に2号店「ATELIER Morihiko」をオープン。ちょっとモダンな建物で、本店と異なる内装やインテリア、パッケージデザインにし、これに続く店舗もそれぞれコンセプトを変えています。
赤いトタン屋根、壁に絡まるぶどうの蔓が印象的な森彦は、戦後間もなく建てられた木造民家を市川社長が家族と共に改装。
どこか懐かしさを覚える空間で、出窓を訪れる野鳥の姿や窓辺の景色を眺めながら、
自社焙煎コーヒーやスイーツを味わうことができる。
―今回「森の雫」をご紹介いただいています。
市川 「森の雫」は本店・森彦のショップブレンドで、モカがベース。かつて森彦でしか飲めない・買えないコーヒーでしたが、コロナ禍で森彦に行けないお客様からの要望が多く、特別にネット販売することになりました。
―商品の特徴や生まれた背景は?
市川 一番の特徴は、エチオピア産をふんだんに使っているのもさることながら、中深煎りという酸味も苦みも少ない、いいとこ取りの焙煎であること。北海道、特に札幌は自家焙煎の店が多く、中でも深煎りのコーヒーをネルドリップでじっくり蒸らした一杯を提供するいい喫茶店が今もたくさんあります。夏でも汗をかかず、酸味をあまり必要としない土地柄、深煎りが根付いた中で店の独自性として名物コーヒーをということで、この商品が生まれました。
「森彦」の原点ともいえる人気のコーヒー「森の雫」。
市川社長が特に思い入れがある銘柄という「モカ」がベースの特別なブレンド。
焙煎の中でも取り出すタイミングが難しいという中深煎りで、香り高く、苦みと甘みが共存した味わいに仕上げている。
―「森彦」らしいコーヒーの基準は?
市川 コーヒーに限らず大抵のものは素材を超えられません。素材を100点とすれば、それをいかに調理して100点に近づけて提供するかに尽きますが、コーヒーは全工程がベストでないと近づけない。だから独自のルールを設け、そのガイドラインに沿って作っています。
また私はいつも「コーヒーは環境で作られる」と言っていますが、北海道の冷涼でからっとした気候はコーヒーの焙煎にぴったりなんです。この環境と、徹底的に素材をリスペクトした物作りがあいまって、お客さんが口に含んだときに今まで飲んだことがないような体験をするのではないかと思います。
―「森の雫」を楽しむ上で気をつけることは?
市川 コーヒーは、煎り方により抽出温度が違います。「森の雫」で一番注意してもらいたいのは85度のお湯にすること。ポットのお湯が沸いたら氷を2片ぐらい加えて温度を下げてください。沸騰したお湯だと苦いコーヒーになります。
コーヒーは「日本茶で言うと、浅煎りは煎茶、深煎りは玉露のようなもの」だとか。
深煎りになるほどコーヒーを淹れるお湯の温度は低めに。
―次にご紹介の「ガトーフロマージュ」。店舗でも売られているものですか?
市川 そうですね。当社の製菓部門で作っているケーキの中でも、歴代のパティシエに伝わっているレシピです。普通のチーズケーキのつもりで頼まれると、皆さん一様に驚かれます。ニューヨークチーズケーキとは正反対のタイプのスフレ生地で、口どけから何から今まで体験したことのないようなチーズケーキ。好きな方は1人で1ホール食べられます。
パティスリー「Marie Pierre」。「ガトーフロマージュ」をはじめ、カフェで提供されるケーキや焼き菓子はここで作られている。
―すごいですね。
市川 実は作り方が非常に難しく、昔ながらのブリキ型でないと焼けません。材料も北海道産にこだわり、できる限り使っています。
20年間お店で愛されている一番人気のチーズケーキ「ガトーフロマージュ」。
口の中でしゅわっととける食感、チーズのコク、生クリームの控えめな甘さ、タルト地の塩気のバランスが絶妙。
森彦でも「森の雫」と一緒にオーダーする常連が多いという。
―ありがとうございます。最後に読者の方にメッセージを。
市川 一度お取り寄せで体験されたら、その味を確かめにぜひ森彦までお越しいただきたいですね。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!
「森の雫【中深煎りコーヒー】」(200g/アラビカ豆100%)
価格:¥1,674(税込)
店名:アトリエ・モリヒコ オンラインショップ
電話:011-876-8608(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://morihiko-ec.shop-pro.jp/?pid=145886570
オンラインショップ:https://morihiko-ec.shop-pro.jp/
「森彦のガトーフロマージュ ホールケーキ」(直径15cm)
価格:¥2,700(税込)
店名:アトリエ・モリヒコ オンラインショップ
電話:011-876-8608(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://morihiko-ec.shop-pro.jp/?pid=110179527
オンラインショップ:https://morihiko-ec.shop-pro.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
市川草介(株式会社アトリエ・モリヒコ 代表取締役)
東京生まれ。少年期の殆どを野で過ごす。造形デザイン研究所グラフィックデザイン科卒、東京デザイナー学院インダストリアルデザイン科卒、株式会社フィールドノート/デザイナー、凸版印刷株式会社メディアセンター/アートディレクター、1996年森彦創業(29歳)、2007年株式会社アトリエ・モリヒコ設立。
MORIHICO. CEO/アートディレクター
世界中を旅してコーヒー&ローカルカルチャーをインサイト(洞察)。
<文/山本真由美 撮影/中井シノブ MC・撮影/石井みなみ 画像協力/アトリエ・モリヒコ>