名古屋の喫茶店文化を継承する会社が「本物」にこだわって開発したロールケーキに、着目。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったプチルアン株式会社 代表取締役社長の近藤良久氏に、取材陣が伺いました。
卵生地とフレッシュクリームをシンプルに味わう「覚王山ロール」
2023/05/25
プチルアン株式会社 代表取締役社長の近藤良久氏
―「覚王山ロール」開発の背景をお聞かせください。
近藤 祖父が喫茶店を創業、父、そして私と順番に継いできました。祖父の時代はケーキ喫茶として、ケーキセットをメインにしていたようです。
1999年、私の入社当時はヘルシーブームで、世の中に甘すぎるものへの抵抗感が出てきました。さらにはリーマンショックや東日本大震災などが起き、日常的にケーキを楽しむ生活が贅沢にも感じられるように。そこで父は、昔ながらの純喫茶へと業態変更をしました。
メニューは、スパゲティナポリタンやオムライスなどの、懐かしい味。デザートにおしゃれなケーキセットが似合わなくなり、父は、レトロな雰囲気にもマッチするロールケーキに着眼しました。
―レシピ開発はどのように?
近藤 ご縁があって、ロールケーキの火付け役となった有名商品の考案者に基本的なレシピを教わることができました。それを、うちなりにアレンジしてあります。
―こだわりのポイントを教えてください。
近藤 1つには生クリームです。生乳のみを原料とした乳脂肪分45%の生クリームを使い、乳化剤や保存料は無添加。10種類近くのクリームや配合を試して、最上と思った物を使っています。濃厚なミルク感がありながらふんわりしているので、重く感じることなく食べられます。
生地の特徴はしっかりとした「卵感」。一般的なロールケーキ生地に比べると卵黄の比率が高いのです。高温短時間でしっとりと焼き上げています。
卵の風味をしっかり感じられる生地にミルキーなクリームがたっぷり。
名古屋で覚王山という土地は、昔ながらの高級住宅地。歴史あるお寺の参道はレトロな商店街である一方で、スタイリッシュなスイーツショップも増えています。そんな土地の名を冠するのに相応しく、「本物」であるため、シンプルな材料を使って作っています。
名古屋の高級住宅地「覚王山」の名を冠したロールケーキ。
―喫茶店も覚王山に?
近藤 会社が覚王山にあり、店舗は愛知県内で別の場所に展開しています。社長就任後まもなくコロナ禍に入ってお客様が激減。モバイルメッセンジャーアプリを活用したり、ロールケーキの通販を始めたりと工夫しています。
名古屋には、独特の喫茶店文化があります。ビジネスミーティングや面接が行われたり、喫茶店友だちができたり、昼休みや昼食後喫茶店に移動しコーヒーを飲んでからオフィスに戻ったり。今はコンビニで100円出せばコーヒーが飲める時代ではありますが、コミュニティとしての喫茶店文化を残したいと思っています。
原材料の高騰は続いていますが、価格を抑える企業努力をしつつ、受け入れてもらえるように価値を高める努力もしていくつもりです。
くつろぎのティータイムを、喫茶店でも自宅でも。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「覚王山ロール」(冷凍配送)
価格:¥1,730(税込)
店名:ガトールアン 楽天市場店
電話:052-752-0310(9:00~18:00 水曜定休日)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/gateourouen/10000011
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/gateourouen/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
近藤良久(プチルアン株式会社 代表取締役社長)
1976年愛知県生まれ。1999年プチルアン株式会社に入社。2019年に同社代表取締役社長に就任。
<文・撮影/植松由紀子 MC/鯨井綾乃 画像協力/プチルアン>