生産者に寄り添い、こだわりをお届けする「北海道新発見ファクトリー」。道の駅を愛してやまない竹内氏が、地元密着で運営している食のセレクトショップです。今回は、その絶品すぎるバスクチーズケーキと特製スコーンに、編集長アッキーが注目!ここにしかない美味しさの裏側を、取材班がたっぷりとお伺いしてきました。
生産者さんの味をダイナミックにお届けする、アンテナショップ「北海道新発見ファクトリー」。ここにしかない、絶品!バスクチーズケーキとスコーン
2023/06/08
株式会社タクミナフード 代表取締役 竹内工氏
―御社の成り立ちを教えていただけますか?
竹内 タクミナフードは、私が代表として始めてから、約11年になります。
私自身はもともと「すかいらーくグループ」のレストランに10年ほど勤めていました。その後、飲食のコンサルや店舗展開などを担当していたのですが、その時に東日本大震災が起こったんです。被害を受け、東北70店舗ほどを閉めることになりました。しばらくは計画停電などもあり、人々は自粛モードで、外食産業は低迷が続きました。当時はどうしても、人と食材のリストラをせざるをえませんでした。
一方でその頃、仕事とは別に、個人的に一次産業の応援活動をしていたんです。収穫体験ツアーとか漁師体験ツアーとか、農家さんの婚活ツアーなど、ボランティアで運営していました。
個人ではそういった活動をしている一方で、会社としてはコストカットに走るしかない。真逆のことをやらなければならなくなりました。つまり、生産者さんに価格を下げてほしいと交渉するしかなかったんです。それでは常に現場で頑張っている生産者さんを更に追い詰めることになってしまいます。
ジレンマを抱えていたときに、たまたま北海道とのご縁をいただいて、より生産者さんと近いつながりが持てるのならと、思い切って会社を立ち上げました。
―社長の一念発起だったのですね。現在の事業内容を教えてください。
竹内 ざっくりではありますけれど、今やってることは、北海道のアンテナショップの運営です。北海道には有名なお菓子などがたくさんありますが、それだけではなくて、もっと掘り起こしたいと思っていました。
個人的に道の駅が好きなんです。農家さんが作ったお菓子とかお弁当とか、いろんなものが置いてありますよね。そういったものを日本全国の人たちに召し上がっていただきたいと思い、アンテナショップの運営と通販サイトを始めました。
「北海道新発見ファクトリー」のECサイトより。
おなじみの名品から、ここにしかない一品まであり、ウェブ上の物産展のよう。
―食のセレクトショップのようなものでしょうか?
竹内 そうですね。自社で作っているものもありますが、本当にこだわっている生産者さんのものを、なるべくたくさん通販サイトでご紹介するようにしています。
ただ、サイトに載せるだけで売れるわけではないので、物産店の運営などもしています。百貨店だけではなく、大手スーパーのモールであるとか、色々なところで北海道物産展を行い、有名ではないけれど、本当に美味しさにこだわっていて、量はそんなに作れないようなものも、試食販売をしながら紹介させてもらっています。少しずつですが、生産者さんの応援という形で関わらせていただいている感じです。
それに付随して、野菜や果物といったものを、本州の飲食店に食材として卸したりもしています。北海道の商品を、海外というより、私は日本全国の方に召し上がっていただきたいと思って、日々仕事をしています。
―生産者さんの支援をしたいと思ったきっかけはあったのでしょうか?
竹内 16歳のときに、沖縄の石垣島に初めて行ったんです。このときに、自然や海の輝きに魅了されました。地元の人とご飯を食べたり、いろいろ回ってる中で、当時から環境問題だったり、生産者さんの苦労話だったりを、年配のおじいやおばあから伺いました。すごく感銘を受けて、何かいずれそういったことに関わりたいと思ったのが、一番最初のきっかけです。
それからも何かしら外食産業にいたものですから、生産者さんのところに足を運ぶことが多かったので、仕事の話もしながら雑談をしていると、「実は嫁がいなくて困ってるんだ」とか「次の後継者がいない」とか、「手が足りなくて困ってる」とか、そういうお話を伺うことがありました。だったら人を集めて手伝いましょう、という話になり、私も収穫を手伝ったりしていました。とても楽しい経験になり、これはやらない手はないなと思いまして、それ以来、仲間と一緒に支援活動を続けていました。
―そんな社長が今回ご紹介くださったのは、バスクチーズケーキです。
竹内 これは畑違いなのですが、IT関係の会社を運営している友人の発案なんです。ちょうどバスクチーズケーキが出始めのころで、何かより美味しいものを作りたいよね、っていう話になりました。
すごく貪欲な人で、日本のバスクチーズをそれこそ全部取り寄せたり、全国に食べに行ったりして、400種類以上を集めて分析して、美味しさを全て数値化しました。それから知り合いの有名なパティシエに開発を頼みまして、もう100回ぐらい試作して、ようやく出来上がったものになります。
テーマとしては、とにかく美味しいもの、そして健康であること。そのため、グルテンフリーにしたり、添加物も一切入れていません。
素材にこだわった完全に手作りの品なので、量産はできません。焼き上げる数も1日に数十個と決まってしまってはいるんですけれども、その分おかげさまで評価いただき販売させてもらっています。
どっしりと迫力すら感じる「熟成バスクチーズケーキ」。
一言でフワッともトロッとも言えない食感、濃厚かつ爽やかな今まで食べたことのない美味しさ。
まさに絶品です。
―2段熟成ということですが、具体的にはどんな製法ですか?
竹内 クリームチーズは北海道産だけでなく国産のものが10種類ぐらい入ってるのですが、これを混ぜ合わせてから24時間寝かせて、焼く前にまた更に熟成させています。
例えば肉などを熟成させるのと一緒なんですけれども、旨味ってすぐ作った方が美味しいものもあれば、熟成させた方が糖度が出たりと旨味が増すものもあるんです。そういう発想をもとに作ってみたところ、非常にうまくできました。それで、1回作って流してから、もう1回寝かせて焼き上げるという形をとっています。
―グルテンフリーというのもポイントですね?
竹内 思った以上にグルテンフリーを気にされてる日本の方は多かったです。ネットで調べて我々のサイトにたどり着き、購入される方も少なくありません。
「無添加」もポイントです。実は、日本では添加物の基準が、ヨーロッパなどに比べると甘いんです。「無添加」と書いてあっても、それは日本の基準で無添加であって、ヨーロッパや世界基準にすると記載しなければいけないものもたくさんあるんですね。このケーキは世界基準的にも無添加です。
たまたま発案者の友人に子供が生まれて、その子たちに安全安心なものを食べさせたいという思いから作ったという経緯もあります。
―ケーキなのにワインにも合うとか?
竹内 冷たいままなら白ワイン、少し温めると赤ワインと相性がいいです。胡椒をかけても美味しいです。甘さを足したいなら、蜂蜜もおすすめです。アカシアの蜂蜜とか、私は好みです。あとは意外かもしれませんが、オリーブオイルをかけていただくと味変になり、また美味しさが増しますよ。
胡椒をふって白ワインとともに。
甘党だけでなく、お酒好きな方にもぴったりで、多くの人に喜ばれそう。
―冷凍でのお届けとなりますが、解凍のコツはありますか?
竹内 基本的には冷凍庫から出して冷蔵庫でゆっくり解凍してください。
アイス状態で召し上がっていただいてもいいのですが、一番我々がおすすめしてるのは冷蔵庫でじっくりと解凍して、外も中も一緒の状態で召し上がっていただくのが一番だと思います。大体8時間から12時間ぐらいで溶けると思いますので、お召し上がりいただく前日の夜に解凍するのがおすすめです。
―もう一つ、スコーンとクロテッドクリームもご紹介いただきました。
竹内 これは、「十勝しんむら牧場」というところのものなのですが、とにかく美味しいんです!
元々ミルクジャムが有名な生産者さんなのですが、伺ったときに当然「牛乳が美味しいからぜひ飲んで」って言われたんですね。実は僕、牛乳がダメだったんです(笑)。でも、「いや、とにかく飲んでほしい」って言われて飲んでみたんです。そうしたら、今までの牛乳とは全然別物でした!とにかく美味しくて、感動したんですよね。
どうやって作っているかというと、要するに昔ながらの製法なんです。今日本の牛乳は日持ちさせるためだとか、法的にも殺菌をしなければいけないとかの制限があるので、実はどんどん味を壊してしまっているんです。それが、「十勝しんむら牧場」さんだと本来の美味しい味のままなんです。
「十勝しんむら牧場」の牛乳。
昔ながらの製法で生産されている。
―まず牛乳が違うのですね。
竹内 牛の環境、育て方も違います。ものすごく広大な土地で牛にとって一切ストレスがない環境で育てているので、それがやはり美味しさに通じるようです。
その牛乳を飲んだのがきっかけでジャムの取引が始まったときに、その場で「こんなのもあるよ」と、スコーンを出されたんです。「これもこだわって作っていて自信あるから食べてみて」って言われて。実は、スコーンを食べたのは初めてだったのですが、非常に美味しかった。
要するに、無駄なものがあまり入っていないんです。ミルクジャムとも相性が良くて、これはぜひセットで販売したいということで、ミルクジャム、クロテッドクリームと一緒にセットを作って販売させてもらっています。
スコーンとクロテッドクリームのセット。
ミルク本来の美味しさが詰まった、「十勝しんむら牧場」でしか作れない商品。
―クロテッドクリームというのも珍しいですね?
竹内 日本で作っているところが非常に少ないんですよね。なぜかというと、ものすごく手間暇がかかるんです。賞味期限もあまり長くないですし、それで生産される方も手をつけないというのが実情のようです。
手間をかける上に、「十勝しんむら牧場」の牛乳を使って作りますから、やっぱり全然別物なんですよね。ベースの牛乳になるべく余計なものを入れずに作っていて、それが一番素朴に美味しくできる要因だと思っています。
クロテッドクリームだけを月に10個とか20個とか買われる方もいらっしゃいますし、リピーターもかなりいらっしゃいます。
クロテッドクリームをたっぷりとスコーンに塗って。
バターのような生クリームのような、なんとも言えない贅沢さに感動。
―最後に、今後の展望についてお伺いできますでしょうか?
竹内 まだまだ知られてない商品や、今生まれようとしている商品が、日本全国にあります。その中でも特に北海道に特化して、北海道の美味しいものをとにかく知っていただきたい。
大体月の半分ぐらい北海道にいて、商品探しをさせてもらっています。お菓子だけじゃなくて、例えば日本酒、ワインなど、いろいろな生産者さんがいるので、そういったところを回って見つけてお話させていただき、うちに出してもらうということを、これからも続けていきたいと思っています。よそでは買えない、本当にこだわった珍しいものを召し上がっていただけるような通販サイトにしていきたいです。
何か1つの商品をきっかけにして、そこの生産者さんに会いに行きたいとか、その場所に行ってみたいと思ってもらえることが、一番だと思ってるんです。その土地に行って食べたら、また違った感動が生まれますので。
どうしても旅行というと海外になりがちですが、日本の中にもまだまだ良いところがたくさんあります。そこに足を運んでいただくためのお手伝いにもなりたい。
やはり生産者さんの話を聞かないとわからないことって、いっぱいあるじゃないですか。そういったことを伝えるのは我々の役目だと思っていますので、そのために日々努力しております。
―御社のECサイトを見ていると、まだまだ知らない北海道の魅力に出会うことができそうです。ありがとうございました!
「熟成バスクチーズケーキ」
価格:¥5,380(税込)
店名:北海道新発見ファクトリー
電話: 0123-25-6336(平日10:00~19:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/hokkaidotown/basque001/
オンラインショップ:https://item.rakuten.co.jp/hokkaidotown/
「十勝しんむら牧場 スコーン(3個入)×3袋と
クロテッドクリーム1個のセット」
価格:¥5,590(税込)
店名:北海道新発見ファクトリー
電話: 0123-25-6336(平日10:00~19:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/hokkaidotown/shinmura002/
オンラインショップ:https://item.rakuten.co.jp/hokkaidotown/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
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竹内工(株式会社タクミナフード 代表取締役)
1970年秋田県生まれ。約20年間、すかいらーく系列の外食産業での経験を経て、2012年株式会社タクミナフードを創業。「食を通じて日本を元気に!」をモットーに様々な食に関わる事業を展開。現在は北海道を中心とした安心・安全・美味しい商品や食材を店舗、通販や日本各地で開催される北海道物産展を通じて日本全国にお届けしている。
<撮影・文・尾崎真佐子 MC/橋本小波 画像協力/タクミナフード>