秋になったら、やっぱり食べたくなる〝新米″。収穫されたばかりのツヤのあるもっちりとしたご飯は、食欲を増進させます。主食だからこそ、もっとおいしいお米を食べたいと思いませんか? 日本には、現在500品種以上もの米があるそうです。なのに、同じブランドをリピートして選んでいるという声はよく聞きます。では、肉はいつも同じ産地ですか? 野菜は? 食材を買うときはいつも考えて選んでいるはず。
もっとおいしいものを食べたいけれど、種類がたくさんあってどれが良いの分からない、という方のために、いまイチオシの米をご紹介します。
おいしいお米を発見! 新米の季節到来、注目のサラブレッド米を食べよう
〝食べる匠″がおいしさを追求し生産、販売
『米・食味鑑定士』を知っていますか? 食べる匠ともいわれ、味の鑑定はもちろんのこと、安全な品質や環境に負荷をかけない生産方法、適正値段の判断など、米についての幅広い知識を持っている資格者です。
この有資格者の中でも、米・食味鑑定士コンクールにおいて米を吟味する30名の選定者に選ばれている向後雅秀さんは、おいしい米を消費者に食べてもらうため、販売だけではなく生産も行っています。
向後さんが経営する株式会社向後米穀は、千葉県山武郡にあります。この地域は、徳川家献上米を生産していた歴史ある場所としても知られ、昼夜の気温差が大きいことから、甘みのあるおいしい米が育つといわれています。
「どこよりもおいしい米を千葉県で栽培したいという思いから、この地に生産する会社を立ち上げました」と向後さん。その思いを形にした農業生産法人 理想郷は、千葉大学の研究チームとともに、有機肥料や栽培技術の研究を行い、食味の良い米の栽培を追求しています。
その研究と努力が実を結び、「約10年有機肥料を使い続けたことで、水田は有機土壌に変わりました。有機栽培によって丈夫な稲に育ち、害虫にも強くなったことで減農薬になり、体にやさしい安全なお米に育っています」。
コンクールで高得点を得ているサラブレッド米
向後さんがイチオシしてくれたのが、『ミルキークイーン』。コシヒカリを改良してつくられたサラブレッド米で、米・食味コンクール国際大会で毎年高得点を得ています。全国各地で栽培されている品種ですが、理想郷で栽培されたミルキークイーンはほかの産地のものとは違う、というお客様の声が多いそう。それは、米を知り尽くした鑑定士が、土からこだわって栽培しているからでしょう。ツヤがあり、もっちりとし、粘りが強く、食味が良く、冷めたあとも硬くならないというその特徴は、コシヒカリの良い点がパワーアップされているともいえます。また炊き立ての香りもおいしく、土鍋のふたを開けた途端に、もち米のようなふくよかな甘さがふわっと広がります。
炊き立てはもちろんですが、冷めてからいただくおにぎりもおすすめ。また、パサつきがちな炊き込みご飯でも、しっとりとモチモチの食感が残るので、秋の行楽弁当やパーティにはぴったり。おいしいだけではなく、安心して食べられるお米こそ、リピートしたいものです。