北海道といえば、ミルクや小麦の産地でもあり、スイーツ激戦区として全国的に知られています。中でも、「わらく堂」は、道民にはよく知られた存在。もともとは浅草の和菓子店がルーツだという「わらく堂」が、北海道の地で「和っぽいケーキ」でブレイクするまでを、代表取締役の関根健右氏にお伺いしました。
スイーツ激戦区の北海道で300万本の大ヒット!「わらく堂」の「どこにもない」和っぽい洋菓子
2023/09/27
株式会社わらく堂 代表取締役 関根健右氏
―札幌の人は子どもの頃から「わらく堂」に馴染みがありますが、店名の由来を教えてください。
関根 私の父で創業者の関根武は、1966年ごろに浅草から札幌へ引っ越してきまして、1974年に会社を設立し、人形焼などを催事で製造・販売する仕事をしていました。
実は、父は双子だったんです。兄の方も同じような仕事を近くでしていまして、そちらが「和楽堂」と漢字の屋号を使っていたので、うちは「わらく堂」とひらがなにしました。残念ながら叔父は早くに亡くなってしまったのですが、弊社の店名はそのまま、ひらがなです。
―もともとは和菓子などを製造・販売されていたのですね?
関根 大福やお団子、大判焼き、たこ焼きなんかも扱っていたことがあります。札幌三越におこわのお店を出していたこともあります。
―2代目となる関根社長は、33歳の若さで継がれたとか?
関根 若い時は継ぐつもりはなくて、宣伝の仕事に興味があったので、広告代理店の営業としてサラリーマンをやっていました。25歳の時に父が大病したこともあって、手伝うつもりで入ったのですが、いつの間にかここまできてしまったという感じです。ただ、早くに継がせてもらって、新しいことができたのはありがたかったと思っています。
―洋菓子「スイートオーケストラ」ブランドを立ち上げた経緯は?
関根 2000年にスイートポテトを開発したのですが、スイートポテトって、和でもあり洋でもあるお菓子ですよね?北海道はあまり和菓子の文化がないのですが、和のテイストを入れた洋菓子なら、他とは違うどこにもないものができるのではないかと発想したんです。
2002年に「スイートオーケストラ」ブランドを立ち上げて、2004年にホールケーキを販売したところ、百貨店さんなどから大変たくさんの引き合いをいただきました。洋菓子は和菓子に比べると手間がかかり、大量生産はできないのですが、商品にこだわってよかったと思っています。
札幌市白石区栄通にある、「スイートオーケストラ」本店。
―移り変わりの激しいスイーツ業界で、人気を保ち続ける秘訣はなんでしょうか?
関根 「何事も経験だよね」とよく朝礼でも話すのですが、「チェンジにチャレンジ」が大切だと思っています。コロナ禍で、物産展などは全部なくなりました。でもそれならその変化に対応していくしかないです。挑戦したおかげで今がある、と思っています。
―ご紹介いただいた「おもっちーず」は、メディア紹介も多いヒット商品ですね?
関根 日本を代表するチーズケーキってなんだろう?というのが出発点でした。ニューヨークチーズケーキとかマンハッタンチーズケーキとかはあるけど、ジャパニーズチーズケーキというのはない。日本ってなんだろう?と考えたら、お餅にいきつきました。
ふわふわふわもちもちで伸びるチーズケーキ。
なんとも不思議な他にはない食感です。
―もちもち伸びるチーズケーキ、すぐに開発できたのでしょうか?
関根 いえ、なかなかうまくいきませんでした。正直なところ、開発チームは諦めかける場面もありました。そんな時に、2011年の東日本大震災が起き、「頑張ろう日本」という思いから、なんとか担当に頑張ってもらって、ようやくできあがりました。現在までに300万本ほどを売り上げています。
ころんとしたフォルムもかわいい。
これがお餅のように伸びるとは思わず、
お土産にした時にもサプライズ感がある。
―日本を応援したい、地元を応援したいという気持ちが根底にあるのですね?
関根 それはありますね。2021年に「ミルクず餅」を開発したのも、コロナ禍に給食需要が減り、牛乳が廃棄されていると聞いたからです。地元北海道の牛乳をたくさん使ったお菓子を開発することに取り組みました。水の代わりにミルクを使用したくず餅です。
「ミルクず餅」は、北海道の牛乳をふんだんに使った濃厚なくず餅。
きな粉をまぶしていただきます。
―「札幌シロクマパフェ大福」は新商品ですね?
関根 こちらは、札幌の「しめパフェ文化」をスイーツで表現したものになります。鹿児島のかき氷「白くま」が頭に浮かんで、先にネーミングをしてしまったので、クマ型になりました。「ミルクず餅」と同様に、ミルクでモチモチの大福にしたいと思ってできたものになります。
パフェなので、中には4種のフルーツとスポンジ、これらをクリームに入れて冷凍し、白餡と「ミルクず餅」でさらに包んであります。パフェのように、いろいろな味のバリエーションを楽しんでもらいたいと思います。
見た目も可愛いので贈りものにも良いかと思います。可愛くて、食べたらいろいろな味がする驚きがあり、”映え”も意識していますから、ぜひSNSにもアップしていただきたいです。
見た目のキュートさに、まずはほっこり。
柔らかい牛乳のお餅、フルーツの酸味、スポンジの食感などが
口いっぱいに広がって、パフェの楽しさを味わえます。
―今後の展望をお聞かせください。
関根 原点に戻って、和菓子ブランドを立ち上げたいと思っています。もともとは和菓子をやっていたので、今度は、日本を代表する和菓子を作れたら、と考えているところです。
―またもや他にはない面白い商品ができそうで、ワクワクします!貴重なお話をありがとうございました。
「おもっちーず」(6個入り×1本)
価格:¥1,280(税込)
店名:わらく堂らくうるショップ
電話: 0120-11-3126(10:00~18:00 年中無休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hokkaido-crafun.com/item-detail/754131
オンラインショップ:https://hokkaido-crafun.com/
「札幌シロクマパフェ大福」(6個入り)
価格:¥3,500(税込)
店名:わらく堂らくうるショップ
電話: 0120-11-3126(10:00~18:00 年中無休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hokkaido-crafun.com/item-detail/1368240
オンラインショップ:https://hokkaido-crafun.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
関根健右(株式会社わらく堂 代表取締役)
1975年北海道札幌市生まれ。広告代理店の営業経験を積んだ後、2000年(株)わらく堂に入社、2008年代表取締役就任。どこにもない、他にはないスイーツを前提に商品開発進め、北海道知事賞、農林水産大臣賞等を受賞したスイーツも多数開発。
<文・撮影/尾崎真佐子 MC/吉田茉代 画像協力/株式会社わらく堂>