料理はお手のものながら、多忙な年末、おせちづくりに頭を悩ませているアッキー編集長。鹿児島の食品会社が作るおせち料理は、冷凍ではなく作りたてが届けられると知って早速チェック！鹿児島らしい甘め味のおせちは毎年、限定5,000食が完売する人気ぶりです。人気の理由を明和食品株式会社代表取締役社長 川邊篤史氏に取材スタッフがうかがいました。

明和食品株式会社 代表取締役社長の川邊篤史氏

―御社の創業は1976年（昭和51年）とうかがいました。

川邊　鹿児島市の住宅街で、数人でお弁当屋さんを始めたと聞いています。その後、少しずつ規模を拡大していき、住宅街ではいろいろとご迷惑をおかけするので現在の場所に移転しました。あと数年で50周年を迎えますから食品会社として老舗と言えるのではないかと思います。
鹿児島市の指定業者になり、企業からの注文を受け、学校給食業務の受託、旅行会社の指定業者になるなど、幅広い世代に対してのお弁当や給食を提供していて、現在は1日の生産が1万食を超える量になっています。また、学生食堂や社員食堂の運営事業にも力を入れ経営を多角化しています。

蓋を開けた瞬間に心躍る、色とりどりのおせち料理。

―川邊社長ご自身は事業を継承される意志はあったのですか。

川邊　食べることは好きで、小さいころから、ご飯にこれをかけたら美味しいんじゃないかとか、これとこれを混ぜたら美味しくなるんじゃないかと思ってたりしていました。でも、この会社に入って事業を継ぐことは考えていませんでした。
私は小さいころは悪ガキでね（笑）、小学校の持久走でコースを飛び出してどこかに行ってしまうような自由奔放な子で親に迷惑かけたんです。
ただ、進路を考え始め、公認会計士を目指して勉強するようになってから、経営に関心を持つようになりました。

―御社に入社してどんなお仕事をされましたか。

川邊　総務課に配属されました。会社の経営全体を見渡すことができ、総務の仕事は向いていたのではないかと思います。パソコンを操作するのが好きでデータを見て業務改善を進めたり、現場を見たりして常務取締役から専務取締役として経営企画に携わるようになってきたところでコロナ禍になりました。
社長交代などと言っている余裕もありませんでしたね。今もコロナ禍の影響が完全になくなったわけではありませんが、だいぶ回復してきたので今年、社長に就任しました。

「生おせち 三段重『夢』」壱の重。

―おせちの宅配事業が人気ですね。

川邊　例年5,000食限定で作っていますが、特に宣伝はしていないのにもかかわらず、受付開始日から電話が鳴り、ウェブでの注文も入ります。鹿児島の料理は何でも甘いのが特徴ですが、このおせちも甘めです。鹿児島ならではの味にこだわっているせいか、8割が鹿児島県内からの注文です。ただ、2022年から「ふるさと納税」に出品したこともあり、県外からの注文も増えています。鹿児島のおせちの味を全国の皆さんにぜひ味わっていただきたいですね。
当社のおせちの最大の特徴は冷凍していないということです。冷凍して真空パックに入っていると封を切って重箱に入れ替える手間がかかります。当社のおせちは作りたてをそのままの状態で詰め、風呂敷に包んでダンボールに入れて冷蔵で発送しているので、解凍せずにすぐ食べることができます。

「生おせち 三段重『夢』」弐の重。

―すばらしいですね。どのように製造していますか。

川邊　生のおせちなので早くから作ることはできないので、年末にギリギリの日程で製造しています。
基本的には12月31日にお届けするようにしていますが、遠い地域で万が一、受け取れなかったということがないように2022年から1月1日だった賞味期限を1月2日になるように、材料や調理方法の見直しをどんどん積み重ねていき、前日には検査に出し・・・という工夫をして製造するようになりました。

「生おせち 三段重『夢』」参の重。

―おせちを作るときの工夫は？

川邊　おせちは3世代、4世代の家族が集まった席でいただくので、幅広い世代の方においしく食べていただきたいと思うので、和風に偏らず、洋風すぎてもいけないとバランスを考えて作っています。幅広い世代で楽しんだというお便りをいただいたときはうれしいですね。
お料理が美味しいのはもちろんですが、私たちは「お料理を食べているお客さんの姿を想像して作る」ということを大事にしています。
お弁当では骨が多い魚はなるべく使わないようにしています。催し物や特別な席では、お料理はお話をスムーズにするための潤滑油です。楽しく歓談していただきたいので、骨を取るために皆さんが無言になってしまったりするのは避けたいからです。
おせちもそうですが盛りつけにもこだわります。盛りつけは種類が違うものを詰めていくので大手さんでもやはり手作業でしています。衛生に気をつけながら品の色や盛りつけの角度まで考えながらきれいに見えるように盛りつけるノウハウはこの47年間ずっと受け継がれてきていると思います。

“パンフレットと同じ商品が届く”という当たり前を大事にしている。

―御社のこだわりが分かりました。パンフレット、ウェブサイトもご自身で作成しているとか。

川邊　外部に委託するより、自分で作れば商品の良さをお客様に思ったように伝えることができます。
心がけているのはお客様にお送りしている商品をそのまま誇張しないで撮影するということです。
よく、届いたおせちがパンフレットとは違い貧弱でがっかりしたという事例が話題になりますよね。それは避けたいので、当社のおせちは写真を見て豪華で、お届けしてお客様が蓋を開けられたとき「やっぱり写真の通りで豪華だ」と思っていただくようにしています。それが86％以上というリピート率につながっているのではないでしょうか。
（リピート率は2021年実績。過去に当社商品をご購入いただいた方によるおせちの購入。)
ウェブでの受付も自分でいろいろ調べていって、作成して、今、それがうまくいってきています。
時間はかかりますが、単純に楽しいので、作っています。

上、きれいな形にこだわったブリの照り焼き。
下、黒豚の昆布巻きは鹿児島ならではの一品。

―おせちの中で社長のこだわりがある品は何でしょう。

川邊　ブリの照り焼きですね。ブリなど魚は切るのが手間がかかるので切り身を仕入れて味つけだけするところが多いのですが、当社ではどうしてもきれいな形で入れたいと思い、頭と内臓だけ取った形で仕入れて当社でさばき、1個1個形を整えてきれいに切って味つけしています。そこはどうしてもこだわりたいと思っている部分ですね。

―すばらしいですね。これからなさりたいことはありますか。

川邊　おせちの注文も年々増えています。ただ、需要が増えたから規模をどんどん拡大するのではなく、品質を保ちながら少しずつ生産体制を整えていきたいと思っています。
また、鹿児島の食材には魅力的なものが多いので全国の皆さんに食べていただきたいと商品開発に着手しています。今考えているのは巻きずしです。鹿児島県産の黒豚や鹿児島黒牛、うなぎを具材にしたギフト商品を作れたらいいなと思っています。

―おいしそうですね。商品化をお待ちしています。本日はありがとうございました。

「生おせち 三段重『夢』40品目」（28cm×21.5cm×高さ15cm／約4～5人前）
価格：¥19,386（税･送料込）
店名：明和食品オンラインショップ
電話：099-243-7117（8:30～17:30）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.meiwa-shokuhin.jp/season/osechi/#osechi1
オンラインショップ：https://www.meiwa-shokuhin.jp

「生おせち 二段重『雅』29品目」（28cm×21.5cm×高さ10cm／約3人前）
価格：¥14,958（税･送料込）
店名：明和食品オンラインショップ
電話：099-243-7117（8:30～17:30）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.meiwa-shokuhin.jp/season/osechi/#osechi2
オンラインショップ：https://www.meiwa-shokuhin.jp

※配送地域は北海道、沖縄、離島を除く日本全国
※配達日は九州・四国・中国・関西が12月31日、中部・信越・北陸・関東・東北が1月1日
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
川邊篤史（明和食品株式会社 代表取締役）

1987年鹿児島県生まれ。明治大学会計専門職大学院卒業後、明和食品株式会社に入社。2023年同社代表取締役社長に就任。同年、稲盛和夫氏の経営哲学を学ぶ「鹿児島盛経塾」に入塾。自社サイト運営、ネットショップ立ち上げ、商品撮影やパンフレットデザインなどを自ら行う。ピッチコンテスト「アトツギ甲子園」の準ファイナリスト。コロナ禍で大きな影響を受けた自社のV字回復のため日々奮闘中。1歳と4歳の2児の父として、子どものお弁当を作るなどで子育てにも奮闘中。

＜文／今津朋子　MC／菊地美咲　画像協力／明和食品＞