今回、編集長のアッキ―こと坂口明子が気になったのは、魚の切り身の中でも最上品を厳選した「海極(KIWAMI)」。たっぷり脂が乗った天然魚を使用し、職人さんが1切れずつ手包みしています。贈り物としても喜ばれること間違いなしです。
しかも有力漁港、焼津のHACCP管理工場でつくられているから安心安全!上品な味わいの切り身を生産する株式会社いまる井川商店の代表取締役社長、井川剛志氏に商品へのこだわりや海外戦略などについてお話をうかがいました。
焼津直送!旬の天然魚を職人の手でていねいに仕上げた、極上切り身詰め合わせ「海極(KIWAMI)」
2024/01/26
株式会社いまる井川商店 代表取締役社長 井川剛志氏
―以前はプロサッカー選手をされていたそうですが、家業を継がれるまでの経緯をお聞かせください。
井川 地域的にも盛んだったサッカーを小さい頃に始め、学生時代は部活動として熱中していました。幸い大学を卒業してもプロフェッショナルとしてプレーする場を与えてもらえましたので、20代はずっとサッカーに情熱を注いでいました。
ですが、サッカーを続けながらも水産会社を経営していた実家に意識がなかったわけではありません。サッカーに全力投球するのは30歳までと自分でルールを決めていましたから、それに従って区切りをつけたあと、水産業界に転身しました。
家業を継ぐ前に1から魚の勉強をしようと、名古屋の水産会社で2年間修業を積ませてもらいました。ずっとサッカーしかしてこなかったので世間知らずでしたが、スーパーマーケットの物流の勉強から始め、水産業のノウハウをたくさん学ぶことができたのは貴重な経験となりました。
目前には全国水揚げトップクラスの焼津漁港。
―水産業界に入られてどんなことを感じましたか?
井川 この業界に入って一番に思ったのは、人間関係を非常に重視することですね。問屋さんもスーパーのバイヤーさんも物を買うというより「この人から買う」という傾向が強く、人との関係が深いところでつながっているんです。
ですからいい商品をつくる以前に、人との信頼関係を築くことから始めています。
もう1つ修業時代に感じたのは、当時はマグロなどの大物や刺し身商材が主流で、切り身加工品は地味な扱いを受けていたということです。今でこそ高級商材にも入っていますが、かつては下のカテゴリーという雰囲気でした。
その点、家業を振り返ると、細かい商売のことを分からない頃から切り身をつくる技術の高さを知っていました。修業が終わって2003年に家業に入ったのですが、「ていねいな仕事を生かせば大きなチャンスになるだろう」と、確信めいたものを持っていました。
職人の包丁で一切れずつていねいに魚を切り分けます。
―切り身商品を生産する際にどんなことを大切にしていますか?
井川 仕事の繊細さが弊社のお家芸ですから、それを生かすためにいつも製造スタッフに見た目の大切さを訴えています。切り身一切れでも包丁の入れ方や角度で見た目がどのようにも変わります。いい加減にすればその程度のものになるし、ていねいに仕上げようとすればその気持ちが外観にも表れるわけです。
インターネットで購入する方は味が同じでおいしくても見た目で判断しますから、美しく見せるための配慮は欠かせないと考えています。
手作業で包まれたオリジナル包装が上品さを演出。
―ハラールの認証工場をつくられた経緯を教えてください。
井川 新工場を建てる際、海外に商品を輸出できるよう衛生管理を徹底した工場にする計画を進めていました。ハラール対応に向かった背景としては、東京オリンピックの少し前からインバウンド需要の拡大が顕著になったことが大きな要因です。観光客の中にはイスラム教徒の方もたくさん存在するのに、対応した食事処や食品がほとんどなかったんです。
そうした方に食を提供するためにも、展示会でハラールの原材料でサンプルをつくって出展してみたところ、予想以上に好評だったのが後押しとなりました。ニッチな事業にチャレンジしようと、2020年の東京オリンピックをにらんだ2017~2018年にはハラール向け生産の構想が具体化しています。
ハラール商材は現在、シンガポールをはじめアジア圏を中心に、日本の有名ディスカウントショップの海外店向けが伸長しています。業務向けでもホテルのビュッフェや飛行機の機内食に採用いただいている状況です。
アジアを中心にイスラム圏への販路を拡大中。
―今回ご紹介する「海極(KIWAMI)」の特徴とは?
井川 まずは原料に厳選した魚を使用しているのが大きな特徴です。シーズンごとに調達できる天然の魚を原料に使用し、良質な脂を求めて特に大きい個体をピックアップしているのがポイントです。
味付けは味噌・醤油からすべてオリジナルブレンドして独自の製法でつくった調味液を使用しています。京都の西京漬けや東京日本橋の有名メーカーなど、それぞれに味が違って個性がありますが、他社のおいしいものをマネする必要はないと思っています。あえて独自の色や味の特徴を出して、それを喜んでいただけるお客様を増やしていくのがメーカーの使命だと考えます。
また地方によっても調味液の味付けはいろいろで、京都は甘味が強く、東北では塩分が強めの傾向があります。当商品はちょうど東日本と京都の中間のような、全国の方が平均的に食べやすい味付けとなっています。
もう1つのこだわりはパッケージです。他の商品は真空パックにして機械で包みますが、こちらは1つ1つ包装紙を折り紙のように手作業で包んでいます。これによって手に取った方は独特の高級感とともに、上質な手づくりのぬくもりを感じていただけます。
人の手で1つ1つ折り紙に包まれる切り身。
―オススメの食べ方を教えてください。
井川 日本酒や焼酎をはじめとしたお酒と一緒に高級なおつまみとして食すのは絶妙ですね。特に日本酒との相性はバツグンで、お互いの旨味をぐっと引き立ててくれます。
もちろんゴハンのおかずとしても絶品です。米とも相性がいい調味液の効果で、お茶碗何杯もおかわりすること間違いなしです。
お酒にもゴハンにも極上のお供。
―どのような方にオススメしますか?
井川 お世話になった方へ感謝の気持ちを込めて、そして本当に喜んでほしい大切な人への贈り物としてピッタリの商品だと思います。またお祝いの品としてもサプライズ付きのいいギフトになるでしょう。
若い人も返礼品としてや、親御さんへのプレゼントにたいへん喜ばれると思います。贈答品としてこれ以上ないほど自信を持ってオススメします。
ご要望に応じて「のし」も付けられます。
―今後の展望をお聞かせください。
井川 水産資源は世界的に需要が高まって調達競争が激しくなっていますので、安い魚自体なくなっているのが現状です。いろんな国の人が魚を食べる時代になった中で、厳選素材を使った切り身のような加工品は、世界にも通用する日本特有の食材という手応えを感じています。
これからも国内はもちろん世界のマーケットに対応しながら、良質な商品を開発・製造していきたいと思います。
―海外でのシェア拡大を目指してワールドワイドに事業を展開する、井川社長の情熱が伝わった今回のインタビュー。夢のある素晴らしいお話をありがとうございました。
「海極(KIWAMI)」(15切)
価格:¥10,800(税込)
店名:魚・魚
電話:054-628-0781(10時~15時 水曜、日曜、祝日休み)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://imaru-toto.com/items/5fd052ea72eb4647af452e04
オンラインショップ:https://imaru-toto.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
井川剛志(株式会社いまる井川商店 代表取締役社長)
1970年静岡県生まれ。大学卒業後、本田技研工業株式会社に入社、サッカー選手として活躍。2年間の修業期間を経て2003年、株式会社いまる井川商店入社。2011年に同社代表取締役社長に就任。2022年完成の新工場ではHACCOP・ハラール認証も取得し世界の人々においしい日本のお魚を食べてもらいたいと輸出にも力を入れている。
<文/田中省二 MC/髙橋美羽 画像協力/いまる井川商店>