今回、編集長アッキーが気になったのは、国内外に店舗を持つブランド「マザーハウス」の「IRODORI CHOCOLATE(イロドリ チョコレート)」シリーズ。日本の四季を感じさせてくれる、色とりどりのおしゃれなチョコレートです。株式会社マザーハウス 代表取締役副社長の山崎大祐氏に、商品の魅力をうかがいました。
四季を映すチョコレート!途上国の可能性を信じるマザーハウス発「IRODORI CHOCOLATE」
2024/02/02
株式会社マザーハウス 代表取締役副社長の山崎大祐氏
―まずは、山崎副社長のご経歴をお話しいただけますか。
山崎 小学校4年生の頃に両親が離婚したので、母子家庭としての苦労は多くありました。とはいえ、僕は昔からアクティブで楽しいことが好きな人間でしたね。学校が大好きで自分の居場所があったことも大きいです。離婚して名字が変わっても、友達がまったく動じなかったことで「人に受け入れられた」と感じ、一生懸命がんばれたことも印象的です。
自分の原点であり、経営においても「会社は助け合いの場」だと考えていて、会社にみんなの居場所を作ることをすごく大事にしています。
―社長の山口絵理子氏とは、大学の同窓生だとお伺いしました。
山崎 慶応義塾大学で経済研究系のゼミに所属していて、僕には「資本主義を変えたい」という思いがありました。富む人はどんどん富み、お金を持っていない人はいつまでも貧しい立場にあることに憤りを感じていたのです。山口はイジメにあった過去があり、世界の端っこに追いやられているイメージの発展途上国に対してシンパシーのようなものがあったそうです。
―そして、貴社を創業に?
山崎 僕はビジネスを「金儲け」だと毛嫌いしていたので、構想はまったくありませんでした。外資金融会社に入社した理由も、アジア金融危機の研究をしていたので「危機問題の中心地を見てやろう」という思いからです。
弊社は基本的に山口が作った会社だと言えます。貧困問題に興味があった山口は、「アジアで一番貧しい国」であるバングラデシュへ足を運び、ストリートチルドレンが溢れる世界を目撃しました。そこで問題意識を持ったとしても、一方的な援助や支援には限界がありますよね。
そんな中で山口は、アメリカやヨーロッパからオーダーを受けて洋服作りをしている工場を訪れました。一生懸命に働く現地の方々を見て、彼らのものづくりにおける可能性を感じたそうです。バングラデシュで採れるジュートという素材でバッグを作り、販売するのはどうかと考えた彼女から、僕は経営に関する相談を受けました。
山口の構想を実現するには会社を作らなければと考え、2人でお金を出し合って「マザーハウス」を立ち上げました。その後、勤め先を辞めて僕も副社長として参画した流れとなります。
―創業当初から変わらない貴社のDNAはございますか?
山崎 「可能性を信じる」ということから始まった会社です。バングラデシュでの挑戦では、「そんな事業は絶対に上手くいかない」と言われ続けましたが、僕らは実際に現場を見て「この国には可能性がある」と思いました。僕らのアクションのすべてが何らかの可能性から始まっていて、それを諦めないでいてくれた人たちがいるから今の立場があります。教育などにおいても言えることで、学校で可能性を見つけてもらえれば子どもたちはがんばれると思うのです。
イロドリ チョコレート 桜花(おうか)は抹茶とラズベリーの味。
―「IRODORI CHOCOLATE」シリーズについて。開発のきっかけをお聞かせください。
山崎 コロナ禍で全店がクローズして、会社存続の危機を迎えたことがきっかけです。未来についてオンライン会議をしたところ、新規事業のアイディアとして一番多かったものが「フード」でした。「家の中でマザーハウスの可能性を感じてもらえるもの」を作りたいということで、途上国の代表的な資源であるカカオに注目しました。現場には行けないのでオンラインで農園を紹介していただき、カカオを調達したというのが始まりです。
―日本の四季をイメージした12色の色合いと、味の変化を楽しめるグラデーションチョコレート。1つの商品で2つの味が楽しめます。最もこだわった点はどちらでしょうか?
山崎 結論から言うと、見た目と味の両方にこだわりました。チョコレート開発にあたり、世界トップクラスのチョコレートを全部食べて、1か月で約5kg太るほど、味を探求しました。何に一番苦しんだかというと、やはりオリジナリティです。おいしいチョコレートは世界中にあるので、とにかく「僕らにしか作れない、世の中にないチョコレートを作ろう」と思いました。
弊社ではオリジナルでレザーを開発したグラデーション小物「IRODORI」を取り扱っています。それをチョコレートにも生かしたいと考えたのですが、協力を得た工場の方には「作れない」と断られてしまいました。それでも工場と交渉しながら、トライを続けたことで開発に成功しました。
日本の四季をイメージした12色の色合いと、味の変化を楽しめるグラデーションチョコレート。
―ギフトにも喜ばれますね。
山崎 オリジナルの色合いと味が楽しめる面白いチョコレートができました。どのフレーバーも、人工の着色料や甘味料は一切使っていないナチュラルな味です。
会社の背景にはストーリーがある一方で、僕らは「世の中を楽しくしたい・明るくしたい」とも思っています。新しい物やおいしいもの、楽しいものをお求めの方は、ぜひ気楽にイロドリチョコレートを手にとってみてください。
―今後のビジョンや展望をお聞かせください。
山崎 海外は台湾とシンガポールに現在7店舗を展開しているのですが、コロナ禍で断念した国もあるので、もっとグローバルに挑戦していきたいです。途上国の可能性を伝えていくブランドとして、「世界で勝負できるブランドを作る」というところに再度チャレンジしていきます。すでに6か国でモノづくりをしているので、これからも各国のさまざまな素材やプロダクトと出会い、少しずつアイテムを増やしていければと思います。
お好みの3枚を特製スリーブに入れてギフトにするのも◎。
―これからの展開や新商品もとても楽しみです。貴重なお話をありがとうございました!
「IRODORI CHOCOLATE(イロドリ チョコレート)」シリーズ(縦6.5cm×横13.4cm×高さ1.6cm 1枚、フレーバーは全12種類)
価格:¥1,512(税込)~
店名:LITTLE MOTHERHOUSE CHOCOLATE FACTORY SHOP
電話:03-6264-3031
営業時間:SHOP:11:00-19:00 CAFE:11:00-18:00 (L.O. 17:30)
定休日:毎週月曜日・火曜日(祝日の場合は翌日が定休日となります)
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-11 紙パルプ会館1F
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.motherhouse.co.jp/collections/chocolate
オンラインショップ:https://www.motherhouse.co.jp/collections/motherhouse
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
山崎大祐(株式会社マザーハウス 代表取締役副社長)
1980年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、ゴールドマンサックス証券にエコノミストとして入社。創業前からかかわってきた株式会社マザーハウスへの経営参画を決意し、2007年に取締役副社長に就任、19年から代表取締役副社長に。途上国を中心に海外を飛び回り、マーケティング・生産両サイドに携わっている。「思いをカタチにする」経営ゼミ「Warm Heart, Cool Head.」を主宰。
<文/マスダアヤノ MC/矢口優衣 画像協力/マザーハウス>