今回編集長アッキーが気になったのは、梨の爽やかな甘い風味が口いっぱいに広がるサワーやスカッシュ、そしてシャーベット。居酒屋を多店舗経営している株式会社一休が、SDGsの観点からも評価される多摩湖梨(たまこなし)のシロップやシャーベットを製作・販売しています。地元の素材を使ったスイーツは東京都東村山市のふるさと納税返礼品に選ばれました。なぜ居酒屋の会社がスイーツを作ることになったのでしょうか?同社代表取締役社長の金子清範氏にお話を伺いました。
SDGs貢献・地域活性・そしておいしい!廃棄される多摩湖梨を活用したシロップやシャーベット
2024/02/08
株式会社一休 代表取締役社長の金子清範氏
―まずは会社自体の成り立ちについて教えてください。
金子 1975年10月に創業者である父が東京の高円寺に6坪で15席ほどの居酒屋を始めました。そこから規模を拡大し、2店舗目の武蔵境店では40席ほど、以降新たに出す店は1店舗100~150席の大箱店となりました。私が入社したのは1996年4月、当時一休は10店舗ありましたが、その頃より1年に3店舗くらいのペースで出店及び改装をしておりました。
―急成長の秘訣は?
金子 お客様に、一休(ひとやすみ)してほしいという思いが伝わったからではないでしょうか。創業時、個人店ながら少しでも安く料理やドリンクを提供したいという考えがありました。「一休カード」に入会し、通ってくださるお客様にお得にお酒を楽しんでもらえる会員制度を取り入れるなど、他店と違うことをやってきました。そういった取り組みが浸透し「一緒に働きたい」と声をかけられて、お客様から社員になる人もいました。
―創業者であるご両親が従業員の方を大切になさっていて、雰囲気が良かったということですね。
金子 私が小学校に入るくらいの頃、両親は複数ある店舗の経営でとにかく忙しく、ほとんど家にいることがありませんでした。社員旅行などの会社行事でしか会えないような小学時代でしたが、両親が言っていたのは「社員はファミリー」ということ。社員を家族同然に大切にしていました。社員旅行では、社員の人たちが私の面倒を見てくれました。
仕事終わりに「一休(ひとやすみ)」できる居場所を提供。
―今回の多摩湖梨シロップはどのような経緯で開発に至ったのですか?
金子 これから先のことを考えたら、次の世代につながる価値を残していける企業にならなければいけない。そのために大事だと考えることの一つがSDGsだと思っています。
多摩湖梨シロップは、私が住んでいる東村山市で親しくしている市議会議員の後援会長さんが多摩湖梨を作っていて、その中で傷や汚れがあるものや、販売をする為に間引いたものを廃棄していると伺いました。結構な量を廃棄しているからなんとか有効活用できないか、という話があって。それを聞いて、これだ!と思い、幾度の試作を重ね商品の開発に取り組みました。やっとの思いで2022年10月の新メニューから多摩湖梨の商品を出せることになり、『一休』全店舗で多摩湖梨シロップを使った「一休(多摩湖梨)サワー」や「多摩湖梨スカッシュ」の販売を開始しました。
お客様からは美味しいと人気です。梨の甘みや風味も豊かなので、あまりお酒を飲めない方にも飲みやすいと気に入っていただいております。シロップは販売もしているので、家では炭酸で割ったジュースを子供達がおいしいと喜んで飲んでいます。
1年間販売してきましたが、シロップの更なる活用を検討し、2023年にはシロップを素にシャーベットの加工を始めました。多摩湖梨シロップや多摩湖梨シャーベットは店舗やECサイトで販売する以外に、ふるさと納税で東村山市の返礼品にも採用していただきました。東村山市の特産品として、東村山市長、生産者の方と共に記者発表をいたしました。
梨の爽やかな風味がたまらないシャーベット。
―多摩湖梨はどういった梨なんでしょうか?
金子 多摩湖梨というのは、東村山を含めその地域で採れた梨を総称した言葉です。弊社で扱っているのはほとんどが幸水で、果肉がみずみずしく果汁を多く含んでいて、甘みが強い品種です。ちょっとした汚れや傷があるものは、品質には問題がなくても廃棄されてしまいます。そのような梨を集めていただいて、商品として生まれ変わらせています。今まで捨てていたものが商品になりお金になるわけですから、農家の方の助けにもなっていると思います。
お酒が好きならサワーやカクテルにして楽しんで。
―まさにSDGsを体現した商品ですね。多摩湖梨シロップはサワーやジュースとして飲む以外にもおすすめの使い方はありますか?
金子 夏場であればかき氷にかけるのもおすすめです。また、お肉を漬け込んで柔らかくしたり、カレーの隠し味に使ったりすることもできます。果汁を使用したシロップなので、お酒や炭酸で割って飲む以外にもいろいろと使えます。
サワーやスカッシュを作ってシャーベットをon!
おうちではいろんな飲み方が楽しめます。
―社会や地球環境に貢献するだけでなく、生産者さんたちにも喜ばれ、お客様にも喜ばれている。みんながwin-winになるような商品ですね。
金子 私自身は、ただ物を売るだけの商売というのはもう終わってきたのかなと思っています。弊社ではSDGsにつながる商品開発に挑戦しながら、人間力を育てる社員教育にも力を入れております。例えば、月の定例会議では2、3回に1度、講師の先生をお招きしてモチベーションを上げるなどの取り組みをしています。お客様に楽しかったと喜んで帰っていただくために、どんな接客や知識が必要なのかを学び、個人個人が考えて行動することで、商品についてもさまざまな角度から紹介ができるのではないかと思います。勉強をする機会を提供することで社員を育成すると共に、会社の成長を目指しております。
梨果汁をたっぷり使ったリッチな味わいのシャーベット。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「多摩湖梨シロップ(6本セット)※1本 500ml」
価格:¥6,600(税込)
店名:一休オンラインショップ
電話:042-444-1809(9:00~17:00 日・祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.advance19.com/products/detail/70
オンラインショップ:https://www.advance19.com/
「多摩湖梨シャーベット(6個セット)※1個 100ml」
価格:¥3,300(税込)
店名:一休オンラインショップ
電話:042-444-1809(9:00~17:00 日・祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.advance19.com/products/detail/73
オンラインショップ:https://www.advance19.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
金子清範(株式会社一休 代表取締役社長)
1976年東京都生まれ。株式会社一休に入社し、平社員から全ての部門の経験を経て、コロナ禍の2021年に同社の3代目、代表取締役社長に就任。社員教育やSDGs、社会貢献の活動にも注力し、東村山市わたしたちのSDGsパートナーに認定されました。また東京都の発行する第4回ソーシャルボンドの発行意義にも共感し投資も行っています。
<文・撮影/藤原志帆 MC/三好彩子 画像協力/一休>