今回、編集長のアッキ―こと坂口明子が注目したのは、調味料メーカーがご家庭向けに開発した「無限ヤミツキソース」「オリジナルソース」「はま昆布ポン酢」の3本セット。地産地消や持続可能な社会に貢献する商品とあって、エコの面でも注目度が高いオリジナル調味料です。
しかも製造は国際規格ISO9001を取得した安心メーカー!株式会社武居商店 代表取締役の武居順平氏に、商品の誕生秘話やこだわりなど、直接取材にうかがいました。
横浜の直売所で大人気!業務用のプロが贈る、肉に魚にサラダに万能のソース3本セット
2024/02/16
株式会社武居商店 代表取締役の武居順平氏
―家業を継がれるまでの経緯をぜひお聞かせください。
武居 大学は水産系の学部で大学院まで進学し、クジラを追いかけて調査するような一歩踏み込んだ魚の研究をしていました。
卒業後は大手の水産会社に就職し、トータル13年ほど在籍しています。最初に三重県の工場に配属され、2年ほどスーパーに並べられるクラゲ珍味の製造を手がけていました。その後は本社に異動して商品開発を担当し、長く仲間と苦楽をともにしながらサラリーマン生活を謳歌しました。
もともと家業を継ぐ意思はあったのですが、家とお互いのタイミングがつかめないうちに年月が経過しました。社会人になって10年以上経ったところで現会長である父から「そろそろ帰ってこないか」との誘いがあり、いろいろと整理して1年後に会社を退社し、家業に入ったという経緯です。
横浜南部市場では期間限定や訳ありセールも実施中。
―貴社の歴史と引き継がれるDNAを教えてください。
武居 明治初期に牛肉の食文化が始まった頃、肉以外の部分の副産物として「牛脂」を販売する会社として事業を興したのが発祥です。牛脂は当初、電気がない時代に街灯の灯りをともす燃料に使用されたそうです。
私が社長に就任して6代目となった現在、食品関係の商材を扱っていますから別の分野にはなりますが、その時代に合わせて柔軟に対応してきた経営コンセプトは引き継がれています。
昭和中期にはスープの生産をスタートし、工場のラインを増設しながら刷新を繰り返してきました。品質管理を強化しながらラインナップを増やすなど、時代のニーズに合わせて常に変革を続けてきたことが、創業以来のDNAといえます。
麺料理専門のマルキュウ食堂2号店。
―直営店を始められたのはそのDNAから?
武居 はい、それまでは製造だけでしたが、2020年4月に直売所をオープンしました。が、直後の5月に新型コロナで緊急事態宣言が出てしまったのです。
スプーンで1回ずつ試食してほしかったのですが、衛生上できなかったのは痛かったです。以前に試験的に出店した際の経験で、試食をすれば必ず買っていただける自信を持って臨んでいただけに、残念なオープン記念となりました。
ただ、逆にコロナ禍がきっかけで始まったこともあります。協同組合横浜マーチャンダイジングセンターの従業員の方が出勤できなかったため、「テナント店をしませんか」と誘われたのが飲食業の発端です。
オリジナル商品の認知度を高めるいい機会と思い、直営飲食店の「マルキュウ食堂」の営業をスタートしました。こちらではソースかけ放題のサービスを行っているので、商品の普及に一役買ってもらっています。
直売所では全種類のソースを取りそろえています。
―テレビメディアに取り上げられた影響はいかかでしたか?
武居 直売所がオープンして1年も経たない頃、横浜南部市場に人気TV番組が取材に入ってクローズアップされました。そこで私たちの商品をランキングに入れていただいてから一気にブレークしました。
反響は雑誌にも波及し、数珠つなぎに取り上げられましたので、メディアの影響はとても大きかったです。
これ1本あればBBQで活躍すること間違いなし。
―今回のソースの特長を教えてください。
武居 「無限ヤミツキソース」は横浜バーベキュー協会と共同開発した人気の定番商品で、お肉をさっぱり食べられるようにと、玉ねぎのすりおろしをたっぷり入れて、アクセントとしてニンニクも加えてつくったステーキソースです。
リンゴ酢で仕上げることで少し酸味を効かせたテイストのため、トマトやサラダにかけるドレッシングとして使われる方も多いです。万能ソースと思っていただいて、お肉以外にもいろいろな食材にご使用いただければと思います。
「オリジナルソース」は私自身の好みで、マヨネーズに少しニュアンスが近いものですが、それよりも酸味があってさっぱりした味わいで、そこにニンニクを効かせたソースです。一言で表現するなら“ニンニク醤油マヨネーズ”といった感じです。
から揚げを代表例として、揚げ物全般に相性はいいです。またナスとの相性もよく、焼きナスやソテーなど、いろいろな料理と合わせられるのも特長です。
サラダやステーキにも、なんでも使える万能ソース。
―ポン酢はエコ対策にも関連する商品とお聞きしました。
武居 はい、「はま昆布ポン酢」は地産地消の発想から生まれた商品です。昆布は二酸化炭素の吸収量が多いため、横浜市金沢区にある八景島の近くでそれを目的として生産されています。この昆布を有効利用しようと弊社商品に使用することになりました。
また原料に採用するみかんですが、地元神奈川県の色づく前の青みかんを使用しています。せん定して早摘みしたものを捨てるのはもったいないですから、これも有効に活用しようと、SDGsに取り組む関係者さん経由で分けていただいています。
味のほうは酸味を抑え気味で、どちらかといえばまろやか系です。それでいて昆布の旨味をしっかり感じていただけるポン酢となっています。魚介類に合わせると特に相性がよく、カキや生カツオなどは素材の旨味を最大限に引き出します。そのほか湯豆腐や鶏料理、鍋の付けダレとしても秀逸です。
魚介類や鍋ものに相性バツグン。
―他にもアレンジレシピはありますか?
武居 「無限ヤミツキソース」は漬け込み調味料としても持ち味を発揮します。鶏肉や豚肉を漬け込んで焼けば、素材の旨味をさらに引き立ててくれます。「オリジナルソース」は魚の刺し身にも意外にフィットしますので、ぜひお試しください。
また我が家直伝の隠れレシピとして、「はま昆布ポン酢」を牛肉のたたきに使う方法があります。脂身の少ない赤身の牛肉を外側だけ焼いて、ぽん酢に玉ねぎと人参のすりおろしを和えたタレに漬け込みます。味が馴染んだところで切り分けて食べると絶品です。
―こちらのセットは累計10万本近く販売されたそうですが、支持される理由は何だと思われますか?
武居 直接手に取っていただく直売所の売り上げがダントツ1位ですから、リピーターの方が牽引してくださっていると思います。地元横浜のお客様の力を感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。今後は全国の方にも広めていきたいです。
協同組合横浜マーチャンダイジングセンター内でソースかけ放題を実施中。
―今後の展望をお聞かせください。
武居 オリジナル商品だけで売り上げ1億円を目標に掲げ、営業に注力していきます。夢は「横浜の全家庭に1本」です。またホームページを刷新してECの見直しを進めていますので、通販でもさらに多くの支持をいただけるようPR活動にも精力的に取り組んでいきたいと思います。
―素敵なお話をありがとうございました!
「直売所人気3本セット」(無限ヤミツキソース、オリジナルソース、はま昆布ポン酢)(200mlx3本)
価格:¥1,200(税込)
店名:株式会社武居商店
電話:045-774-5331(平日9:00~16:30)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/takeishoten/ninki-3/
オンラインショップ:http://www.takei-foods.co.jp/index.html
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
武居順平(株式会社武居商店 代表取締役)
1978年神奈川県生まれ。日本大学大学院卒業後、マリンフーズに入社し13年のサラリーマン生活を経て2015年に武居商店へ入社。取締役、専務取締役を経て、2021年に同社代表取締役社長に就任。創業から数えて150年、6代目代表として日々奮闘中。
<文・撮影/田中省二 MC/髙橋美羽 画像協力/武居商店>