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低カロリーで高タンパク!大豆と魚の旨みが広がる鳥取のソウルフード「豆腐竹輪」

2024/02/27

今回、編集長アッキーが気になったのは、鳥取で食されている「とうふちくわ」。木綿豆腐と白身魚のすり身を混ぜて蒸し上げた加工食品です。口に入れるとふわっと大豆の香りが広がり、噛みしめるほどに魚の旨みが感じられる繊細な味わい。このとうふちくわを創業以来160年にわたり作り続ける株式会社ちむらの代表取締役・千村大輔氏にお話を伺ってきました。

―創業は江戸時代だそうですね。

千村 創業は1865年、江戸時代の末期です。初代が商売をはじめてからまもなく160年になりますが、今日まで「とうふちくわ」を中心として、ちくわ作り一筋でやって参りました。

―いつ頃から「とうふちくわ」が食されていたのでしょうか?

千村 文献が残ってるわけではないんですけれども、伝え聞く歴史としては江戸時代の末期。当時漁港の開発が遅れていた鳥取では、魚は貴重な食べ物とされていました。その一方で、鳥取は山村の多い地域で、田んぼの畦なんかではたくさんの大豆が栽培されていたようです。藩の財政も厳しい折でしたから、時の藩主・池田公は「魚の代わりに豆腐を食べるように」と質素・倹約を推奨。そこから魚の代わりに豆腐を使った「とうふちくわ」が生まれたと伝わっています。

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「食文化を繋ぐ200年企業」をビジョンに掲げる株式会社ちむら。
日常にもハレの日にも食べられてきた鳥取の味「とうふちくわ」を伝統的な製法で作り続けている。

―鳥取では、今でも日常的に食卓にのぼる食べ物なのですか?

千村 そうですね。それが顕著に現れているのが、ちくわの年間消費額です。鳥取市は47県庁所在都市のなかで、30年以上ずっと一番。県内でも西の方に行くと、とうふちくわを食する文化はほとんどなくて。我々のいる鳥取県東部――因幡の地域だけの食文化なんです。

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豆腐に魚のすり身を混ぜて蒸し上げる「とうふちくわ」。
一般的なちくわとは異なる、真っ白な姿が美しい。

―古くからたんぱく源として食されてきたのですね。

千村 コロナ禍以降、健康に対する意識の高まりから、たんぱく質がブームとなっていますよね。とうふちくわも、植物性と動物性、働きの異なる2つのたんぱく質を同時に摂れる“ダブルたんぱく”食品として注目していただいております。やっぱり、古来日本人のたんぱく源って大豆と魚だったと思うんです。鳥取だけの食文化ですから全国的にはまだまだマイナーな加工食品ですけれど、プロテインバーのように、たんぱく源を手軽に摂れる食品として情報発信に努めていきたいと思っています。

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素材の風味をダイレクトに味わえる「豆腐竹輪・蒸し」。
鼻に抜ける大豆の香り、噛むほどに広がる魚の旨みがしみじみおいしい。

―とうふちくわを作る上で大切にされていることは?

千村 しっかりとした豆腐の風味が感じられるよう、原料は「木綿豆腐7に対して魚3」。この割合を江戸時代から守り抜いてきました。美味しさの決め手となるのはやはり木綿豆腐ですので、濃厚な豆乳を搾るところから自社で手作り。やわらかな食感に仕上げるため、つなぎとして加える魚のすり身は淡泊な白身魚にこだわっています。
2019年からは、直売店で販売する商品の品質をさらに高めていくことにも力を注いでいて。大豆は鳥取県産100%、すり身もよりランクの高いものを使用。化学調味料や保存料は一切使用せず、昆布やカツオ、椎茸などの天然素材エキスを使って、素材本来のうまみをいかしています。

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まずは何もつけずに味わい、そのあとお好みで
わさび醤油や生姜醤油をつけて食べるのがおすすめ。
豆腐を使う料理なら何でも合うのでアレンジして楽しむのも◎。

―味のバリエーションもたくさんありますね。

千村 これからも時代ごとの流行を取り入れながら、新たなとうふちくわを作っていきたいと思っています。いま直売店で販売しているのは常時10種類ほど。最もスタンダードな「蒸し」、表面をこんがり焼いた「焼き」、そのほかにもネギや生姜を練り込んだもの、トマトとチーズなんかも人気です。トマトとチーズは、サラダに入れてオリーブオイルやバルサミコをかけていただくと、イタリアン風にお召し上がりいただけますよ。

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カレーの風味をきかせた「カレーとうふ」や
和牛のしぐれ煮を練り込んだ「鳥取和牛とうふちくわ」といった変わり種もラインナップ。

―最後に今後の展望をお聞かせください。

千村 およそ160年前に鳥取の地で誕生した「とうふちくわ」という食文化、その美味しさを全国あるいは世界中の方に知っていただくことで、とうふちくわのファンを増やしていければいいなと思います。発信していく際のキーワードのひとつとなるのが“たんぱく質”だと思いますので、おいしくてヘルシーな高たんぱく食品であるということも含めてPRをしていきたいですね。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

豆腐竹輪・蒸し

「豆腐竹輪・蒸し」(1本)
価格:¥292(税込)
店名:とうふちくわの里 ちむら
電話:0858-76-3333(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.toufuchikuwa-shop.com/shopdetail/000000000002/
オンラインショップ:http://www.toufuchikuwa-shop.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
千村大輔(株式会社ちむら 代表取締役)

1983年鳥取県鳥取市生まれ。大学卒業後、神奈川県小田原の蒲鉾店にて修行後、2011年入社。2021年代表取締役就任(6代目)。

<取材・文・撮影/野村枝里奈 画像協力/ちむら>

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