佐賀県北西部に位置する唐津市は、唐津城を中心に形成されてきた城下町。唐津焼に代表される文化に加え、農業、畜産業も多く育まれてきた土地です。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、そんな唐津市に本社を置く「いきや食品株式会社」。こちらのハンバーグが今、子育て中のママ世代を中心に大人気となっているそう。開発のきっかけなどについて、同社代表取締役社長の井上真維氏に伺いました。
「焼くだけ」でおいしい!お肉屋生まれのハンバーグ
2024/03/08
いきや食品株式会社 代表取締役社長の井上真維氏
―御社の沿革について教えてください。
井上 弊社は1957年に鶏肉専門店として開業しました。父が代表で、母と一緒に営んでいた町の小さなお肉屋さんです。
―井上社長はどのような経緯で代表になられたのですか?
井上 私には8つ離れた兄がいるのですが、兄は高校を卒業後、大学に進学して福岡で就職しました。私は高校卒業後、地元企業に就職して働いていたのですが、3年ほど経った頃父が病に倒れまして。父は兄を呼び戻そうとしたのですが、兄は福岡の方でまだまだ頑張りたいという時期でしたので、「じゃあ私が」と手を挙げました。
2010年に父が他界した後は、母が代表を務めていたのですが、会社を法人化することになり、そのタイミングで世代交代して2017年に私が代表になりました。
―「唐津バーグ」が生まれたきっかけについても教えてください。
井上 もともとは父が作った商品で、店頭で人気の商品でした。父が亡くなってからも母と私がレシピを引き継いで店頭で販売していたのですが、2016年にふるさと納税の返礼品として出荷することになり、そこから全国より注文が入るようになりました。
最初の頃は、パートさんと3人で1日100個作って、10個入り10箱を1日の出荷の限度としていました。ところがそれが毎日売り切れるので、ある日、私の興味本位で個数制限を外してみたのです(笑)。すると、その日いきなり200件の注文が入って大慌て。私のママ友や親族など、大勢の方に手伝ってもらいながら、なんとか2,000個を作りました。当時は手作りだったのですが、現在は機械も導入し、1日に7~8,000個を安定して製造できるようになっています。ちなみに弊社は社員の9割が女性。その時手伝ってくれた友人たちも含め、賑やかに運営しています。
―人気の秘密はどこにあると思いますか?
井上 お客さまからは、「冷凍のままフライパンで焼いてもおいしく仕上がるところが嬉しい」とおっしゃっていただきます。冷凍したお肉を調理する際は、一般的に解凍という工程が必要なのですが、それがちょっと面倒なんですよね。でもこのハンバーグは、解凍せずそのまま焼くことができるので嬉しいと。
―どんな風に調理をするのですか?
井上 フライパンを温めて、冷凍のままハンバーグを並べて蓋をし、まずは弱火で10分。その後裏返して蓋をして弱火で10分焼くだけです(笑)。油を敷く必要もありません。冷凍のまま焼くことでふっくらジューシーに仕上がります。
フライパンの上で焼いていると、中央がふっくら。
いい音と香りが漂います。
―御社のHPに、雌牛の未経産牛のお肉にこだわっている、という記載がありましたがなぜでしょうか?
井上 未経産牛の方が、お肉の甘み、深みが味わえるからです。ちなみに最初、父が作った時は牛100%のハンバーグだったのですが、それを改良して牛と豚の合い挽きにしました。九州産の牛と豚の合い挽きを使用しています。
―おすすめの食べ方はありますか?
井上 ハンバーグ自体に下味が付いているので、シンプルに召し上がっていただくと良いかなと思います。私は柚子胡椒をちょっと乗せて食べるのが好きです。ワサビやポン酢、マヨポンでもおいしいですよ。
さっぱりとした大根おろしがお肉の味わいを引き立ててくれます。
ワサビでアクセントをつけても。
―すごく家庭的な感じでいいですね。
井上 ありがとうございます。家庭料理って、お母さんが作ってこそ、と思われがちですよね。私もできる限りそうしたいとは思っていますが、3人の子どもを育てていると、あまりの忙しさに、「ごめん!今日はコンビニのご飯で!」という時だってあります。でも皆でワイワイ食べると十分楽しかったりするんですよね。今では、手作りしたものを食べてもらうことも素敵だけれど、「一緒に食卓を囲むこと」こそ、重要じゃないかと思うようになりました。時には手抜きだってOK。そんな時に弊社のハンバーグを活用していただけたら嬉しいです。
箱を開けた時、ふと笑顔になれるメッセージも。
―台所からジューっという音が聞こえてくるだけで幸せな気分になりそうです。
井上 台所からの香りもぜひ楽しんで欲しいです。本当に簡単なので、県外にいる大学生の息子さんや、単身赴任中のお父さんに送っている、とおっしゃる方も多いです。
大切な方への挨拶、お礼に送っても喜ばれそうな、ギフトボックス入り。
―今後の展望、手がけてみたい商品はありますか?
井上 今後、このタネを使った餃子やシュウマイなども作りたいなと思っています。実は我が家では、すでにそうアレンジして楽しんでいるのですが、皆様の元にもお届けできたらと。
そして2024年中に工場を移転する予定なので、そうなるとハンバーグをもっと増産できるようになります。たくさんの方に弊社のハンバーグを味わっていただけたら嬉しいです。
―取材後、実際に焼いてみましたところ、本当に手軽でおいしい!家庭的な優しさもありながら、しっかりとプロの技も込められた絶品で、ご飯が進みました。温かいお話、ありがとうございました。
「唐津バーグ」(5個セット)
価格:¥3,240(税込)※送料別
店名:いきや食品
電話:0955-72-6485(9:00~17:00 土・日・祝・夏季・年末年始店休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ikiya.shop/?pid=154379912#main
オンラインショップ:https://www.ikiya.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
井上真維(いきや食品株式会社 代表取締役社長)
1985年、佐賀県唐津市生まれ。2005年より家業の精肉店に入る。2017年に法人化し、代表取締役社長に就任。
<文・撮影/鹿田吏子 MC/白水斗馬 画像協力/いきや食品>