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脂の甘みと赤身の旨みが口いっぱいに広がる!稀少部位を惜しみなく使った「近江牛和風ローストビーフ」

2024/03/25

豊かな自然と恵まれた気候風土のなかで育つ「近江牛」は、400年以上の歴史を持つ日本最古の銘柄牛。きめ細かい霜降りとやわらかな肉質、口のなかでとろけるような食感と甘さを醸す極上の味わいです。それを自宅で堪能できるのが、滋賀県安曇川町で130年近くにわたり近江牛に携わってきた大吉商店のお取り寄せ商品。編集長・アッキーのおすすめは、その時々に揃う稀少部位から好みに応じて選べる「近江牛和風ローストビーフ」。4代目社長の永谷武久氏に近江牛にかける思いや商品について伺ってきました。

大吉商店株式会社 代表取締役 永谷武久氏
大吉商店株式会社 代表取締役の永谷武久氏

―御社の歴史をお聞かせください。

永谷 創業は1896年、僕で4代目です。曾祖父にあたる初代・永谷大吉は近江牛に惚れ込んで、人口5万人前後、高齢化が進む小さなこの町(滋賀県安曇川町)で牛馬商をはじめました。以来、畜産農家として近江牛を育て、食肉を生産・販売。のちに精肉店も開設し、130年近くの歴史を歩んで参りました。

―将来会社を継ぐことは幼いころから意識されていたのでしょうか?

永谷 中学生のころからバックヤードに入って、店を手伝ってはいましたが、実を言うとあまり継ぎたくありませんでした。でも23歳のときに父が亡くなり、継がざるを得ない状況になったんです。当時はこのまま事業を続けていけるだろうか、従業員の生活を守っていけるだろうかと、不安で仕方ありませんでした。でも、あるとき母に「自分の好きなようにやってみなさい」と言われて。それをきっかけに、覚悟を持って自分なりに取り組む決意を固めました。そう決めてからは不思議と面白くなってきて、自分の人生が変わっていくような感覚がありました。

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明治期の店舗を背景に、但馬牛の血統牛の傍らに立つ初代・永谷大吉氏。
当時は但馬で素牛を買い付け、安曇川町まで歩いて運んでいた。

―若くして社長に就任され、ご苦労も多かったのでは?

永谷 肉を切ることはできても、経営についてはわかりませんでしたからね。父は徹底した地元主義で、当時は地域のスーパー内に出店していた店舗が売上の要でした。しかし、僕が跡を継いでしばらく経ったころ、小さなスーパーは時代の波に呑まれて撤退。それに伴い、複数持っていた店舗は本店を残すのみとなってしまって。従業員の高齢化も重なり、十数人から4人にまで激減しました。

この窮状から脱するには、思い切って舵を切るしかないと考え、経営の軸を「産地直送ビジネス」に切り替えたんです。郵便局のふるさと小包や、髙島屋の産直ギフト、楽天市場内の自社店舗など、地元から全国へステージを広げていきました。高級志向のお客様や「プレミアム消費」に目を向けたり、東京をはじめとする都市部に照準を合わせたりしたのが功を奏して、どんどん売上を伸ばしていきました。今では国内だけでなく、海外15カ国への輸出事業も行っています。

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安曇川と京都に展開する直営精肉店のほか、
和牛づくしの会席が楽しめる「ぎおん だいきち」など飲食店も経営。
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日本料理の繊細さとモダンなアレンジが融合した独創的な料理を提供してくれる。

―当時と比べ、今は売上が10倍にも伸びているそうですね。

永谷 その理由は単純にマーケットを伸ばしたということと、6次産業化したことにあると思います。父の代は精肉店だけに注力していたのですが、初代と先々代は牧場も経営していましたので、原点に立ち返り「大吉牧場」を立ち上げました。ひとつ自信があったのは、僕には「こういう牛肉を売りたい」という理想があったことです。それまで経験してきた精肉加工・販売業を通して、消費者にどんな牛が好まれるかはわかっていましたから、あとは“いい牛”を育てればいい。畜産を一から学び、先人たちが残してくれた技術と知恵で、理想を追求しました。

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安曇川のほとりにある自然豊かな大吉牧場で、
一頭一頭の顔を見ながら手間ひまかけて近江牛を育てている。

―社長の思う、理想の近江牛とは?

永谷 細かいサシ(小ザシ)が入っていて、赤身が強く、脂質の融点が低い甘みのあるものが理想です。サシが入りやすいのは去勢したオス牛なのですが、僕らは創業当初からメス牛にこだわっています。牛も人間と同じで、オス牛の筋肉のほうが硬いんです。メス牛は赤身の比率も高くて、肉質がやわらかいですから。世界一繊細な舌を持つ日本人には、それが一番合うと思います。

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「近江牛和風ローストビーフ」は、モンドセレクションで7年連続最高金賞を受賞。

―会社として大切にしていることは何ですか?

永谷 これまで全国や海外に事業の幅を広げてきましたけれど、やはり地元は大切にしています。たとえば「近江牛和風ローストビーフ」。これは醤油に一昼夜漬け込んで焼き上げているのですが、使用しているのは安曇川町にある老舗醸造元「岩佐醤油」の天然醸造醤油です。この土地ならではの気候や風土を反映した味わいを、地域ブランドとして伝えていけたら素敵だなと思っていて。僕は自分たちのことを「地域ブランドメーカー」と呼んでいるのですけれど、今後もこの地域にしかない価値を国内外へ提供していきたいです。

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「近江牛和風ローストビーフ」使用するのは、
自然発酵させた醪を2年以上熟成させてしぼった桶仕込みの醤油。
香ばしい香りが肉の旨みを引き立てる。

永谷 近江牛は大きく13部位に分けられるんですよ。サーロインとかリブロースとか。そこからもっと筋を引いて脂を取っていくと、さらに細かくなってミスジやイチボ、はねしたといった稀少な部位が取れます。当然、部位ごとにやわらかさや霜降り度合い、味わいは違いますので、それぞれの特徴を生かした商品作りというのも我々のテーマとしています。

―「近江牛和風ローストビーフ」は部位を選ぶことができるのですね。

永谷 今あるのは、はねしたロース、ランプ、イチボ、ミスジ、ロース、ひうちです。いつでも確保できるわけではない希少部位は、お客さまに電話で確認をしてもらってからご購入いただいております。冷凍で届くので、自然解凍のうえ召し上がってください。早く解凍して食べたい人はボイルして、温かくして召し上がっていただくのもおすすめです。

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「はねしたロース」は肩ロースのなかでもやわらかさ、風味ともに群を抜く稀少部位。
口に入れた瞬間、脂の甘みがじわーっと広がる。

―主な部位の特徴を教えてください。

永谷 はねしたロースは、サーロインよりも霜降りがあって、サーロイン並みにやわらかい部位です。ランプはもも肉のなかでも肉本来の風味とコクに優れた、赤身がちな部位。霜降りも少なめで、ツウ好みの味わいです。イチボはランプに属する部位ですが、とくに霜降りが入っていて脂身がおいしいですね。脂質はさらりとしていて、サーロインやヒレ肉とは異なる赤身特有の旨みが味わえます。

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霜降りと赤身のバランスが良い「イチボ」。
やわらかくきめ細かな肉質で、嚙むほどに脂の甘み、肉の旨みがあふれだす。

―最後に今後の展望をお聞かせください。

永谷 今までと変わらず、ぼちぼちやっていくことです。新しい商品は常に考えていますけれど。海外に出てみて思うことは、日本ってリーズナブルなものを作るスキルがとても高い。でももっとクオリティを上げたものも作れると思うんです。僕はそれをどんどんやっていきたいし、世界に和牛の世界を見せたい。そういう商品作りをしていきたいと思っています。
既存の商品で言えばローストビーフもそうですし、カレーもそうです。1つ800円で販売していて、発売当初はこれが日本で一番高いレトルトカレーでした。スパイスをたくさん使うとコストは上がっていきますけれど、それでも僕はおいしいものを作りたい。そういうスピリットで、お客様に最高のクオリティを見せたいなと思っています。

―本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

「近江牛和風ローストビーフ」(もも)

「近江牛和風ローストビーフ」(もも)
価格:¥10,800(税込)
店名:大吉商店 近江牛お取り寄せサイト
電話:0740-32-0001(9:30~17:30 日・水休み)
商品URL:http://1129.co.jp/shop/index.php?schmode=1&keyword=%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%95&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
オンラインショップ:http://1129.co.jp/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
永谷武久(大吉商店株式会社 代表取締役)

1969年3月、1男4女の長男として生まれる。高校を卒業し、食肉学校を卒業後、流通大手ダイエーや大阪の百貨店で働く。1993年、父親が他界し23歳で家業を継承。当時3店舗であったが、O-157、BSE問題、またAコープ撤退等から1店舗まで減少。現在は5店舗まで増やし、業態も畜産・精肉・飲食等6次化を進めて経営を行う。近江牛はもちろんのこと、近江牛加工品のカレー、ハンバーグ、ローストビーフ等もモンドセレクション等の海外品評会で高い評価を獲得。

<文・撮影/野村枝里奈 MC/伊藤マヤ 画像協力/大吉商店>

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