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「鰻人(うなんちゅ)」の丁寧な職人技が光る!浜名湖育ちのうなぎ蒲焼

2024/05/31

今回、アッキーこと坂口明子編集長がピックアップしたのは、うなぎ養殖発祥の地として知られる静岡県の名産、うなぎの蒲焼。生産者は浜名湖畔に広大な養殖場を有する大和養魚株式会社です。1907年(明治40年)の創業以来、養殖から加工販売まで一貫して自社生産を続けてきた良質なうなぎへのこだわりを、取材スタッフが深掘りしました。

大和養魚株式会社 代表取締役社長 和久田惣介氏
大和養魚株式会社 代表取締役社長の和久田惣介氏

―御社では、うなぎ職人さんのことを「鰻人(うなんちゅ)」と呼んでいるそうですね。

和久田 うなぎに関わる全てのスタッフを、そう呼んでいます。沖縄の言葉で海の仕事に従事する人を海人(うみんちゅ)と言いますよね。それをまねして(笑)、15年くらい前からこの呼び方を取り入れています。うちではうなぎを飼育する人間がさばいて、焼くところまで一貫してやるんです。当社で長年培ってきた技を、スタッフ全員が共通認識し、継承していく、そうすることで、いつでも良質のうなぎをお届けできると考えているからです。

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「手開き」したうなぎは、その状態のまま直火で「手焼き」に。

―創業からうなぎ一筋、117年の歴史をおもちだとか?

和久田 僕の高祖父にあたる人が初代で、1907年(明治40年)創業と聞いています。明治20~30年頃、東京の深川でうなぎの養殖研究をしていた服部倉治郎という人物が、浜名湖を養鰻に最適な場所として日本で初めて養鰻池をつくったのが始まりだそうですから、ほぼその歴史と重なります。倉治郎さんがうちの先祖というわけではないのですが、その頃、浜名湖周辺には彼に続く人が次々と現れたそうなので、初代もそのなかの一人だったのでしょうね。

―浜名湖周辺がうなぎの養殖に適している理由を教えてください。

和久田 もともと浜名湖では天然物のうなぎが収穫できることもあり、養殖用のシラスうなぎ(稚魚)を手に入れやすかったんです。周辺には養殖場をつくる広い土地があり、一年を通じて気候が温暖なことなど自然環境も整っています。弊社では、浜名湖畔の30,000坪の敷地にビニールハウスを建て、徹底した温度管理と水質管理のもと、うなぎの飼育を行っています。シラスうなぎを入れた養殖池にはミネラル豊富な地下水をくみ上げ、常に新鮮な状態をキープ。池の底はコンクリートでなく栄養価の高い土にして、耕したり入れ替えたりしながらできるだけ池の力を高めています。この地の大自然の恩恵を受けることにより、健康で質の良いうなぎが育つというわけなのです。

―大変な手間がかかっているのですね。

和久田 さらに、朝夕のエサやりも鰻人の大切な仕事です。栄養たっぷりの配合飼料を使っているのですが、日々微妙に変化するエサの食べ具合について、うなぎの様子を見極めながら適正量を保つようにします。これには当社の長年の経験を数値化したデータによる在庫管理も役立っています。うなぎは大変繊細な生き物ですので、最大限の健康管理でいかにストレスなく育てるかによって、味わいがまるで違うんです。

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毎日、朝と夕方の2回、
配合飼料と魚油に地下水を混ぜて練ったエサを与えるのだそう。

―同じシラスうなぎを使っても、育て方でおいしさが違うということでしょうか?

和久田 もちろん!まさに職人の腕次第というところです。生育に応じて太さをそろえ、エサ食いをよくして質を上げるための選別をするのですが、これもうなぎを熟知した職人ならでは、寸分の狂いもありません。一匹当たり200gに達した段階で出荷される際には、体重・体長ともにばらつきのない立派に育ったうなぎだけが、職人の目利きによって厳選されていきます。

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「鰻人」の目利きによる、選りすぐりのうなぎだけが、
良質でおいしい蒲焼に。

―さばき方は、関東風の背開きですね。

和久田 じつはさばく前に、もうひと行程。池から取り上げたあと、地下水に4~5日おいて余分なにおいや臭みを抜いています。エサを与えずに流水におくことで体の中のデトックスをしてから、背開きをするのです。一尾一尾、手際よく手でさばく「手開き」です。鮮度が何より大事なうなぎを、活きのいいままわずかな時間で正確にさばいていく巧みな手法は、まさに職人による熟練の技だと言えます。

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効率よりも鮮度を大切にし、
うなぎが生きた状態のまま、巧みな技でさばきます。

―焼き方のこだわりについて教えてください。

和久田 焼きは、蒸さずに焼く関西風にしています。蒸しの加工を行わないことで、栄養分を逃さず、うなぎ本来のうま味とパリッとした皮の食感を楽しんでいただくことができるんです。脂ののったうなぎをそのまま直火焼きするので、職人は片時も目が離せません。一尾一尾、焼き具合を見極めながら返していく、これまた熟練の「手焼き」の技で、外はパリッと、中はふっくらジューシーに焼き上がります。

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一尾ごとに形も厚みも微妙に違うため、
焼き具合を見ながら手早く返して焼いていく。

―たれがまた、絶品です。蒲焼のたれはこうあってほしい、というまさにその味!

和久田 この風味豊かな秘伝のたれを、何度も何度もつけては焼く、そうやって重ねていくことで、ご期待に添える蒲焼が仕上がるのだと思っています。付属のたれも、お好みの量をかけてお召し上がりください。

―パッケージにもこだわりが?

和久田 焼きたての風味と鮮度をしっかり閉じ込める「エージレスパック」を考案しました。袋内の酸素のみ吸収することで、身のふっくら感や質感を損なわず、鮮度をキープしながら冷蔵・冷凍の長期間保存を可能にしています。丹精込めて飼育して、生産から加工まで一貫してこだわり抜いたうなぎですから、おいしさをそのままお楽しみいただけるよう、細心の注意を払っています。

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袋内に少し空気が入っていることによって、
中身を押しつぶすことなく焼きたてのふんわり感を保持できるのだとか。

―どのように食べるのがおすすめですか?

和久田 パックごと湯煎でもレンチンでも、表示どおりに温めていただくだけで、手軽に召し上がれます。まずはホカホカの温かいご飯にのせて、うな重でどうぞ。

―あの四角いお重を持っていないのですが…。

和久田 全く問題ありません。そもそも半分に切って食べなければいけないという決まりはないのですから。器に合わせて食べやすい長さに切り、盛りつけてたれをかけるだけで、絶品うな丼が味わえますので、ご家庭にお重がなくても十分楽しめます。

―上手な盛りつけ方はありますか?

和久田 2センチくらいの幅に切って、ご飯の上に山高に積み上げていくのはいかがでしょう。某有名うなぎ店のような豪快でおいしそうな見た目になります。

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食べても食べてもうなぎが出てくる盛りつけで、
豪快にかき込みたい!

―和久田社長がお気に入りの、ひと味違った食べ方を教えてください。

和久田 じつは蒲焼は、レモンを絞って食べてもおいしいです。お皿に一尾そのまま置いて、くし切りのレモンを添え、絞りながら食べる…。甘辛いたれに酸味が加わって、お酒のあてにも最高です。うなぎに脂がのってますから、レモンを絞ることで少しさっぱりして、また違った味わいになります。

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蒲焼を切らずにどーんと長皿に置き、
カットレモンを添えて絞りながらいただきます。

―おもしろいアイデアですね!どうやって思いついたのですか?

和久田 蒲焼のアレンジ料理でロコモコ風、というのをスタッフが提案していまして、うな丼にレタスと目玉焼きとレモンをのせています。それで、意外とレモンも合うんだ!と気づきまして。他にもコチュジャン炒めやうな玉炒めなど、おもしろいレシピを弊社のホームページにたくさん掲載していますので、よかったら覗いてみてください。

―添付の山椒もおいしいですが、他におすすめの薬味はありますか?

和久田 私は刻みのり、ワサビ、刻みネギ、王道ですがこの3つが一番おいしいと思っています。ひつまぶしみたいに味変して食べるのですが、お出汁はかけずにいただきます。かけると、せっかくのおいしいたれが流れてしまって、価値が半減すると思うからです。

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薬味をいくつか揃えて、少しずつ味変しながら食べるのもまた一興。

―なるほど、わかる気がします!さっそく試したくなりました。

和久田 冷凍保存も可能ですので、多めに取り寄せてぜひいろいろ試してみてください。冷凍庫(-18℃以下)に入れて2か月ほど日持ちします。

―それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。

和久田 地域のお子さんたちに、うなぎ養殖の現場をぜひ見て、体験していただきたいと思っています。職人たちが手間ひまかけて生産している姿から学ぶものは、少なからずあると思うのです。そこからこの広大なスペースに興味をもって、いつか観光スポットのようにたくさんの人たちが集まってくれるようになるといいなと考えて、準備を進めている最中なんです。

―それは、楽しみですね!本日はありがとうございました。
歴史ある浜名湖のうなぎに、もっとたくさんの人に長くずっと親しんでもらいたい、と語る和久田社長。人を大事に育て、技を継承することで、うなぎ養殖の発展につなげていきたいという思いが、取材を通じて伝わってきました。

「【浜名湖育ち】うなぎ蒲焼2尾」うなぎ蒲焼2尾(計240g)、たれ・山椒×2

「【浜名湖育ち】うなぎ蒲焼2尾」うなぎ蒲焼2尾(計240g)、たれ・山椒×2
価格:¥5,380(税込)
店名:大和養魚
電話:0120-52-7109(9:00~7:00 日曜日・祝日除く ※土曜日は不定休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.daiwaeel.com/?pid=180163343
オンラインショップ:https://www.daiwaeel.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
和久田惣介(大和養魚株式会社 代表取締役社長)

1980年静岡県生まれ。うなぎ業界のリーディングカンパニーである三和淡水魚株式会社・株式会社ての字での修行を経て2004年に大和養魚株式会社へ入社。2021年に同社代表取締役社長に就任。2020年浜松青年会議所理事長、2017~2018年全国養鰻業者青壮年部連合会会長を務め、地域活動や業界活動の発展にも務める。

<文・撮影/亀田由美子 MC/三好彩子 画像協力/大和養魚>

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