横浜元町といえば、西洋風の街並みや70年代に流行したハマトラファッションが有名です。永く愛される老舗も多く、洗練されたアイテムや美味に出合えます。今回、編集長アッキーが注目したのは、元町を代表するフレンチレストラン「霧笛楼(むてきろう)」のオリジナルスイーツ「横濱煉瓦」。霧笛楼を運営する株式会社鈴音の代表取締役社長 鈴木令二氏に、名店のこだわりや商品の魅力について伺いました。
横浜土産におすすめ!元町の名店が手がける濃厚フォンダンショコラ「横濱煉瓦」
2024/05/02
株式会社鈴音 代表取締役社長の鈴木令二氏
―創業当時は鶏卵の卸売業などをされていたそうですね。
鈴木 はい。私の曽祖父が1914年に横浜の中区で鈴音の前身となる「駿河屋」を開業し、当時は乾物など日持ちがする食品の販売や鶏卵の卸業をしていたそうです。ほどなくして元町に移り、1950年に株式会社鈴音を設立しました。その後、私の父と親子2代で惣菜の販売やレストランなどの飲食事業を展開し、「飲食店をやるなら思い切った高級レストランをやりたい」という想いから、それまでの事業を整理して1981年にフランス料理を提供する「仏蘭西料亭 横濱元町 霧笛楼」を開店しました。
レストランの横にある元町仏蘭西菓子店には霧笛楼ならではの厳選された洋菓子が並ぶ。
西洋文化が花開いた古き良き横浜の世界観を感じられる霧笛楼の外観とレストラン&バーフロア。
鈴木 現在は鶏卵卸売・国内外の食肉加工販売、調理食品の製造販売を行う鈴音事業部と、レストラン・カフェの経営、洋菓子の製造販売を展開する霧笛楼事業部という2つの事業に取り組んでいます。
弊社は10年前に100周年を迎えましたが、戦前から現在に至るまで地元の人たちに「食」で幸せになっていただくということをずっと続けてまいりました。
―レストランのデセール(デザート)をテイクアウトにしたきっかけは?
鈴木 1981年に霧笛楼を創業してまもなく、食事をされたお客様から霧笛楼のデセールを持ち帰りたいというお声が上がりまして、洋菓子事業を始めました。当初はビスケットなどのシンプルなお菓子から始めて、徐々にチョコレートや日持ちのするお菓子、生ケーキなどと種類を増やしていきました。
レストランで食べられるデセールたち。
―ロングセラーの「横濱煉瓦」とはどんなお菓子ですか?
鈴木 一言で表現するなら、新感覚フォンダンショコラです。見た目はガトーショコラなのですが、生食感に近い味わいが特徴です。
コク深くしっとりとした食感になるよう、焼きたてのチョコレートケーキに溶かしたチョコレートとクルミソースをたっぷり染み込ませ、さらにクルミソースを上がけしています。最後にブランデーで香りづけをして、濃厚で重厚なおいしさのチョコレート菓子に仕上げています。
横浜で作られていた西洋レンガをモチーフにした「横濱煉瓦」は永く愛される看板商品。
鈴木 クルミソースにもこだわっていて、工場でクルミからペースト状にしています。クルミ独特のコクと香ばしさを残すためなのですが、クルミを炒って潰してペースト状にするため、クルミの繊維や皮も混ざっています。そのため、お客様からたまに「これは何ですか?」と聞かれることがあります(笑)。
―「横濱煉瓦petit」についても教えてください。
鈴木 「横濱煉瓦petit」はもともと「煉瓦の誘惑」という名称で販売していたのですが、「横濱煉瓦」のハーフサイズであることが分かりやすいようにリニューアルした商品です。「横濱煉瓦」はかなり濃厚であるため、ご年配の方やお子様が食べやすいように軽量化してほしいというご要望をいただいていました。
なるべく手軽に召し上がっていただきたいので、食べ切りサイズを簡易包装しています。リニューアルの際に簡易包装はSDGsを意識して、プラスチックナイフの装入と包装紙によるラッピングをやめました。
ファミリーでシェアしやすい「横濱煉瓦petit」は気軽に食べられる個包装タイプ。
―おすすめの食べ方は?
鈴木 季節によっておすすめの食べ方が変わります。夏は「横濱煉瓦」を冷蔵庫で冷やしてアイスを添えて食べるのがおすすめです。冬はトースターやレンジで少し温めていただくとおいしいです。ただし、トースターやレンジで温める場合は温まり具合を確認しながらにしてください。温め過ぎると上がけしたクルミソースがドロドロに溶けてしまうため、程よく温めるのがポイントです。
―他にどんなフレーバーがありますか?
鈴木 「横濱煉瓦」だとほぼ同時期に発売された「横濱白煉瓦」があります。現在は「横濱煉瓦ショコラブラン」という名称ですが、ホワイトチョコレートのトップに爽やかなラズベリーソースを合わせています。また、「横濱煉瓦petit」には苺ミルクもあります。以前、横濱煉瓦の季節限定で販売した際に人気だったフレーバーが通年販売になりました。
ラズベリーの酸味が爽やかなショコラブランとどこか懐かしい味わいの苺ミルクのフレーバー。
―季節限定の販売もあるのですね。
鈴木 レストランでもそうなのですが、弊社には日本の四季を味わっていただきたいという想いがあります。そのため、今までも季節限定のフレーバーをいろいろ販売してきました。
例えば、バレンタインに合わせて発売したハイカカオの「横濱煉瓦」です。今回はチョコレートの原材料から見直しました。エクアドル産のカカオマスを使用し、ビターでフローラル感のある大人の味わいに仕上げました。
この商品ではあえてクルミソースは使用せず、ラズベリーソースを商品に付けています。ハイカカオとの相性もよく、ソースをかけて味変を楽しんでいただけます。
「カカオ薫る横濱煉瓦ラズベリーソース付」は、
上質な大人のティータイムにぴったり。
―「横濱煉瓦」のフレーバー展開のこだわりは?
鈴木 ここ数年は“霧笛楼ならでは”を意識してフレーバーを展開するようにしています。例えば、最近であれば生ケーキになぞらえてモンブランですとか、あとは現在休売中ですが、当店で人気の「ルージュルージュ」というムースケーキのフレーバーも販売しました。
他にも、レモン味にフランスのゲランドの塩をアクセントに使用した夏季限定商品など、レストランのデセールらしさが伝わるようなフレーバーを意識しています。
また、横浜土産として親しまれるように、今後「横濱煉瓦petit」に横浜産の食材を使うことも視野に入れています。横浜産の食材はあまり周知されていないようですが、意外にいろいろあります。レモンやイチゴ、お米など、レストランでも横浜産の食材を使うことがあります。
―本当に、横浜土産としてもぴったりですね!
鈴木 霧笛楼の開店当時から言われているのは、横浜には「これぞ横浜」と自信を持っていただけるような商品がないということです。もちろん、当時もいい商品はあったはずですが、少なかったのだと思います。
そのようななかで「横濱煉瓦」はかなり材料にもこだわってきた歴史がありますし、ここぞという時の手土産にお使いいただけるような商品です。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
鈴木 現在、レストランのデセールのテイクアウトや霧笛楼の人気メニューであるカレーのレトルトの販売なども行なっていますが、食べ物を日持ちさせる技術はどんどん進化しています。ですから、普通にフレンチをご家庭で召し上がっていただけるようにできたらと考えています。今後は「横濱煉瓦」だけでなく霧笛楼自慢のフレンチを味わっていただけるような商品のバリエーションも増やしていきたいです。と言っても、まだまだ構想段階ですが(笑)。
また最近は、お客様のご希望に沿えるように、新商品を発売するたびにお客様アンケートを取るようにしています。直接いただくお声を参考にして今後の商品展開に活かしていきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「横濱煉瓦」(4個入り)
価格:¥1,404(税込)
店名:横濱元町 霧笛楼
電話:0120-77-1424(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://mutekiro.net/products/renga-4-1001001
オンラインショップ:https://mutekiro.net/
「横濱煉瓦petit」(6個入り)
価格:¥1,404(税込)
店名:横濱元町 霧笛楼
電話:0120-77-1424(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://mutekiro.net/products/petit-choco-6-1007602
オンラインショップ:https://mutekiro.net/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
鈴木令二(株式会社鈴音 代表取締役社長)
1984年神奈川県横浜元町生まれ。2007年に横浜銀行へ入行して6年半務めた後、2013年12月に株式会社鈴音へ入社。2023年4月に同社代表取締役社長に就任。
<文/ウツギナオコ MC/三好彩子 画像協力/鈴音>