2024/05/13
「シクロデキストリン」とも呼ばれている環状オリゴ糖は、トウモロコシから作られていれる天然のオリゴ糖です。1nm（ナノメートル）のほどの大きさで筒状になっており、においを取り込む作用があります。消臭スプレーに使われている他、健康飲料やチューブ入り調味料などにも使われているんだそう。
株式会社コサナでは、環状オリゴ糖の作用に注目して商品開発を行っています。今回は編集長アッキ―こと坂口明子が気になった環状オリゴ糖について、研究と商品開発を行なっている株式会社コサナ 代表取締役社長の寺尾啓二氏に、取材陣がお話を伺いました。
―環状オリゴ糖の研究はいつから？
寺尾 20代後半の頃に始めたので、今から40年ほど前です。私は、いろいろなものを研究・開発するのが好きなんです。起業する前は、環状オリゴ糖の研究・開発に力を入れていたワッカーケミー社（以下、ワッカー）というドイツの企業に入社し、環状オリゴ糖の研究に携わっていました。
―応用研究を始めたきっかけは？
寺尾 ドイツにあるワッカーの中央研究所でゲーハート・シュミットというバイオロジスト（生化学者）と出合ったことがきっかけで、環状オリゴ糖の応用研究やビジネス開拓をやるようになりました。
環状オリゴ糖は3種類あるのですが、1990年頃、ゲーハートは、とうもろこしから3種類ともすべて製造できるすばらしい方法を見つけました。今でも、3種類の環状オリゴ糖を製造できる会社は世界にワッカーしかありません。後に、ゲーハートは中央研究所から事業部にトップとして異動し、環状オリゴ糖の販売に注力することになりました。
―応用研究を行う会社も創業もされたとのこと。
寺尾 2002年に株式会社シクロケム（以下、シクロケム）という会社を作りました。
ワッカーは世界で唯一の3種類すべての環状オリゴ糖のメーカーです。その事業部トップのゲーハートは、私に日本で環状オリゴ糖のビジネス構築のための会社を設立することを提案してきました。
しかしながら、2000年頃には、環状オリゴ糖はいろいろな製品に使われていたとはいえ、世間的な認知度はまだまだ低い状態で、広く知ってもらうにはその良さをもっとアピールする必要がありました。
日本で環状オリゴ糖を展開するにあたり、その応用研究は欠かせません。そこで、シクロケムの設立にあたっては、環状オリゴ糖のビジネス開拓とともに応用研究も行える会社として立ち上げることになりました。今では、ワッカーは世界で唯一の環状オリゴ糖メーカーであり、シクロケムは環状オリゴ糖の応用研究において世界でオンリーワンの会社となっています。
―シクロケムでは、どのような研究・開発を？
寺尾 当時から、食品分野への展開を考えて研究していました。世間では、オリゴ糖に対して「お腹に優しい」「腸の環境を整える」というイメージがあったので、それを生かしたいと考えたためです。
そこで、いろいろな機能性素材と環状オリゴ糖との組み合わせを中心に研究を始めました。
―その後、2006年に御社を創業されたと。
寺尾 研究の結果、シクロケムはコエンザイムQ10などの機能性栄養素を効率よく肌や体に吸収させる技術を持っていたので、それをうまく利用して既存品よりも効果的な化粧品やサプリメントを作りたいと考えていました。
ただ、シクロケムはtoB向けの会社ですので、そのような消費者向け製品を販売できるようにするために、弊社を立ち上げました。
―「パーソナル化サプリメント」にした理由は？
寺尾 健康になるためには、運動と栄養が重要です。しかし、必要な機能性栄養成分は一人ひとり違うので、自分に合ったものを一つの製品で摂れるようにしたいと思いました。
また、世の中には一つの機能性栄養成分に特化したサプリメントがたくさんありますが、錠剤やソフトカプセルのようなものだと必要なものを何種類も一緒に飲むのは非常に大変です。
そこで、弊社にある環状オリゴ糖によるパウダー化技術を活かして、一つにまとめることで飲みやすくなるようにしました。
―ベースサプリメントにプロテインを配合したのは？
寺尾 一般的には「若者が筋肉をつけるためにプロテインを摂る」と思われていますが、本当は筋肉を維持して健康で美しくいるために高齢者や女性を含めてすべての方が摂るべきです。プロテインはいろいろな世代の人が共通して必要な機能性栄養成分ですので、ベースに配合しました。
特に高齢者は、タンパク質の減少によって筋肉が衰えた結果、それが理由でフレイル（健康と要介護の間の虚弱な状態）になり、最終的に介護が必要な体になってしまいます。それを防ぐカギになるのが、プロテインだと考えています。
―その他の成分の選択は、どのような基準で？
寺尾 気になっている体の症状に合わせて選ぶ方法と、遺伝子検査で足りないものを調べて選ぶ方法があります。
遺伝子検査は、弊社が提携している企業でも受けられます。2万円ほどで受けられるので、自分の体の特徴や必要な栄養素が何かを知るために、ぜひご活用ください。
―「パーソナル化サプリメント」のその他の特徴は？
寺尾 体でつくられている消化酵素のプロテアーゼ（タンパク質を分解する酵素）の手助けができるよう、キウイフルーツパウダーを配合していることです。これにより、小腸でプロテインから効率的に筋肉を作るために必要なBCAAなどのアミノ酸に変えて体に吸収しやすくしています。
―なぜキウイフルーツなのでしょうか。
寺尾 キウイフルーツにはアクチニジンというプロテアーゼが含まれているからです。ただ、アクチニジンは不安定で直ぐに酵素活性は消失します。そこで、環状オリゴ糖で安定化させてパウダーにしています。
プロテアーゼが十分に体内で作られていれば、摂取したプロテインはきちんと分解されます。しかし、不足する場合はプロテインをアミノ酸にうまく分解できません。分解できないと、プロテインは大腸にまで運ばれてしまい、アンモニアやフェノールなどの毒性の強い腐敗産物を作る原因になってしまいます。
腐敗産物が溜まると腎機能障害や肝性脳症といった怖い疾患を患うこともあるので、単にプロテインを摂取すればよいわけではありません。小腸できちんとアミノ酸に変えられるようにすることで、そういったトラブルが引き起こされるのを防いでいます。
―αオリゴ糖も配合。役割は？
寺尾 αオリゴ糖は3種類の環状オリゴ糖の1つでスーパー食物繊維として働き、腐敗産物を減らす役割があります。キウイフルーツパウダーでタンパク質の分解を手助けしても、どうしても大腸に至ってしまうものもあるので、そこにアプローチするために配合しました。
―「パーソナル化サプリメント」の飲み方は？
寺尾 牛乳でも水でも、お好きなものによく混ぜて毎朝1回お飲みください。混ぜておいしくして飲むだけなので、習慣化しやすいと思います。
また、「パーソナル化サプリメント」に入っているプロテインを形成しているアミノ酸の１つであるトリプトファンも、注目してほしい成分の一つです。トリプトファンは体の中に入った後、じわじわと形を変えてセロトニンになります。セロトニンは「幸せホルモン」とも言われており、ストレスを抑えられる効果が期待できます。
さらに、15時間後にはメラトニンという成分に変わり、入眠を促してくれるので、ぐっすり眠れるようになるはずです。朝飲んでおけば、ちょうど就寝時にメラトニンに変化します。健康のために、ぜひ毎朝の習慣として「パーソナル化サプリメント」を取り入れてみてください。
―分かりやすく教えていただき、ありがとうございました！
「パーソナル化サプリメント」（1袋30回･約1カ月分）
価格：¥4,320～（税込）
※上記は、ベースサプリ「運動ソイ100」の価格です。お客様が選ばれるベースサプリ･トッピングサプリ有無によって料金や内容量が変わります。
店名：コサナ オンラインショップ
お問い合わせメール：
personalized_supplement@cosana.jp
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
パーソナル化サプリメント公式HP：
https://psup.cosana.jp/
LINE公式アカウント：https://lin.ee/iEEm7EX
Instagram公式アカウント：https://www.instagram.com/cosana__personal_supplement/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
＜Guest’s profile＞
寺尾啓二（株式会社コサナ 代表取締役社長）
1957年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科博士課程修了後、ワッカーケミー社での勤務を経て、2002年に株式会社シクロケムを設立。2011年からは株式会社コサナの代表取締役社長も兼任。セミナーの他、ラジオNIKKEI「健康ネットワーク」への出演、書籍「マンガですっきりわかるなりたいカラダになれる栄養素大全」の出版など、精力的に活動中。
＜文・撮影／奥山りか MC／三好彩 画像協力／コサナ＞
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