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びわの香りとうま味がぎゅっと詰まった道の駅のロングセラー「房州産びわゼリー」

2024/05/14

道の駅のホームページを眺めながら旅気分を味わっていた編集長アッキ―こと坂口明子の目に止まったのは、「道の駅とみうら枇杷倶楽部」などを運営する株式会社ちば南房総が製造販売している「房州産びわゼリー」。ほどよい酸味と甘み、そしてジューシーな味わいがたまらないと評判です。今回は株式会社ちば南房総の代表取締役社長であり、南房総市市長でもある石井裕氏に、房州産びわの魅力や「房州産びわゼリー」の製造に関するお話を伺いました。

株式会社ちば南房総 代表取締役社長の石井裕氏
株式会社ちば南房総 代表取締役社長の石井裕氏

―「ちば南房総」という会社について教えてください。

石井 当市には道の駅が8つあり、運営している事業体は7つあったのですが、そのうちの3社が合併して、株式会社ちば南房総となりました。さらに、2020年にも新たに2社が合併し現在に至っています。合併によって、事業のスピード感もあがると同時に、道の駅同士の連携も図りやすくなりました。

―石井社長は南房総市の市長でもいらっしゃいます。市長になられたきっかけを教えてください。

石井 市長になる前は千葉県の県議会議員をしていました。政治の道を志した大きな理由は、過疎化の進むこの地域を少しでも政治の面から良くしたいという思いでした。

地域の皆さんの暮らしやすさを高め、暮らし続けたいと思ってもらえるような、また、移り住んでみたいと思ってもらえるような街づくりを目指しています。南房総市は自然豊かな場所ですので、街作りの基本としては、自然との共生も重視しています。

―どのような、自然との共生の取り組みを行っているのでしょうか。

石井 例えば、道の駅の取り組みも、自然との共生を基本的なコンセプトとしています。この地域ならではの自然環境を生かしつつ、少しでもお客様においでいただけるような環境作りや、商品開発を行っています。南房総は海、山、田畑など、自然に恵まれた地域ですから、そのような地域の魅力を道の駅を通じて発信していきたいと考えています。

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南房総市にある道の駅とみうら 枇杷倶楽部。
おしゃれな外観で、中にはカフェもある。

―道の駅では、南房総市の特産品の一つである房州産びわを使った製品を製造販売しています。

石井 南房総のびわは、形が丸々として大きいのが特徴です。平均して80g程度ありますでしょうか。味は酸味と甘みのバランスがとても良く、果汁が多くてみずみずしさがあります。どこの産地の方も自分のところが一番おいしいとおっしゃると思いますが、手前みそになりますが私にとっては南房総のびわが一番。そのようなびわを様々な商品に活用しています。

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まん丸とした南房総市のびわ。ハウスびわは5月、露地びわは6月が収穫期。

―数々のびわ製品のなかでも「房州産びわゼリー」が人気です。

石井 当社の道の駅ではNo.1ヒット商品です。ロングセラーとして皆さんに愛し続けていただいているというのはとてもありがたいと思っています。

―商品づくりのこだわりも教えてください。

石井 「房州産びわゼリー」の製造は外部に委託していますが、原材料のピューレは当社で製造しています。そのピューレをふんだんに使っているので、本物のびわの味に近いものが楽しめると思います。

ほかに、ソフトクリームなどの商品もありますが、いずれもびわ本来の良さを損なわないようにすることを、開発・製造のこだわりとしています。

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プルルンとしてとてもジューシー。口いっぱいに香りが広がる。

―なぜ、びわに?

石井 当市の道の駅は開設から30年近く経っており、たくさんの先輩方が苦労されて、商品開発をしてきました。

びわを使った商品の開発が始まったのは私が社長になる前のことなので、当時のことは詳しくは分かりませんが、びわは南房総にとって重要な特産品ですし、それを生かした製品を広く届けるというのは、素晴らしい着眼点であったと思います。

―びわを通じて地域をアピール、ということでしょうか。

石井 それだけではありません。びわは傷がつきやすい果物で、少しでも傷がついたら店頭で売れなくなってしまいます。しかし、表面に傷があるからといって、おいしさを損なっているわけではありません。十分に食べられるけれど、見た目の問題で売り物にならないというだけのことです。そのようなびわを大量に買い上げて加工品とすることで、丹精込めて育てられたびわを無駄にしなくて済みます。地元の農家所得向上の下支えをすることも可能です。

―無駄を出さないというのは現代のSDGsにつながるものがあります。

石井 普通だったら活用されないようなものも活用できる。無駄を出さずに、かつ、農家の方々の収入のサポートができるということが、こうした様々な商品開発の原点にあります。

―ところで、主にどのような方が買われていきますか?

石井 やはり旅行でいらした方々に、南房総ならではのお土産ということで買っていただいていますが、実は地元の方にもよく贈答用として、活用していただいているようです。

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6個セットや9個セットなどはお土産に最適。
個包装になっているので職場などでも配りやすい。

―南房総ではほかに、びわの楽しみ方はあるのでしょうか。

石井 南房総ではびわ狩りもできます。今までびわを食べたことがなかったという方でも、その場で食べると思わずファンになってしまうということがあるようです。何度も訪れる方がいらっしゃるとも聞いています。

もぎたては本当に味わいが違うので、ぜひ食べに来ていただいて、帰りには「房州産びわゼリー」をお土産にしていただけたらうれしいですね。

―びわのもぎたては、どのような味わいなのですか?

石井 びわは追熟しないため、もいでから甘みが増すということはなく、もぎたてが一番おいしいとされています。酸味も甘みもみずみずしさもたっぷりと感じられます。ですから、ぜひもぎたてを一度味わっていただきたいと思います。

―もぎたてがおいしいとなると、ピューレに加工するまでの期間が大事ですね。

石井 なるべく仕入れてから短期間で加工することが大切です。日にちが経てば経つほど、味も風味も損なわれていってしまいます。

5月から6月にかけて約15トンのびわを農家の方から買い取りますので、それらをどの程度の早さでというのはなかなか申し上げるのは難しいですが、できるだけ早く、一次加工原料まで処理するようにしています。

―ちば南房総としての今後のビジョンを教えてください。

石井 現在、総合加工施設の建設に着手しています。今年度中に完成する予定になっていますが、完成すれば、今までは別々の工場で行ってきた製造が集約できるようになります。以前から製造販売しているびわ製品や、酪農関係の加工品のほか、新しい商品開発も行っていく予定です。

―どのような製品を開発予定ですか?

石井 環境や人に配慮した、いわゆるエシカル商品を考えています。今、エシカルは多くの地域でキーワードとして重要視されていますが、もともと自然との共生を行っている当市としても、環境や人に配慮したアイテム作りをしたいと考えています。その第一弾として、自社製造している牛乳を使ったプリンに出荷規格外の農産物で作ったジュレを合わせた「嶺岡プリン」(ミルクプリン)シリーズを開発することでフードロスに貢献していきたいと思います。

また、南房総いいもの市場というインターネットのお取り寄せサイトを運営していまして、これからも「房州産びわゼリー」をはじめ、地域の良いものを、なかなか南房総にお越しいただけない方にお届けしたいと思っています。

―お忙しい中、貴重なお話、ありがとうございました。

房州産びわゼリー

「房州産びわゼリー」(80g)
価格:¥350(税込)
店名:南房総いいもの市場
電話:0470-33-4611(10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.mboso-etoko.jp/view/item/003000000002
オンラインショップ:https://shop.mboso-etoko.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
石井裕(株式会社ちば南房総 代表取締役社長)

1966年 千葉県南房総市(旧安房郡千倉町)出身。日本大学法学部卒業後、1988年に元衆議院議員浜田幸一代議士の秘書となる。千葉県議会議員を2期7年務めた後、2006年に南房総市市長に就任。現在、5期目となる。南房総市が出資している株式会社ちば南房総の代表取締役社長でもあり、一般社団法人全国道の駅連絡会の会長も務める。

<文・撮影/平野智美 MC/白水斗馬 画像協力/ちば南房総>

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