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透明カップと赤いハートで大変身!おしゃれなデザインと虜になる味のあんみつ「and3」

2024/05/21

年配の方のおやつというイメージの「あんみつ」ですが、今回編集長のアッキーが気になったのは、SNSでも注目される幅広い世代に人気のあんみつ「and3(アンドスリー)」。赤いハートが目を引くこちらのあんみつは、写真映えするカラフルな見た目と伝統的なおいしさを両方楽しめると評判です。株式会社郡山製餡 代表取締役の佐藤裕文氏に、「and3」誕生のきっかけやこだわりについて伺いました。

株式会社郡山製餡 代表取締役 佐藤裕文氏
株式会社郡山製餡 代表取締役の佐藤裕文氏

―御社の創業からの歩みについてお聞かせください。

佐藤 もともと私の家は「丸日佐藤製餡所」として大正時代からあんこを作る仕事をしていました。その後1974年に、私どもを含む福島県の製餡所5社が協業組合のかたちで「郡山製餡協業組合」を創立し、1976年に創業したのが弊社の成り立ちです。2007年には株式会社に組織変更をいたしました。

私は大学を卒業後、会社を継ぐために愛知県名古屋市の製餡所「株式会社イワノヤ」で修業をさせていただき、戻ってきて弊社に入社し、2018年に社長に就任しました。

―どんな商品を作ってこられたのですか?

佐藤 あんこを製造し、お菓子屋や企業に卸すのが主業務だったのですが、40年ほど前からあんみつや水羊羹などを作り、地元のスーパーなどを通してお客様にお届けするようになりました。弊社の会長が、夏場になるとあんこの消費量が落ち込んで工場の業務が減ってしまうので、その時期に別の仕事ができないかと考えたのがきっかけです。

弊社にはレトルト製造の設備がありましたので、当時はあんこのお菓子の他に、おでんやカレーなども製造していました。レトルトの設備はあんこ作りにも非常に重要で、この設備で殺菌することにより、作り立てのおいしさのままで日持ちの長いあんこができるのです。

―今回紹介するあんみつ「and3(アンドスリー)」開発のきっかけをお聞かせください。

佐藤 開発のきっかけは東日本大震災の影響です。福島県に対する風評被害などであんこの売り上げが落ち込み、助成金を申請することになりました。助成金の給付には「新商品の開発」が条件だったので、知り合いのデザイナーにアドバイスをもらいながら新商品を開発し、試行錯誤を重ねて白い紙のコーヒーカップにあんみつを入れるという、「and3」の原型が生まれました。

その後、東京の商談会で出会ったバイヤーの意見や、東京で流行していたコーヒーショップの容器からもヒントをもらい、透明カップにあんみつを入れて具材の色合いを活かした、現在のデザインが完成したのです。

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赤いハートの寒天などのカラフルな具材と、たっぷりのあんこが特徴の「and3」。

―「and3」というおしゃれな名前や、具材の赤いハートもインパクトがありますね!

佐藤 「and3」は「あんみつ」のごろ合わせとしてデザイナーが考えてくれました。寒天の赤いハートは、会長である私の父が強く希望して入れたものです。私は、赤いハートはいかにもという印象があり少し躊躇しましたが、結果的にはインスタグラムなどで大きく注目される結果となりました。

あんみつ自体は長年作ってきたものとほとんど同じなのですが、デザインを変えただけで、アパレルショップなど全く違う販路にまで広がり、とても驚いています。ただ、弊社はあくまで製餡所なので、やはりあんこを主役に食べていただきたく、あんこの量を従来のあんみつの30gから50gへ増やすなどのアレンジも施しました。

―あんみつの主役であるあんこについて、こだわりを教えてください。

佐藤 あんこには北海道産の小豆を使用し、200kgのあんこを炊ける大きな釜で、1時間ほど火加減を調整しながら作ります。最初は強火で、その後だんだん火を弱くし、じわじわと炊くのがポイントです。

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あんこ製造には長年の調整力を活かして手間暇をかけ、おいしさにこだわっている。

佐藤 小豆の粒の形をきちんと残しつつ柔らかく炊くのは難しいのですが、製餡の技術を駆使して丁寧に炊き、おいしく仕上げました。「and3」はあんこの量を増やしたので、食べ飽きないよう砂糖と水飴の配合を変えて甘さ控えめにしています。

―カラフルな寒天やフルーツについても教えてください。

佐藤 寒天は色が白いものとオレンジ色のもの、赤いハートの寒天と緑色の抹茶寒天が入っています。白とオレンジ色、赤いハートの寒天は粉寒天で作っており、緑色の抹茶寒天には粉寒天の他こんにゃく粉も合わせました。粉寒天のみの寒天は弾力のある食感に、こんにゃく粉の入った寒天はモチッとした食感になり、変化を楽しめます。

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愛知県西尾産の香り豊かな抹茶を使用した「and3 抹茶あんみつ」。

佐藤 フルーツはスライスした桃とみかん、パイナップルが入っています。また、赤えんどう豆を一粒入れるのも昔からの伝統です。これらの具材を、保存性を高めるためシロップに浸けて袋詰めしました。「and3」のパッケージを開けると、フルーツや寒天などが入った袋とあんこの袋、そしてスプーンが入っています。

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容器を開けると北海道産小豆のあんこやフルーツ・寒天が袋詰めされており、
自分で合わせてあんみつを完成させる。

―お客様の反応はいかがですか?

佐藤 「and3」の客層として想定していた30~40代のお客様にご好評をいただき、リピーターも増えているので嬉しい反応だと思います。ただ、予想よりはるかに需要が多く、スムーズに供給できなかった時期もありました。

発売当初に東京都の百貨店やスーパーで取り扱っていただいたところ、他の地方のバイヤーの目にとまり、お問い合わせが増えて売り場が広がっていきました。今では九州から北海道まで、全国で「and3」を販売していただいています。

―「and3」のおすすめの食べ方について教えてください。

佐藤 冷蔵庫で冷やして食べるのがおすすめです。ただ「and3」にはレトルトの技術を使用しており、常温で120日の賞味期限がありますので、日頃は常温で保存し食べる前に冷やすと良いでしょう。クリームあんみつのようにアイスクリームを乗せるのもおいしいです。

「and3」にはあんこが抹茶味の「and3 抹茶あんみつ」もあり、こちらも全国からご注文をいただいています。ご自宅用はもちろん、贈答品としても人気です。

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アイスクリームを乗せると、
あんこの甘さやフルーツの酸味が引き立って格別のおいしさ。

―御社の今後の展望についてお聞かせください。

佐藤 「and3」が脚光を浴びるなか、需要に沿った供給ができない状況や、労働時間が増えて工場の職員に負担がかかる状況が続いたため、2023年の3月にあんみつ専用の新工場を建設しました。「and3」をたくさん作れるようになりましたので、さらに販路を広げていければと思っています。

また、「and3」の新しいバージョンについても計画しています。いままでも、春限定の「さくらあん」、期間限定の「ゆずこしあん」などのあんみつを販売してきました。現在バイヤーから「いちごやレモンのあんみつはできないか」という要望があり、計画を立てているところです。

―味のバリエーションを広げていくのですね。

佐藤 はい。レモンのあんこは比較的作りやすいのですが、いちごは酸味と爽やかさを出すのが非常に難しい、難易度の高いあんこです。しかし「and3」の基本のあんこと抹茶は定番になりつつあるので、目新しさがなくならないよう、企画品の数やセット商品のバリエーションを増やしていき、「and3」というブランドをさらに広めていきたいと思っています。

ただ、株式会社郡山製餡としては業務用のあんこの売り上げも伸ばしていく必要があります。いまは「and3」の会社として名前が独り歩きしている面があるので、原点に立ち返り、製餡所であることをもっと打ち出していきたいです。

―素晴らしいお話をありがとうございました。

「and3 あんみつ 6個セット」(240g×6個)

「and3 あんみつ 6個セット」(240g×6個)
価格:¥3,350(税込、送料込)
店名:福島の逸品勢ぞろい ふくしま市場
電話:024-954-9930(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://fukushima-ichiba.com/products/n288a04
オンラインショップ:https://fukushima-ichiba.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
佐藤裕文(株式会社郡山製餡 代表取締役)

1975年福島県生まれ。大学卒業後、愛知県の製餡所 株式会社イワノヤに入社し、2年の修業期間を経て1999年に株式会社郡山製餡へ入社。2018年に同社代表取締役社長に就任。

<文・撮影/ふるとりあやめ MC/三好彩子 画像協力/郡山製餡>

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