今回、編集長のアッキーこと坂口明子が注目したのは、「ソムリエブレンド煎茶 芙蓉」という鮮やかな色の緑茶です。こちらの商品は、お茶の製造・卸・販売を行なっている専門店・茶通亭のものです。特に、芙蓉の2缶入ギフトセットは、茶通亭の大人気商品だとか。そこで、株式会社茶通亭の代表取締役である植松崇宏氏に、商品のこだわりやおいしいお茶の淹れ方など、スタッフがいろいろと伺ってみました!
おいしい緑茶には理由あり!茶通亭のお茶ソムリエがブレンドした最高の自信作
2024/05/27
株式会社茶通亭 代表取締役の植松崇宏氏
―御社の沿革を教えてください。
植松 初代が1909年(明治42年)に弊社の前身となる会社を創業したのが始まりで、当時は海外へのお茶の輸出をメインとしていたようです。その後は、大手の量販店向けや、地方の小売店などへの卸なども少しずつ拡大し、お茶が主流でありながら他の商材もいろいろと扱うような商売をしていたと聞いております。
2代目からは、本格的なお茶屋になり、新しい技術や機械を積極的に取り入れていくようになりました。当時は珍しい「全自動でお茶を仕上げる機械」を先駆けて導入したり、「有機栽培のお茶」を積極的に仕入れたりするようなお茶屋さんだったそうです。
そして、1992年(平成4年)に3代目によって株式会社茶通亭が設立され、その後はいくつかの営業所が開設されて、2012年に私が4代目の代表取締役に就任いたしました。
100年以上の歴史を持つ茶通亭。
―最近はどのような展開を?
植松 おかげさまで、今ではいろいろな老舗の企業や有名ホテルとのお付き合いができ、多くのコラボ商品やギフト商品などを作らせていただいています。
近頃は、路面店や小売店などの数が激減しているため、ここ20年くらいは卸のような裏方的な仕事が減ってきました。そこで、少しずつ自社や他社の販売サイトを利用して、お客様にダイレクトにお茶を販売できるようなかたちで進めています。
茶通亭がメインでやっている自社サイトでは、比較的オーソドックスなお茶を販売しています。ですが、もっと若者向けに幅広くやっていくことも必要と判断し、5年ほど前に「おいしい日本茶研究所」という名で、カジュアルなイメージのお茶サイトを立ち上げました。
「おいしい日本茶研究所」ではカジュアルなイメージのお茶を販売。
ホームページ:http://oitea-lab.shop
―創業から大事にしていることは?
植松 お茶の葉は、通常は一番茶から四番茶まで摘み取ることができますが、弊社のお茶には品質の高い一番茶と二番茶しか使いません。お茶というのは、摘み取りが後になるほど味の品質が下がり、値段も安くなります。
一般的に安価で販売されるようなお茶やペットボトルのお茶などは、三番茶や四番茶などを使っていますので、味や香りの違いは明らかだと思います。
―今回ご紹介するお茶について、お聞かせください。
植松 今回、弊社のギフト商品として紹介させていただくお茶は、「ソムリエブレンド煎茶 芙蓉」です。こちらのお茶は、弊社が全力で作った「本当においしいお茶」です。
お茶のおいしさには4つのポイントがあり、味・香り・色・見た目が大切です。これらすべて優れているものを作るというのはなかなか難しく、芙蓉は特に味と色を重視しました。味の濃さや甘み、お湯に出したときにきれいな緑色であるかなどをしっかりとチェックし、かなり追求して作った自信作です。
茶通亭「ソムリエブレンド煎茶 芙蓉」のギフト缶。
植松 年によっては、茶葉に結構なばらつきが出てしまうこともありますし、同じように作ったお茶でも農家さんによって味が全く違うこともあります。弊社の場合は、いろいろな農家さんが作ったお茶をブレンドして、試作を何十回も繰り返して最終的にこれだと思うブレンドを決めています。
―色と味の特徴は?
植松 お茶の葉というのは、日光が当たれば当たるほど渋みが出てきます。そのため、収穫前の1週間から10日くらい前の茶畑に覆いをかぶせて、日光を遮断させる「かぶせ仕立て」を行っています。かぶせ仕立てにはかなり手間がかかるのですが、これをすることでお茶の甘みが引き立ち、茶葉の緑色がかなりきれいになります。
―御社のお茶の産地はどこですか?
植松 現在は静岡と鹿児島のお茶をメインに使っていますが、必ずしも産地はここだと決めているわけではありません。本当によいものならば、産地にこだわらずに採用しています。弊社は茶畑を持っているわけではなく、契約農家さんから仕入れた荒茶を弊社の工場で焙煎して仕上げるという方法をとっています。そうして仕上げた各地のお茶をお茶ソムリエがブレンドし、弊社の商品となります。
「芙蓉」の茶葉の拡大画像。
―おいしいお茶の淹れ方を教えてください。
植松 ポットで沸かしたお湯の温度は、およそ90℃~100℃ですが、これを70℃~80℃程度まで冷ましたお湯を使うと、お茶の渋みが抑えられて旨味が引き立つようになります。
また、急須に茶葉とお湯を入れたときに、早く抽出できるように急須を回したり振ったりする人もいますが、これを行うと茶葉から雑味が出てしまいます。急須は振らずにそっと1分程度待っていただき、それから湯呑に注げばおいしく淹れることができます。
―今後の御社の展望をお聞かせください。
植松 最近は、若い世代のお茶離れが進んでいますので、そこを何とかしなければと思っています。弊社はそのために「おいしい日本茶研究所」を立ち上げて努力してきましたが、まだまだです。今後は、もっと多くの方にお茶好きになっていただけるような新しい取り組みをしていきたいです。
また、日本国内だけでなく、海外へもお茶の魅力をさらに広めていきたいです。世界の方々に弊社のお茶を飲んでいただくために、今後も努力していきます。
―本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
「匠の茶 茶缶ギフト【A-008】ソムリエブレンド煎茶 芙蓉180g×2缶 合組~さえみどり・ゆたかみどり~」
内容量:180g×2缶
製法:深蒸しブレンド
賞味期限:12ヶ月(未開封)
価格:¥6,480(税込)
店名:茶通亭オンラインショップ
電話:055-920-0025(月曜~土曜 9:00~17:00 ※日曜祝日、夏季休暇、年末年始は休み)
E-mail:info@cha2tei.com
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日対応
商品URL:https://shop.cha2tei.net/items/73305001
オンラインショップ:https://shop.cha2tei.net
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
植松崇宏(株式会社茶通亭 代表取締役)
1982年静岡県生まれ。2008年に株式会社茶通亭へ入社。2012年に同社代表取締役に就任。日本茶の新しい可能性を追求する新ブランド「おいしい日本茶研究所」を立ち上げる等、日本茶の魅力を伝える活動にも注力している。
<文/鶴良子 MC/高橋知 画像協力/茶通亭>