ボタニカルな香りが魅力のクラフトジン。香りを楽しむならロックで、爽やかさを楽しみたいならソーダやトニックで。シーンに合わせてリラックスシーンを演出してくれる、特別感のあるお酒です。
今回、編集長のアッキーが注目したのは、「ジャパニーズ・プレミアムジン」。ハンドクラフトで手間暇かけて作られたプレミアムジンのこだわりを、日光東照宮で有名な日光市の近く、栃木県小山市に蒸留所を持つ、株式会社安井商店の代表取締役 安井正博氏に、取材陣が伺いました。
栃木の山々が与えてくれた自然の恵みをクラフトジンへ「ジャパニーズ・プレミアムジン」
2024/05/28
株式会社安井商店 代表取締役の安井正博氏
―安井商店とはどのような会社ですか?
安井 創業は、今から約110年前にあたる1915年のことです。創業者の安井弥太郎が、滋賀県から現在の茨城県境町に移住したことをきっかけに創業したのが始まりです。
安井商店は1915年の創業以来、
地元である茨城県境町に密着した酒問屋として親しまれ続けている。
安井 その後、1962年に2代目が酒類卸免許を取得。3代目の私が販路を拡大して、現在は4代目の息子(専務取締役安井 健)とともに会社を運営しています。クラフトビール「さかい河岸ブルワリー」や、2023年に始めたオリジナルウイスキー、今回取り上げていただいた「ジャパン・プレミアムジン」などのオリジナル商品のおかげもあり、今も地元密着の酒問屋として事業を続けられています。
私が安井商店に入社したのは1975年頃のことです。大学卒業後、6年間大手ビール会社に勤めてから、当時は長男が会社の後を継ぐのが当たり前の時代だったので、生まれ故郷である境町に戻ってきました。
―なぜクラフトビールやクラフトジンなどに取り組んでいるのですか?
安井 クラフトビールやオリジナルウイスキーなどは、会社の生き残り戦略から生まれた発想です。かつて酒問屋という業種は多くの酒屋と取引できる状況にありましたが、酒類販売の規制緩和が進むにつれてスーパーやコンビニが競合として台頭するようになりました。結果として酒屋の立場は弱くなり、弊社もその影響を受けました。
そんなとき目についたのが、ハワイのクラフトビールです。息子からハワイのスーパーにクラフトビールが多く並んでいるという話を聞き、日本国内を調べたところ、日本にも魅力的なマイクロブルワリーがいくつも存在していることを知りました。
そして、クラフトビールなら小規模でも今後の会社の柱に成長する可能性があることに気が付き、これなら画一的な日本のビールラインナップの中でも生き残れるのではないかと考えました。
さかい河岸ブルワリーは2018年にスタートしたクラフトビールブランド。
2020年には、ジャパングレートビアアワーズ2020にて金賞を受賞している。
安井 そうして生まれたのが、2018年にスタートした境町のクラフトビールブランド「さかい河岸ブルワリー」です。最初は小さくスタートしましたが、今では多くの方に楽しんで頂けるようになり、弊社を支えるブランドに成長しました。
そして、2023年には栃木県小山市にあるグループ会社でオリジナルウイスキーとクラフトジンの蒸留所を開設。小山市でプレミアムジンの製造をスタートしました。
―ジンを造ろうと思った理由は?
安井 ジンやウイスキーの製造をスタートする以前、当初は小山市でもクラフトビールを作るつもりでいました。「さかい河岸ブルワリー」スタートから5年を経過し、競合も増えていく中で、差別化を図る為にクラフトビールで培った技術を生かした新事業を創造する中でウイスキーとジンの構想が始まりました。
すでにクラフトビールは境町で取り組んでいましたし、クラフトビールの製造工程とウイスキーやジンの製造工程には類似した工程があります。また、小山市は世界的に有名な日光東照宮がある日光市に近い特徴もあるので、自然由来の地域資源を活かしつつ小山市ならではの味を生み出せる、ジンの開発に取り組むことにしました。
醸造所のある栃木県小山市は自然と調和する都市。ジン作りに大切な、
良質な水と自然環境に恵まれ、日本名水百選に選ばれる水源にも近い。
安井 しかし、ジンを始めるにあたって、知名度やブランド力が無い課題はありました。その状態で大手と似たような商品を造っても埋もれてしまいますし、そもそも作る意味がありません。
そこで考えたのが、大手と真逆の方針となる、「少量生産」・「高品質」という方向性です。ハンドクラフトで手間を惜しまず丁寧に造り、とことん品質にこだわることで、飲んだ瞬間に特別感を感じてもらうことを目標としたのです。この点は、実際に達成できていると思うので、ぜひ実際に飲んで確かめていただきたいです。
―ブランド名「STORK VALLE」の意味を教えてください。
安井 「STORK VALLEY」というブランド名は、醸造所があると小山市・神鳥谷の地名に由来しています。神鳥谷とは、「神の鳥(コウノトリ)の谷」という意味があり、それを英語にすると「STORK VALLEY」になります。市にある渡良瀬遊水地では、実際にコウノトリの姿を見ることもできます。
「STORK VALLEY」の名は、
神の鳥(コウノトリ)の名を冠した地名である「神鳥谷」からとったもの。
「幸せの鳥」という縁起が良いイメージも込められている。
安井 コウノトリは「幸せを運ぶ鳥」という縁起の良いイメージもあり、ブランドシンボルとしてはぴったりです。このブランドがきっかけで皆さんに幸せを届けられるように、商品はもちろん、パッケージもこだわりぬいています。プレミアム感と縁起の良さを活かして、ギフト用としても取り組んでいきたいです。
―ジャパン・プレミアムジンでこだわっている点は?
安井 「ジャパン・プレミアムジン」で大切にしているのは、商品としての品質をこだわりぬくことです。特に、植物由来を意味する「ボタニカル」で造り、香りの質を高めることにこだわっています。封を開けた瞬間から、量販されているものとは明らかに違う香りを感じていただけると思います。
飲んだ瞬間に自然由来の豊潤でいて優しい香りが広がる。
まるで「飲むアロマ」と言えるようなリラックスできるひと時が味わえる。
氷を多めに入れても、香りはしっかり感じられる。
安井 素材の選定にもこだわっていて、なかには私たちが手摘みしたものもあります。例えば小山市の特産である桑の葉や、日光の山椒があります。山椒を取る際も、実際に山椒園へ足を運んで、その場で品質を見極めながら摘んでいます。
小山市は日光東照宮で有名な日光に近い。日光は自然由来の地域資源が豊富なほか、
世界へ展開していくためのアイコンとしても頼りになる存在だ。
安井 日光は主に観光分野で有名な地名ですが、自然由来の地域資源も豊富にあります。ジンの素材に使っているほかに、日光産の木材でウイスキー樽を作ったり、蒸留所の内装に利用したりもしています。日光というブランドイメージは世界に通用するものですし、今後も日光の地域資源を取り入れていく予定です。
―おすすめシーンやおすすめしたい人を教えてください。
安井 プレミアムジンということで、お祝い事や記念日といった特別なシーンに選んでもらえればと思います。500mlが1本6,000円と値は張りますが、本当においしく作っていますので、素敵なシーンを演出するにはぴったりだと思います。
また、縁起の良いコウノトリを名に冠しているので、ギフトに贈っていただけると嬉しいです。味や香りだけでなく、パッケージも特別感のあるデザインになっているので、もらってうれしい商品に仕上がっていると思います。
実際にギフトとして贈られたお客様からは、「先方から『特別感のある商品だった』と喜んでもらえた」という声もいただいております。
ちなみに、プリン体が少ないので、ダイエット中の方にもおすすめです。
―今後の展望についてお聞かせください。
安井 まずは、今後100年続く企業にすることです。今まで協力してくれた社員たちに報いることができるよう、ブランドを育てて、より良い会社にしていきたいと思っています。また、地域密着企業として地域貢献にも取り組みたいです。
そのためにも、ブランドのイメージや価値を上げることが、何より大切だと思っています。また、世界に通用するブランドにして、将来的には海外販売にも取り組みたいところです。
商品を通じてお客様に幸せを届け、得た利益で人や地域に還元していく。そうやって、幸せの循環が作れるような会社になるよう、今後100年を頑張っていきたいです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
「ジャパニーズ プレミアムジン」
内容量:500ml
価格:¥6,600(税込)
店名:Stork Valley Distillery Online Shop
電話:0285-22-0006(10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.stork-valley-distillery.com/ec-cube/products/detail/3
オンラインショップ:https://www.stork-valley-distillery.com/ec-cube/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
安井正博(株式会社安井商店 代表取締役)
1947年茨城県生まれ。成蹊大学卒業後、サッポロビール株式会社入社。1976年株式会社安井商店入社、1996年に同社代表取締役に就任。
<文/森田俊嗣 MC/高橋知 画像協力/安井商店>