今回、編集長アッキ―こと坂口明子が注目したのは、まるでお店で食べているかのような冷凍お好み焼き。こだわり製法で食卓でもカリッとふっくら。味変しながら楽しめる濃厚ソースが食欲をそそる逸品です。そんなお好み焼きの誕生秘話を伺いに株式会社ゆかり 代表取締役の山下真明氏のもとへ取材陣が尋ねると「お好み焼きはおいしいと知ってほしい」という4代目の想いが溢れてきました。
お店の味を食卓で。カリッとふっくら。「ゆかり」が届けるおいしい冷凍お好み焼き
2024/05/29
株式会社ゆかり 代表取締役の山下真明氏
―御社の沿革を教えてください。
山下 ゆかりの創業は1950年。甘味店からのスタートでした。その後、戦後からの復興とともに甘味の需要が減ってきたので洋食屋に業態変更。盛況に伸びていましたが、外資系の参入などもあり、再度、業態の変更を考えました。大阪らしいもの。そして、人と人の縁に由来する「ゆかり」という社名らしいもの…それが鉄板をみんなで囲み、共有して食べることができるお好み焼きでした。当初は本店の2階部分を改装して、お好み焼き専門店をスタート。1990年に全店がお好み焼き専門店となりました。2020年から通信販売をはじめ、現在に至ります。
大阪ならでは、ほんまもんの味。
―「冷凍お好み焼」を販売したきっかけは?
山下 通販を始めたのがコロナ禍でして、その前は阪急百貨店様のみに専売商品として冷凍お好み焼をお中元・お歳暮等で販売しておりました。コロナ禍で阪急様より他の売場様で販売する許可を頂き、通販も含め販路開拓を開始いたしました。
―山下社長は4代目です。大事にされていることは?
山下 私たち「ゆかり」は、お客様とのご縁。スタッフの皆さん、取引先の皆さんとのご縁。それを大事にしながら歴史を紡いできました。販売している商品も、お客様に対して私たちが返せる一つのご提案だと考えています。その上で、必要な変化に対しては全力で取り組んでいく。今に満足せず、高めていくことは大切にしています。
電子レンジでチンするだけの手軽さは魅力。温めると食欲をそそる香ばしい匂いが。
―その思いの中で取り扱っているのが「【冷凍】お好み焼(豚玉)」です。
山下 冷凍ですが、店舗と同じクオリティをできるだけ残したいと考えました。レシピと製法。原材料は、店舗とほぼ同じようにしています。それは他社さんとの大きな違いです。また、焼き方も人に焼いてもらう手焼きにしており、店舗と同じ焼成方法を工場にお願いしています。そうすることで冷凍でも食感や野菜の旨味がアップし、クオリティも担保される。野菜の旨味が出る製法なので、生地だけでも食べられる商品に仕上がっています。
―こだわりのポイントは?
山下 まずは、小麦粉です。小麦粉にもランクはあり、私たちは特等級を使用しています。これは、ケーキのスポンジ生地で使われるような小麦粉で、お好み焼きに使うことはほとんどありません。でも、この小麦粉を使うことによって、表面はカリッと。中はしっとり柔らかい食感が生まれます。これが再現されるのは大きい。それから豚肉も店舗と同様、国産を使用しています。それは、こだわりました。
豚肉もたっぷり入った生地。
レンジで温めた後に表面を焼くと、さらにカリッふわ食感になります。
付属のオリジナルソースもおいしいのでしっかりとかけて。
―ソースなどの特長も教えてください。
山下 私たちは、お好み焼きの前が洋食屋でした。なので、洋食のソース。いわゆるデミグラスソースに近い味になっています。トマトの含有率が多いのも特長です。その上で生地にマッチするようにつくっています。洋食屋をしていた当時、コックさんたちが設定したお好み焼きソースと生地に使用する粉の配合レシピは、絶妙なバランスでした。それをそのまま継承しています。
―ソースは甘いですか?
山下 甘いというよりパンチがあるので、かける量で調整いただくのがベストだと思います。最初はちょっと薄めに。あとから足していくのがおすすめです。生地自体にも味がついているので、味の変化を楽しんでいただけたら。加えて、ビールなどと一緒に味わっていただくとおいしさもアップします。それから、「ゆかり」がレトルトで販売している「ほんまもんのどて焼き」とも相性がいい。家族みんなで食べられます。大阪人としては、お好み焼きと白米もおすすめしたいところですが…これは、独特の食文化かもしれません。
熱々のお好み焼きにビールは鉄板の組み合わせ。
白米はツウ好みの食べ方ですが、お箸が止まらなくなります。
―どんな方に手にとってほしいですか?
山下 お好み焼きが好きな方はもちろん、食べたことがない方、粉ものが苦手な方にも味わっていただけたら。「お好み焼きはおいしい」と言っていただける機会をつくることで業界の発展にもなります。個人的には、味や焼き方は各店舗やメーカーごとに大きく違っていいと思いますし、実際にソースの味も生地の味も全く違う。自分で好きな味を選べるのがお好み焼きの良さです。その中で「ゆかりの味は好きだよ」となれば、うれしいなと思います。
―その「ゆかり」の味が、独自の製法で実現しているのですね。
山下 「冷凍お好み焼」に関しては、私たちは後発です。専門に扱っている会社さんもたくさんあります。その中でどうしたらいいかと考えたときに、「ゆかり」の強みでもある業態の違う実店舗でブランディングをしてきたことが浮かびました。
製法にこだわる分、生産効率は決して高くありませんが、クオリティを保つことで差別化を図っています。販売直後のできごとですが、タイミングよくTV番組で取り扱っていただいたことがありました。「冷凍お好み焼」のランキングを紹介する番組で1位を獲得。一気に認知度が広がって。本当にご縁があったと思いますし、こだわった形でつくると評価もいただける。少し違うステージが見えてくることも実感しました。今後もそれは変えずに、こだわりながらレベルアップをしていくことを目指しています。
―今後の展望も教えてください。
山下 国内の商品はどんどん進化・改良を続けながら、より良い商品をつくり出していきたいと思います。その上で、国内流通だけではなく、海外流通も増やしながら「ゆかりブランド」をつくり上げて広げていく。その背景には「お好み焼きはおいしい」ことをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いがあります。
それを胸に抱いて、国内外に展開していくことが通販事業の展望です。店舗に関しては、1店舗ずつのポテンシャルの高さが求められる時代になりました。「ゆかり」は、2021年に大阪市が主催する「第12回あきないグランプリ」で優秀賞を受賞しています。大阪市内の約5,000店舗の中から飲食店5店舗が選ばれる店舗表彰をいただいたように、一つひとつの店舗が確かなポテンシャルを保つこと。そして、ブランド力を高めていきたいと思います。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
「【冷凍】お好み焼(豚玉) 5枚セット」
価格:¥3,980(税込)
店名:お好み焼ゆかりオンラインショップ
電話:06-6311-0218(10:00~17:00 土日祝のぞく)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://okonomiyaki-yukari.com/items/5fce153bdf51590f80472a34
オンラインショップ:https://okonomiyaki-yukari.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
山下真明(株式会社ゆかり 代表取締役)
1983年大阪府に生まれ、高校卒業後に音楽業界・小売り業界を経て2006年に株式会社アールエフアローズ(ゆかりFC会社)に入社、2007年に株式会社ゆかりに入社。2012年に専務取締役、2016年に代表取締役に就任。
<文・撮影/青柳舞子 MC/澤水拳太 画像協力/ゆかり>