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その名も「ちゃポリタン」!昔ながらの「ちゃんぽん麺」が古くて新しい長崎新名物に

2024/06/05

長崎名物「ちゃんぽん」に新たなヒット商品があると聞き、編集長アッキーが注目。当初は発売の予定がなかったものの、イベントなどで人気に火がつき、商品化されたという一品です。製造している白雪食品の三代目・石本仁太郎代表取締役にお話を伺いました。

株式会社白雪食品 石本仁太郎 代表取締役
株式会社白雪食品 石本仁太郎 代表取締役

―御社は1951年創業、今年で73年目となり、石本代表取締役で3代目と伺いました。

石本 はい、祖父の頃から営んでいる家業になります。かつては自宅と工場が同じ場所にあり、生活のなかに麺作りがあるような環境で育ちました。いつかは家業を継ぐということも頭のどこかにはあったのですが、若い頃はむしろ継ぎたくはありませんでした(笑)。実際、大学卒業後は銀行に就職し、9年ほど勤めました。

長崎名物といえば、やっぱり「ちゃんぽん」。
昔ながらの中華麺の製法が今も残っている。

―銀行員でいらしたのですね?

石本 今思えば、その経験のおかげで社会人としての基礎を学ぶことができたと思います。また、銀行の仕事ではたくさんの会社経営者の方とお話する機会があり、のちに自分が経営者になった時には役に立つことがたくさんありました。

―社長に就任された経緯は?

石本 当時、父が経営をしていて、工場が2つあったのですが、そのうちの1つが道路用地になったため移転を余儀なくされました。そのタイミングで、父に「戻ってくるつもりはあるのか」と決断を迫れ、いずれはやらないといけないだろうという覚悟はあったので、その時に家業を継ぐことを決意しました。

―御社の主力商品「長崎ちゃんぽん麺」の特長について教えてください。

石本 長崎と他県のちゃんぽん麺との違いは、「唐あく」を使っているかどうかにあります。中華麺は、小麦粉にかんすいを入れてこねることで、黄色く発色しておいしくなるわけですが、唐あくというのはそのかんすいの一種です。
中華麺自体は、当然ながら、中国から伝わっています。長崎では明治維新の後に出島などから伝わりました。ちなみに、かんすいというのはもともと全て唐あくのことで、中国のある湖で取れる天然のナトリウムです。岩塩のようなものですね。ただ、今では天然のものはなく、同様の成分を化学的に精製したものを使っています。かんすいはカリウムが主成分ですが、唐あくはナトリウムを多く含みます。
長崎では、華僑の人たちが引き継いできて、昔ながらの唐あくを使って麺を作っているということになります。作るのが難しいこともあって、県内でも、もう2軒しか製造していません。

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製麺の様子。ちゃんぽんや皿うどんの独特の香りは、唐あくを使っている証拠。

―今回ご紹介いただく「ちゃポリタン」についても教えてください。

石本 2012年に発売して、すでに10年が経つロングセラー商品です。初めは、ケチャップのカゴメ株式会社さんからの呼びかけによる、長崎県生麺協同組合、長崎かんぼこ王国の3者合同の企画でした。
2011年ごろに、カゴメさんの社内でケチャップを使ったご当地メニューのコンペがありました。長崎担当の方が、かまぼことケチャップでと考えていたのですが、「長崎といえばやっぱりちゃんぽんだよね」という話になり、私たちにお話が来たのです。
私は、ケチャップとはあまり合わないのではないかな?と思っていたのですが、やってみたら、かなりおいしかった。ケチャップでちゃんぽんの風味が消えてしまうかと思いきやそうでもなく、食感がとてもよく合っていました。今はパスタといえばアルデンテですが、柔らかい昭和の麺のイメージです。固めのパスタより口に合うとおっしゃる方もいます。

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柔らかく風味豊かなちゃんぽん麺と、
甘めのかまぼこにケチャップ味がピッタリ合って意外なおいしさ。
フォークではなく、ぜひお箸で食べてみて。

石本 名前も、その場で「ちゃポリタン」はどうかと誰かが言い出して、「それいいね」と雑談のなかで決まりました。

―その後、商品化されたということでしょうか?

石本 実は、当初は商品化する予定はありませんでした。地元のスーパーでメニュー提案をして、ちゃんぽん麺とかまぼこをセットで販売するようなことをしていました。
それが、地元のイベントに出店した時に「ちゃポリタン」を販売したところ、名前に反応して「なんだろう」と振り返ってくれたり、テレビの取材も来たりして、大行列になりました。その時に、「どこで買えるの?」という質問をたくさんいただき、急遽商品化することになりました。

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イベント時には、鉄板で焼いて提供。
「ちゃポリタンいかがですか?」の呼び声に振り向く人が多数。

―おいしいうえに、ネーミングの妙もあったのですね。開発に際して工夫されたことは?

石本 実は「ちゃポリタン」の麺には唐あくは入っていません。というのも、通常のちゃんぽん用の麺だと水分が多いため、フライパンにくっつきやすいからです。そこで、先に販売していた「焼きちゃんぽん」の麺を応用しました。炒めやすく調理しやすく、また賞味期限も長くすることができました。

―おすすめの作り方はありますか?

石本 かまぼことの相性が抜群なので、ぜひ入れてください。パッケージにももちろん入っています。あとは、玉ねぎとピーマンはぜひ、マッシュルームもあれば入れていただけるとおいしいかと思います。

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セット内容は、ちゃんぽん麺とかんぼこ(かまぼこ)セット、たれ。
お好みで野菜を足して。3分ほど炒め合わせるだけで出来上がり!

―今後の御社のお取り組みについて教えてください。

石本 原材料費の高騰、特にパッケージ包装の価格が上がっており、この2年で3回の値上げをせざるをえませんでした。弊社の商品は、7割を地元のスーパーに卸しています。今後は、ちゃんぽんから派生した商品も開発して、新しいものを出して、他地方のお客様にも振り向いていただく、たくさん買っていただけるようにしていかなければ、と思っています。
でも、長崎らしさは外さない。地元の人に食べていただける商品にすることを心がけています。軸はぶらすことなく、全国の方に食べていただきたいと思っています。

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長崎の世界遺産「端島炭坑」の味を完全再現した「軍艦島の味 厚生食堂ちゃんぽん」。
地元ならではの商品を開発し続けている。

―長崎ちゃんぽんについて知ることができ、また新しい食べ方にも触れることができました。本日はありがとうございました。

「長崎新名物ちゃポリタン(1食入り)」

「長崎新名物ちゃポリタン(1食入り)」
価格:¥356(税込)
店名:白雪食品
電話:0120-74-1004(9:00~17:00土・日曜日・年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.shirayukifoods.co.jp/shopbrand/26/
オンラインショップ:http://www.shirayukifoods.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
石本仁太郎(株式会社白雪食品 代表取締役)

1966年、長崎県生まれ。1989年に関西大学商学部を卒業後、親和銀行に入行。1998年に家業であった株式会社白雪食品に入社。2003年に代表取締役に就任。趣味は登山。

<文/尾崎真佐子 MC/伊藤マヤ 画像協力/白雪食品>

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