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イカ肝の濃厚な旨味が素材の味を引き立てる「いかの肝醤油、いかの肝ポン酢、いかの肝味噌」

2024/05/30

今回、編集長アッキーが注目したのは、イカの旨味あふれる調味料のギフトセット。イカ肝を使った「いかの肝醤油・いかの肝ポン酢・いかの肝味噌」は、濃厚な味わいながら臭みが抑えられており、どんな料理にも隠し味として使えます。長年イカの加工に携わってきた株式会社飛鳥フーズであっても、調味料の開発にあたって、クセのないまろやかな味わいに仕上げるのがとても難しかったそう。開発の秘話とおいしさの秘密、おすすめの食べ方について、代表取締役社長の五十嵐七朗氏に取材陣が伺いました。

株式会社飛鳥フーズ 代表取締役社長 五十嵐七朗氏
株式会社飛鳥フーズ 代表取締役社長の五十嵐七朗氏

―もともとご家業は魚屋だったのに、お刺身を食べたことがなかったと伺いました。

五十嵐 魚屋の9人兄弟の末っ子でした。家は決して裕福ではなく、お刺身は売り物なので高校生になるまで食べたことがなかったんですよ。毎日食べているのは残った魚の煮魚。身も少なくて、骨ばかりのようなものでしたね。この頃の貧乏の思い出があって、煮魚は好きではなかったのですが、この商売をして改めて「魚や魚介類はおいしい」と思うようになりました。

―社長は、さまざまな仕事を経て開業されたんですね。

五十嵐 機械の製図の仕事や洋服の商品管理の仕事などを経て、鰹出汁の製造メーカーで修業し、1995年に現在の会社を立ち上げました。

鰹節や卵、イカなどの商品開発を行うファブレス企業です。中小企業ですから、他社との競合を避けて強みを磨き、20年ほど前から、商品のほとんどがイカの加工食品になりました。イカの専業加工メーカーと言えるでしょう。最初は飲食店やホテルなどに向けた業務用の商品を製造販売していました。

―イカの肝に注目されたのはなぜですか。

五十嵐 外食や業務用だけでなく、一般向けにも販売をしたいと、イカの刺身などを取り扱うようになると、皮や骨、肝が大量に廃棄される状況に疑問を持ったんです。当初はイカの肝などは9割近くが海洋投棄されていました。さらに海洋投棄が禁止されると、今度は焼却することになりました。いずれにせよ、環境に良いやり方ではないですし、何か商品開発をして消費できないかと考えていたんです。

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イカの部分廃棄に疑問を持って開発を開始。

五十嵐 ちょうどその頃、業務用の販売先で伺った和食店の板前さんから、「イカの肝を醤油に混ぜるとうまい」という話を聞きました。やってみると確かにおいしくて、これは商品化したいと思いました。当社ではすでに塩辛の製造ノウハウがあったので、できると思いました。

―どのように肝醤油を開発されたのですか。

五十嵐 肝と醤油を混ぜればいい、と思われるかもしれませんが、これが非常に難しいんですよ。味噌や醤油のメーカーに相談しても、なまものを加えると酵母に悪い影響を与えてしまうと言われて。どこに行っても断られてしまいましたね。単に混ぜても、非常に臭みが強くなってしまうんです。石川県に魚を発酵させて作る「いしる」という調味料がありますが、これもおいしいけれど匂いが強いので、好き嫌いが分かれます。

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新鮮なイカがあっても、肝を使った開発は難航。

五十嵐 アイデアはあるのに、商品開発が進まない状態が2~3年ありました。ある時、山形県の協力工場で話をしたら、ぜひやってみようと応えていただきました。その工場には温度調節ができる蔵があり、ちょうど空いていたんですよ。微妙な温度調節をすることで、臭みを抑えて旨味だけを引き出せるのではないかとチャレンジしました。

―臭みを出さずに旨味を残すのが難しいんですね。

五十嵐 イカの肝は脂肪分が多くて酸化しやすいんです。この酸化によって臭みが生まれてしまいます。そこで、脂肪やタンパク質を取り除き、肝の旨味成分を醤油に配合することで、くせの少ないおいしい調味料ができあがりました。商品ができるまでには、1年間試作を繰り返しましたね。

とにかく肝を酸化させないために、まずは鮮度の良い肝を調達します。鮮度が良いと、べちゃっと潰れずに、丸みがあるんですよ。この新鮮な肝を温度管理されたトラックで運んで、細かい手順に従って加工します。

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鮮度の良いイカを使い、温度管理にも気を配る。

五十嵐 原料の品質と作業に手間暇かかるので、どうしても価格は高くなってしまいます。高すぎてスーパーでは売れない、味がわからないと言われてあまり売れなかったですね。それでも地道に販売を続けて、食のセレクトショップや道の駅のような場所にも広げていき、今では発売当初の20倍の量が売れるようになりました。10年かけてファンがついたのだと思います。

―肝ポン酢や肝味噌の特徴は。

五十嵐 肝醤油の次は、肝ポン酢、そして肝味噌です。これも板前さんがすだちの効いたおいしいポン酢と合うのだと教えてくれました。当社で使うポン酢も厳選しており、角のない酸味が特徴です。味噌はガツンとした旨味とまろやかさがあります。

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醤油、ポン酢、味噌、それぞれの味わいを楽しみたい。

―おすすめの食べ方はありますか。

五十嵐 つけ醤油としてお刺身につけると、魚がワンランク上の味になります。焼き肉のタレがわりに使うと、安い肉の旨味も増します。豚肉の臭みを消してくれるので、私は炒め物に隠し味として入れるのが好きですね。あとは、焼きそばにもぴったりです。卵かけご飯に合わせるという人もいますし、豪華なところでは、ローストビーフのソースとして使うのもおすすめです。
肝のグルタミン酸やイノシン酸によって、素材の味が引き立つんです。強い旨味があるのに、素材の味を邪魔せず、引き立ててくれると思います。いろいろな料理に隠し味としてお使いいただきたいですね。

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魚介はもちろん、肉にもピッタリ。

―今後の展望をお聞かせください。

五十嵐 プロの考える本当においしいものを提供し続けたいです。例えば、本当に新鮮でおいしいイカは少し高くなってしまいますが、そのおいしさを余さず伝えたいなと思うんです。ゲソも軟骨も肝も全て捨てず、おいしいものを作って廃棄ゼロに限りなく近づけていく。この姿勢を貫いていきたいですね。そして当然のことながら、安心で安全な食品を生み出し続けたい。そう強く思っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「肝醤油・肝ポン酢・肝味噌(化粧箱入)ギフトセット」(200ml 各1本)

「肝醤油・肝ポン酢・肝味噌(化粧箱入)ギフトセット」(200ml 各1本)
価格:¥3,780(税込)
店名:飛鳥フーズオンラインショップ
電話:0256-31-5800(平日10:00~17:30)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://aska-foods.shop-pro.jp/?pid=177775965
オンラインショップ:https://aska-foods.shop-pro.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
五十嵐七朗(株式会社飛鳥フーズ 代表取締役)

カツオだしなどを販売するメーカー(新潟県三条市)に勤務し、その経験を生かして同市に飛鳥フーズ、酒田市に山形飛鳥を設立。週末は新潟に帰るが、平日は酒田市で単身生活。新潟県燕市出身。

<文/鈴木満優子 MC/木村彩織 画像協力/飛鳥フーズ>

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